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□「あそ美」活動開始10年
温かい時間流れるアトリエ&カフェ
□朝夜でバス一部増便 浦安市おさんぽバス
□敬老の日 市川市の100歳87人
「あそ美」活動開始10年 温かい時間流れるアトリエ&カフェ 「常設化」を模索中
お客さんと会話しながら食器を下げるメンバー
お会計も担当した
知的障がいのあるメンバーがアート制作を続けられる場として、市川市で「あそ美」が活動を開始して今年で10年を迎え、15日には近くの古民家カフェで、2回目の「おまたせカフェ」が開かれた。ランチとかき氷、飲み物の提供のほか、草木染めのワークショップもあってにぎわい、メンバーが一生懸命に動き回る姿に、温かい時間が流れた。あそ美を運営する佐藤宏之さん(50)は、〝アトリエ〟やカフェでのメンバーの笑顔を胸に、常設の活動拠点がつくれないか模索している。
■純粋な絵
市立須和田の丘支援学校で月1回開催しているあそ美は、佐藤さんが同校教諭時代に、生徒たちの純粋で魅力的な絵に惹かれたのがきっかけだ。
当時の校長のアイデアで学校の玄関に生徒の絵を飾り、その縁で、芳澤ガーデンギャラリーでの作品展にもつながった。
佐藤さんは、東京芸術大学の彫刻科を卒業し、大手玩具メーカーを経て英国留学後に教員採用試験を受け、特別支援学校の教諭になった。
知的障がいのある人が描く絵は繊細で緻密だったり、一方で構図や色使いが大胆だったり、目を引くものが多い。また、描いた絵を観てもらい、評価してもらうことで、喜びや、やりがいにつながる。
佐藤さんは、自身が同校を異動で離れる際に、卒業するとすぐに働きに出てしまう支援学校の生徒たちが、卒業後もいつまでも創作活動ができるようにと、あそ美を立ち上げた。
■失敗も魅力
おまたせカフェは今年4月にも、今回と同じ真間のアトリエ*ローゼンホルツで、あそ美の作品展を兼ねて開いたが、メンバーの充実した様子に、5カ月経って2回目の開催にこぎつけた。
今回のおまたせカフェでも、東京芸大で布染色を学んだ草木染め作家の橋本倫枝さんが、ワークショップを開くなど、支援の輪が広がっている。
この日のメンバーは、▼会計がしたくて開店前からお金を入れる竹のカゴを持って張り切っていた高校1年の塙陽太さん▼初めて参加する中学1年の鈴木宇太さん▼みんなのリーダー的存在の社会人の安田直樹さん(24)▼役割分担では予定になかったが、食事中にお客さんの似顔絵を描いて渡し、大人気だった同じく社会人の渡部寛人さん(23)―。
お待たせカフェは、「注文を間違えるかも、大変待たせるかも、お水をこぼすかも…」を前提に、「突然のハプニングも魅力と感じてもらえると嬉しいです」がコンセプト。
セットメニューのランチだけで23人の予約があり、他にもかき氷やドリンクが人気だったが、メンバーはみな、佐藤さんの話を一生懸命聞いて開店前から準備し、小走りに水を運び、注文を聞き、ランチを出し、食器を下げてと大忙し。
佐藤さんから時折、「ゆっくり歩いて」「箸は、おしぼりは出したの」とアドバイスを受けながら、ひとつずつていねいに役割をこなしていった。
「本八幡の友人に誘われて」と埼玉から来た女性客もいて、ランチや草木染めのワークショップでにぎわうカフェは、笑いと、温かい空気に包まれていた。
■〝アトリエ〟
おまたせカフェで知り合ったメンバーに会いたくなり、次の日曜日に、須和田の丘支援学校で開かれたあそ美の制作現場にお邪魔した。
アトリエ代わりの音楽室には、体験も含めて小学生から社会人まで17人が集まった。おまたせカフェで活躍した4人も、参加した。
絵筆や色鉛筆、サインペン、マーカーを思い思いに握り、乗った電車や食べた物、モニュメントなどを詳細に描いた旅行の思い出、墨を使った作品、樹脂製の粘土のフィギュア、似顔絵などを佐藤さんが声をかけながら見て回る。
メンバーはみな、佐藤さんや他のメンバーの保護者らに自分の作品をほめられるのがうれしく、部屋中に笑顔が広がる。帰り際に、その日の作品を見せて拍手を受ける姿が印象的で、同行のお母さんたちにも、幸せな時間が流れているようだった。
■常設の場を
「卒業後には、職場と家の往復のような生活になってしまう支援学校の生徒たちのために、こうした活動を続けていってあげたい」という佐藤さんは、みなで動物を見に行ったり、イベントに参加したりと、あそ美のメンバーの生きがいや、やりがいにつながる試みをいつも意識している。
そのため、就労継続支援B型事業所の開業も含め、手弁当ではなく、活動を持続できる方法を検討しているが、資金やスペースが必要になる常設場所の確保など、ハードルも高い。
今後、どのような具体的な方策が選択肢としてあるか、関係先にも働きかけながら、一緒に考えていきたいと思う。
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朝夜でバス一部増便 浦安市おさんぽバス
浦安市は10月12日から、市コミュニティバス「おさんぽバス」の3路線で、じゅんかい線の始発を除き、始発と最終の便で1~2本ずつ増便する。
同バスは、市が東京ベイシティバスに委託して運行しているが、乗務員不足から今年3月のダイヤ改正で大幅に減便した。
市は今年1月、大型二種免許取得や雇用確保のための広告などを支援する「バス乗務員確保支援補助金制度」を設け、市内バス事業者の乗務員確保に努めてきた。今年度予算でも継続している。その成果もあって新乗務員が増え、免許取得、社内教育を終えたことから、10月のダイヤ改正から計16本のみだが増便が可能となった。
増便するバスの時刻は、通勤・通学時間帯にあたるとともに、減便前の始発と最終の時刻に近づける考え方から設定した。
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敬老の日 市川市の100歳87人
100歳のお祝いで自宅を訪れた田中市長と歓談する磯部さん(左)
敬老の日の16日、今年5月に100歳の誕生日を迎えた市川市八幡の磯部ヨシイさん方を市川市の田中甲市長が訪れ、お祝い状と花束、敬老祝い金を贈った。
磯部さんは、義理の娘と孫と、元気に暮らしている。長寿の秘訣を聞かれ、「家の庭で草取りをするなど、ふつうの生活をしてきた」と話す。最近は庭に出ることも少なくなったが、「好き嫌いなく何でも食べる。うなぎが好物」というのも、長寿の秘訣かもしれない。
栃木県真岡市から上京し、都内の水天宮近くの設計事務所で働いていた。だが、深川で東京大空襲に遭い、焼夷弾が落ちて来る中、祖母と姉、姉の子と近くの川に飛び込み、一夜を過ごしたという、そのことが、100年の人生で今も忘れられない。
25歳で結婚し、36歳で市川市に移り住んだ。孫が外出する時に、「気を付けて」と声をかけると、「おばあちゃんもね、と気遣ってくれる」と目を細めた。
市川市で今年、100歳を迎える1924(大正13年)1月2日~25(大正14)年元日生まれの市民は、8月末時点で87人(男性13人、女性74人)。最高齢は女性110歳、男性105歳。
これまでの市内の100歳のお祝いの対象者は、2023年度が84人▽22年度が63人、21年度が76人▽20年度が86人▽19年度が76人―だった。
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