未回収診療費1900万円

  自宅訪問で徴収〜旧浦安市川市民病院


 市川市と浦安市が一部事務組合を組織し平成20年度末まで運営していた浦安市川市民病院の診療費の未収金が同21年度末でも約1905万円残っている。同病院組合解散時の未収金のうち約4340万円はすでに債権放棄。同病院組合の事業事務を昨年度から承継した浦安市は今年度から、専任の非常勤職員を採用、自宅訪問で回収に努めるが、債権放棄はさらに膨れ上がる可能性をはらんでいる。

 公立病院だった同病院は医師不足と入院・外来患者数の減少による歳出超過の末、両市の追加負担を受けて昨年3月31日に解散した。

 平成19度末の入院・外来患者の未収金は約6223万円。同20年度に新たに発生した未収金約716万円を加え、同年度に回収した約437万円を差し引いた約6502万円のうち、▽3年間入金がない▽死亡▽居所不明―を理由に、同病院組合は約4340万円を不納欠損金処理し、債権を放棄している。

 残りの未収金約310人、約2162万円を同病院組合事業事務の一環として引き継いだ浦安市は昨年度、未納者に対して督促状の送付と、既存の職員による自宅訪問を行ったが、1年間での回収は延べ85人から256万9208円(約12%)にとどまっている。

 同市健康増進課は、「督促では開封されずに捨てられる可能性が高い。その郵送料だけでも費用は多く、費用対効果を考えなければならない。直接何度でも顔を合わせることで、未納者に払う意識を高めてもらいたい」とし、今年度は新たに収納を行う専任の非常勤職員3人を採用し、自宅訪問などをこれまで以上に積極的に行う方針を立てている。

 また、今月一日から施行した浦安市債権管理条例にのっとり、専門家のアドバイスを受けて債権回収強化を進めていく―としている。

 ただし、分納を約束した者の今後の支払い見込み額を差し引いたとしても、まだ約225人、約1667万円(約77%)が残っている。未収金を引き継いだ昨年度当初の未納者はすべて居所が明らかだったが、その後に居所不明になった者もおり、また、未納者は市川・浦安市在住者とは限らず、その回収のめどは立っていない。

 さらに、生活保護を受けているような生活困窮者もおり、「いますぐ回収したくてもできない人がいるのが現実」(同市健康増進課)と、回収の困難さをこぼしている。

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