井上ひさしさん死去

  市川よみっこ運動も提唱

 作家・劇作家として活躍した井上ひさし(本名=井上廈)さん=写真=が9日午後10時22分、肺がんのため、神奈川県鎌倉市の自宅で亡くなった。75歳。あす18日まで、市川市文化会館と同芳澤ガーデンギャラリーに記帳台が設けられている。

 井上さんは昭和9年、山形県生まれ。上智大在学中に浅草のストリップ劇場の台本を書きはじめ、同大卒業後は放送作家としてNHKテレビ『ひょっこりひょうたん島』などを手がけた。その後、戯曲や小説などを精力的に執筆し、同47年に『道元の冒険』で岸田國士戯曲賞を、『手鎖心中』で直木賞を受賞。平成16年には文化功労者として表彰された。

 昭和42年から同62年までの20年間は、自身が好きだった作家・永井荷風と同じく市川市内に居を構えた。その後、転居したものの、平成16年からは市川市文化振興財団の理事長を務め、同18年には、子供と地域をつなげる読書運動「よみっこ運動」を呼びかけるなど、市川市とのかかわりを続けた。

 市川市の大久保博市長は12日の記者会見で「日本にとって、そして市川にとって偉大な文化人を亡くし、本当に残念でなりません」とコメント。井上さんの同財団理事長の任期は6月30日まであるが、後任は未定という。

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