最多は「命を大切にする教育」
保護者が選ぶ学校教育~市川市
市川市教委が、学校教育に関する施策について市立小・中・特別支援学校のPTA役員を対象にアンケート調査を行った結果、保護者は「命を大切にする教育」や「きめ細やかな指導」の充実を最も重要視していることがこのほど分かった。大久保博市長の選挙公約である「給食費無料化」については、重要とする意見の数が対象全33項目中17番目にとどまり、実現に影響を与える可能性もある。
市教委は、このアンケート結果をさらに細かく分析し、今後の取り組みに生かしたいとしている。このアンケートは、同市教育振興基本計画に沿った具体的な事業のうち、学校教育に関する重要施策として示された33項目の中から、回答者が重要と思う5項目を選ぶもの。7月に全市立小・中・特別支援学校のPTA役員を対象に実施し、1440人から回答を得た。
その結果、最も得票率が高かった項目は「命を大切にする心をはぐくむための道徳教育、人権教育、薬物乱用防止教育等の充実」の60%。以下、「少人数指導など、わかりやすくきめ細やかな指導を充実するための補助教員の配置」(50%)、「子供たちが安全かつ快適に利用できる学校施設・設備の改修・充実」(44%)、「子供たちの精神的な悩みに対応するためのライフカウンセラーの全校配置」(27%)が上位5項目に入った。 さらに、「教職員の指導力向上のための研修」(26%)、「校舎などの耐震改修」(同)、「青色防犯パトロール、かけこみ110番」(21%)、「学習活動を支援するサポートスタッフの配置」(同)が続くなど、全体的に「豊かな心や確かな学力を求め、安心・安全な教育環境の整備を重視している傾向があった」(市教育政策課)としている。
一方、特別支援学級に関する施策や帰国子女・外国人を対象とした講師の配置など、対象者が限定される事業や、地域との連携事業などはいずれも得票順で20位以下。外国語教育や経済支援に関する項目はすべて10位から21位までの範囲内となった。
また、大久保市長の選挙公約の一つである「給食費の無料化」は17位で、得票率は11%。質問形式が必要性を問うものではなく、必ずしも事業そのものが否定されたわけではないが、重要性はそれほど高くないことが明らかになった。同事業に必要と見込まれている財源は、毎年約17億円。実現に向けては、これまでも保護者の意向なども検討するとしており、今回の調査結果によりさらなる慎重な判断が求められることになりそうだ。
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