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今週のNews

 □市川市の中核市移行
 財政負担 年23億円と想定

 □市川市第1庁舎にカフェオープン
 □川の清掃通じて地域貢献、環境学習
 東海大浦安中1年生

 □性的少数者のパートナー関係を証明
 浦安市が5月から新制度

 □北千葉道路 一部事業化
 □和洋女子大の学生有志が〝書店〟風に
 中高生に読んでほしい本を紹介
 29日まで 市川駅南口図書館とコラボ展

 □平田町会、クジラが目を引く郷土歴史板を設置
「地域の歴史、魅力を次世代に」

  


市川市の中核市移行
財政負担 年23億円と想定

 市川市議会は先月23日、市議11人で構成する「中核市移行に関する特別委員会」の会合を開いた。市は、中核市移行の基本的な考え方や目指す姿などを示す「市川市中核市移行ビジョン」の案を委員に提示。同案では、同市が中核市に移行した場合、年間23億円程度の経費が発生するとの想定が示された。
 
 村越祐民市長は昨年9月市議会で、中核市への移行を目指す方針を表明。市は、最短で2023年4月から移行するとしている。
 
 中核市は、人口20万人以上の都市の申請に基づいて政令で指定され、保健所や動物愛護センターの設置、保育所や介護老人ホームの設置認可・監督など、県の業務が一部移譲される。通常、中核市移行に伴う財政負担は地方交付税で措置されるが、市川市は地方交付税の不交付団体のため、ほぼ全額が市の負担になるとみられる。
 
 この日、市が提出した中核市移行ビジョンの案には、「市独自に保健所を設置することで、市の危機管理体制と一体的かつ機動的に対応できる」「地域猫活動で、動物愛護センターと市の支援策が一体となって地域コミュニティを支援できる」といった中核市移行に伴うメリットや、中核市移行で想定される人件費と事業費の負担増が年間23億円程度であることなど財政への影響についても記載。財政への影響では、保健所と動物愛護センターなどの施設整備費が「調査中」と記されており、さらなる費用負担が想定される。
 
 市は早期移行に前のめり
 
 中核市移行の議論は始まったばかりで、まだ移行すると決まったわけではない。だが、市は早くも保健所職員を新規採用するための補正予算案を6月定例市議会に提出する可能性を示したり、補正予算案の提出や採用が遅れると研修期間が短くなると説明したりと、23年4月からの移行に前のめりの姿勢を見せた。これに対し委員は、議会が移行を承認する前は予算案を審議しない考えや、スケジュールは柔軟にすべきとの考えを述べ、市の姿勢に釘を刺した。
 
 会合冒頭にあったビジョン案の説明時間では、市は委員に移行のメリットについてのみ説明。デメリットである財政負担について説明したのは、その後の委員からの質問に答えたときだけだった。  

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市川市第1庁舎にカフェオープン


飲み物を受け取る利用者

 市川市役所第1庁舎2階に先月31日、カフェ「いちかふぇ」がオープンした。
 
 ヤマザキ(本社・東京都千代田区、水越克夫社長)が運営。飲み物やスープ、サンドイッチやハンバーガーなどの軽食を販売している。飲食スペースはなく、購入した商品は同階や7階の休憩スペースなどで飲食できる。開店時間は平日午前8時半から午後5時半まで。
 
 2日に本北方から子供と訪れていた30代の女性は「カフェがオープンしたのをSNSで知って来た。市役所にカフェがあり、うれしい」とほほ笑んでいた。
 
 市は当初、1月の第1庁舎の全面開庁時にカフェと売店のオープンを目指していたが、いずれも業者の選定が難航し、開店が遅れた。売店は1階に今月下旬に開店予定で、こちらも同社が運営する。  

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川の清掃通じて地域貢献、環境学習
東海大浦安中1年生


旧江戸川河川敷で小さなごみまで一つ一つ丁寧に拾う生徒たち

 浦安市舞浜地先の旧江戸川の河川敷で先月6日、東海大浦安高中等部(茂泉吉則校長)の当時の全1年生約160人がごみ拾いを行った。
 
 地域清掃を通じて社会に貢献しようと、「総合的な学習の時間」の一環として実施。1月の総合学習「SDGsを自分のものにする」で学んだ海洋ごみについての調査も兼ねており、どのようなごみが捨てられているかを把握し、自分自身の生活について見直すことにも役立てる。
 
 軍手をはめ、ごみばさみとごみ袋を手にした生徒たちは、市職員とともに堀江橋から舞浜大橋までの約800㍍の河川敷を約30分間にわたり清掃。集まったごみは約200㌔で、ペットボトルやそのキャップ、菓子の包装フィルムのほか、タイヤなどもあった。
 
 学校に戻った生徒たちはクラスごとに、どんなごみがあったかを発表し合い、小さなごみが多く、思った以上に汚かったことを認識。今後、自分たちがどのようにしなければならないかなどを考え、話し合った。女子生徒の一人は「ごみが海に流され、魚が食べてしまわないよう、ポイ捨てしないことはもちろん、ごみを減らしていくことも大事」と話していた。  

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性的少数者のパートナー関係を証明
浦安市が5月から新制度

 浦安市は来月1日、同性が好きな人や自分の性に違和感を覚える人など性的マイノリティ(性的少数者)のパートナー関係を公に証明するパートナーシップ宣誓制度をスタートさせる。宣誓に法的効力はないが、配偶者や親子などに限られていた墓地公園の利用申請や市の災害見舞金の申請ができるようになる。市営住宅の入居についても条件の緩和を検討中。宣誓できるのは5月6日からで、宣誓に必要な事前予約は15日から受け付ける。
 
 認定NPO法人虹色ダイバーシティ(大阪府)と東京都渋谷区の調査によると、4月1日現在、パートナーシップ制度を導入している自治体数は全国で101。県内では千葉市が2019年に、松戸市が昨年11月に導入している。婚姻のように、相続権や税金の控除、親族の扶養義務など法的な義務や権利はないが、自治体によって利用できる行政サービスが増える。
 
 浦安市では、宣誓書提出者に、市が宣誓を証明する受領証を交付。墓地公園利用の申請については条例の範囲内で対応できることから、利用案内に明示されている申請資格に宣誓したパートナーを加える。災害見舞金については、申請できる遺族の中にパートナーも含まれるよう要綱を改正する。市営住宅の入居資格は条例で定められているため、6月の市議会定例会に条例改正案を上程する予定で、早ければ7月にも運用できる見込み。
 
 市内の事業所にはリーフレットを配布し、福利厚生の整備やハラスメントの防止、住宅の賃貸契約時の差別防止、入院時の面会や手術の同意など、性的マイノリティや制度への理解を求める。市の担当者は「当事者はもちろん、家族も悩みを抱えていることが多い。社会的理解が進み、性的マイノリティも生きづらさを感じないで生活ができるよう応援をしていきたい」と話している。
 
 宣誓できるのは、2人とも①成人である②市内在住または3カ月以内に市内転入予定③配偶者がいない④他の人とのパートナーシップがない⑤近親者でない――などが条件。性自認に悩む人もいることから、宣誓は同性カップルに限らない。ただし、事実婚のカップルや養子縁組している場合は宣誓できない。
 
 宣誓の予約は7日前までに、市多様性推進課の窓口(市文化会館2階)か電話(☎712・6803番)、eメール(tayousei@city.urayasu.lg.jp)で申し込む。初日の5月6日に宣誓を希望する場合は、4月22日までに予約が必要。当日、2人で来庁して宣誓書に署名すると、即日A4版の受領証が2人に1枚、カードサイズの受領証が1人1枚ずつ交付される。  

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北千葉道路 一部事業化

 市川市北部の外環道路から成田空港付近に至る延長約43㌔の幹線道路「北千葉道路」のうち、市川・松戸区間3・5㌔の国による事業化が決まった。今年度の国の予算に調査設計費1億円が盛り込まれた。
 
 同道路は、外環道路から鎌ケ谷市内の県道船橋我孫子線までの約9㌔区間が事業化されていないが、その他は一部工事中の区間を除いて開通済み。9㌔区間を含む市川市~船橋市区間約15㌔は一般道(国道464号)を整備する都市計画だったが、県は今年1月に一般道と自動車専用道路を一体整備する計画に変更し、国による事業化を求めていた。
 
 市川・松戸区間の用地取得、着工、完成時期などは未定。  

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和洋女子大の学生有志が〝書店〟風に
中高生に読んでほしい本を紹介
29日まで 市川駅南口図書館とコラボ展


お薦めの本をアピールする鳥飼さん(左)と松本さん

 女子大生がお薦めする中学生と高校生にいま一番読んでほしい本――。市川市市川駅南口図書館で29日まで、和洋女子大とのコラボ企画展「中高生にすすめる一冊」が開かれている。
 
 同大の日本文学文化学科の学生有志33人がそれぞれ、有川浩や辻村深月、伊坂幸太郎などの人気作家の作品や、本居宣長や谷崎潤一郎、司馬遼太郎などの名著など33冊をピックアップ。大学で学んだデザインアートを生かし、作品の魅力を伝えるために書店で使われている手作りのポップ広告も制作した。同館の宮野源太郎館長と同科の小澤京子准教授は「中高生には少し背伸びをすれば届くお薦めの本。大人には多感だった時代を懐かしみ、若者の動向を知る良い機会になる」と来館を呼び掛けている。
 
 ルイス・サッカーの『穴』を薦めた鳥飼理乃さん(1年)は「幼いころから図書館に毎週通っていた。教員志望なので、中高生に関わることの一つとして取り組んだ。皆さんの少し先輩が読んできた素敵な本がそろったと思う。私が中高生のときにこの企画があったら良かった」と話す。
 
 有川浩の『阪急電車』を薦めた松本萌里さん(同)は「家で本に囲まれて育った。本の魅力は、登場人物の体験や非現実的なことにワクワク、ドキドキできること。中高生は本に触れる機会が少ないと聞くので、関心を持つきっかけになってほしい」と願っている。
 
 同館の開館時間は午前9時半から午後9時(土・日曜日・祝日は同6時)まで。月曜日は休館。
 
 なお、所蔵数が少なく、企画も好評を得ているため、書籍が貸し出し中の場合あり。
 
 問い合わせは同館(☎325・6241番)。  

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平田町会、クジラが目を引く郷土歴史板を設置
 「地域の歴史、魅力を次世代に」


除幕後すぐに歴史板に見入る男の子

クジラの木彫りを制作する生徒たち

 市川市の平田町会は先月28日、クジラをモチーフにした彫刻が目を引く郷土歴史板を平田公園に設置した。制作には同地区内の県立市川工業高の生徒も協力した。
 
 同自治会の地区内では、1958年に国道14号沿いで縄文時代のコククジラの骨格が発掘され、外環道路の建設に伴う調査で古墳時代の古墳や埴輪、奈良・平安時代の竪穴式住居も発掘された。聖徳太子の偉業を伝える石像や、市川の砂州を象徴する多くのクロマツも残ることから、地域の歴史を住民、特に次代を担う子供たちに広く伝えていくために歴史板を設置した。
 
 歴史板はタテ2㍍×ヨコ3㍍で、写真と説明文で遺跡や石像、クロマツなどを紹介。歴史板を引き立てているのは、コククジラのレリーフ彫刻。同高インテリア科デザインコースの生徒が2年間かけて制作した。一昨年度の3年生13人がデザインを検討し、昨年度の3年生9人がデザインを最終的にまとめて制作。軽井沢彫りの技法の星打ちを取り入れて同高が生徒に指導している市工彫りも、クジラに付くフジツボのようにあしらった桜の花の模様に施した。
 
 制作に当たった昨年度の3年生の水田萌夏さんと伊藤香奈さん、岩村俊介さんは「木材を張り合わせることで、さまざまな歴史が折り重なって平田地域ができていることを表現した。この工程と、デザイン画を3次元化することが難しかった。全体の出来を左右する目を彫ることは特に苦労し、緊張した」と言う。また、四倉葵乃さんと小野美紅さん、石川日向葵さん、山崎薫平さんは「先輩たちの時代から取り組んできたが、依頼主の要望に応えることの難しさ、責任の重さを体験した。これから先の学びや仕事に生かして行けると思うと良い経験だった」と振り返る。
 
 同日には歴史板の除幕式が行われ、同町会の新井宏光会長は「地域の発展、住み良い地域社会のための自治会などの取り組みに補助金を交付する市川市自治会等提案地域活性化事業補助金の第1号として設置させてもらった。コククジラが泳いでいた5千年前からの平田の悠久の歴史と遺産、魅力を地域の皆さんに長く記憶してもらい、町おこし、ふるさと愛につなげていきたい」と歴史板に込めた思いを紹介。出席した村越祐民市長は「この補助金は、地域のアイデアを地域の活性化につなげていくもの。昔から人が住み、歴史の豊かな市川の一つとして、子供たちに地域の歴史を伝えてほしい」とあいさつした。  

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