市川浦安よみうり online

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「想いの架け橋」で最優秀賞
特別支援教材など開発の三和製作所
インクルーシブ教育「市川モデル」も提唱


特別支援教育に関わる先生と職員の研修なども行われている

 市川市発祥で、現在も市内に主要拠点を置く教材開発の三和製作所(小林広樹社長)が、すべての子供が同じ環境で学ぶ、インクルーシブ教育に取り組んでいる。その中で、特別支援学校や支援学級などに通う子供たちの自立と、発達を支援する「ハートブリッヂプロジェクト」活動が評価され、青少年の体験活動推進企業として、2024年度の最優秀賞を受賞した。

 ■原木の拠点で

 文部科学省が、「いーたいけんアワード」として2013年度に始めた表彰制度で、社会貢献の一環として、青少年の体験活動を支援する企業の優れた取り組みを全国に広めるのが狙い。

 今回、全国64件の応募の中から、中小企業部門最高賞の文部科学大臣賞に選ばれたのは、「ハートブリッヂプロジェクト~想いの架け橋/子どもたちの『できた!』を応援~」事業。

 JR京葉線の二俣新町駅に近い、原木の同社本部5階、トライアングルラボ01に併設された「ハートブリッヂガーデン」が舞台だ。

 ■知る、集う場

 「知る」(『できた!』を増やして自立へ)、「集う」(抱え込まないで話せる『場所』)をキーワードに、フロアには、「ハートブリッヂ」を象徴するように、モニュメント風の橋が架けられている。

 橋を渡った子供部屋のようなスペースでは、同社の特別支援教材や遊具100点ほどが展示され、無償で利用できる。

 橋を渡った子供部屋のようなスペースでは、同社の特別支援教材や遊具100点ほどが展示され、無償で利用できる。橋を渡った子供部屋のようなスペースでは、同社の特別支援教材や遊具100点ほどが展示され、無償で利用できる。周囲にも、障害のあるなしに関わらず同じ環境で学び、社会参加を促すインクルーシブ教育を実現する教材が展示され、自由に使うことができる。

 市川市内や近隣市の特別支援学校、支援学級に通ったり、放課後等デイサービスなどの療育施設を利用したりしている子供と保護者に加え、特別支援学校、支援学級の先生と職員が、研修や情報交換のために訪れ、実際に体験できる場になっている。

 ■教材開発で連携

 「ハートブリッヂプロジェクト」は、2019年7月にスタートし、これまでに、子供と先生、職員合わせ、年間100人が利用。市川市内で特別支援教育に関わる先生の研修会などに毎年、50人ほどが参加している。

 特別支援教材を手にした障がいのある子供たちに、『できた!』という達成感や自己肯定感が芽生え、参加者からは、「学校でも家庭でも療育施設でもない、地域の拠点として有意義」との声が、寄せられているという。

 新たな教材開発分野での産学連携も、実現した。同社は、障がいのある子供たち、人たちに対し、「特別支援の自立支援サポート」→「就労に向けた取り組み」→「地域連携し、自立支援のできる環境の創造」の3ステップの支援をするインクルーシブ教育の「市川モデル」を提唱している。

 原木の拠点では、「ハートブリッヂプロジェクト」に加え、市内や近隣の特別支援学校高等部の研修受け入れや、雇用機会の確保も進めている。

 ■教材コンテスト

 同社は、全日本学校教材教具協同組合と、筑波大学付属大塚特別支援学校共催の「インクルーシブ教育教材コンテスト」にも協力。今年第3回を迎え、8月から募集開始の予定。

 応募部門は「知的障害」と「発達障害」で、対象クラスは「就学前」「小学生」「中学生」「高校生」。非常勤支援員を含む教職員、社会福祉施設関係者ら子供の支援に関わる人、保護者、学生らが応募できる。

 コンテストで発表された教材を実際の教育現場で、広く活用していくことが期待されている。詳細は以下、URL(https://inclu-kyouzai.com/)  

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