市川よみうり & 浦安よみうり online

□市川市 市川の自然と文化のかかわり探求 根岸英之さん 連載100回
□市川市 第2子保育料無償化 6月補正予算に盛り込む
□浦安市 児童ら、元町をスケッチ 作品は「旧大塚家住宅」で展示
□浦安市 浦安三社祭 8年ぶり復活 来年6月14~16日に開催
□市川市 中央図書館を会場に 本好きで古本市にぎわう
□浦安市 境川の浄化活動を続けて20年 ふるさと浦安かっぱ村

市川の自然と文化のかかわり探求
根岸英之さん 連載100回


「市川の民話の中でキツネが生きている」と語る根岸さん=市川市の葛飾八幡宮境内で

 市川市の文筆家、根岸英之さん(54)が市川の文芸と自然をテーマに市民団体の会報に書き続けてきた連載記事がこのほど100回を迎えた。根岸さんは、市川に住む〝千葉都民〟に、地元の身近な歴史を肌で感じてほしいと話している。

 根岸さんの連載のタイトルは「文芸からみる市川の自然」。市民団体「市川緑の市民フォーラム」の会報「みどりのふぉーらむ」(偶数月刊)で掲載し、4月1日発行の189号で100回となった。

 第1回は真間(市川市真間)の手児奈。「万葉集」で、山部赤人や高橋虫麻呂によって詠まれた伝説上の美女で、男達から求婚され、悩み苦しみ入り江に身を投げた。

 根岸さんは歌による手児奈の描写から「神事の面影を認めることができる」と指摘、井戸があり、かつて「水」にまつわる祭祀(さいし)が行われていた「真間の歴史環境」が浮き彫りにされる、と記した。

 根岸さんは市川生まれの市川育ち。お年寄りの語り伝える民話の発掘がライフワークだ。そのこともあって、民話をテーマにした回も多かった。

 下貝塚地区の石仏の由来を語った「こんこん様」。行徳の了善寺付近に現れたという「おなつぎつね」―。どこまでも話は尽きない。

 根岸さんによれば、市川市内の民話に登場する動物ではキツネが多く、次いでムジナ。なぜかタヌキは登場してこないのが特徴という。

 根岸さんにとって目下の大仕事はテープ起こし。お年寄りに語ってもらった多くの民話が、まだカセットテープに残されたまま。これを資料集として残すのが目標だという。

 連載には現代作家のエピソードも登場する。フェイスブックの「みどりのふぉーらむ編集室」を開ければ、2018年6月掲載の第71回以降を読むことができる。

 根岸さんは「市川の自然を文化の側面から見るとどういうことが言えるのか、いろいろと書いてきました。キツネの話が多いのも、かつての市川の農村風景を感じさせますね」と話している。  

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第2子保育料無償化
6月補正予算に盛り込む
市川市長会見

 市川市の田中甲市長は先月30日の記者会見で28億9500万円の6月補正予算案を発表。この中で第2子以降の保育料無償化について、「来年度以降の実施を検討してきたが、それを早めて実施することにした」と述べ、正式に今年10月の実施を表明した。県内の市では最初の実施となる見通しだ。

 田中市長は、東京都がすでに10月から同様に第2子の無償化を決めている点に触れ、「隣接する市川市としては、何としても同時期に踏み切りたいと考えた」と述べた。財源は国の地方創生臨時交付金に求め、関連費用3億円を補正予算案に計上した。

 同市によれば、現在すでに3歳から5歳までの保育料は無償となっている。10月からは第2子以降の0歳から2歳までについても無償化される。親の所得に応じた制限はなく、対象は約2300人にのぼる見通し。

 また、これとは別に補正予算案には、「子どもの成長応援臨時給付金」が盛り込まれた。県の支援策と合わせ、同市在住の0歳児から中学生までを持つ親に、児童1人あたり1万円を支給。関連費用は6億4800万円。  

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児童ら、元町をスケッチ
作品は「旧大塚家住宅」で展示


清瀧神社でスケッチする児童2人と講師の今井さん

旧大塚家住宅に飾られている作品

 浦安の旧市街地をスケッチして文化財住宅に飾ろう――。浦安市郷土博物館は先月27日、千葉県指定の有形文化財「旧大塚家住宅」と周辺の元町を描いて同住宅に展示する、初めての企画を行った。

 小学3年生3人、中学1年生1人の計4人が、保護者とともに午前9時半に同住宅に集まった。児童・生徒の質問や相談に応じるため、NPO法人文化交流サポート浦安の約10人が講師として参加。日頃から同博物館の貝がらに絵を描く企画に協力しており、浦安市美術協会理事でもある今井弘さんが「見た目の色だけでなく、好きな色で表現したら良い」と自由な色使いをアドバイスした。

 4人は旧大塚家住宅、境川護岸、清瀧神社と分かれて、スケッチ。同11時半過ぎには一応描き終えて、同住宅に戻った。

 描かれた水彩画は、付き添いで参加した保護者の絵も含めて土間の掲示板に展示されている。展示期間は10日まで。  

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浦安三社祭 8年ぶり復活
来年6月14~16日に開催



 浦安伝統の神輿祭「浦安三社例大祭」が来年6月、8年ぶりに復活する。主催する清瀧神社(堀江)と豊受神社(猫実)、稲荷神社(当代島)の地元では1年後の開催を歓迎。復活約1年前の今月18日には、こども祭りの開催や神輿の飾りつけも行われる予定。

 浦安三社祭は4年に一度、近年は五輪と同年に開催されてきた。前回は2020年の予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で延期となった。

 開催については、三神社の総代長=写真=が協議を続けてきて、今年の開催は見送ることとし、来年については、コロナ禍も収まってきたことなどから、開催することを決めた。

 来年の日程は14日㈮宵宮(御霊入れ)、15日㈯神輿渡御、16日㈰神輿渡御(宮入り)。開催の詳細については今後の協議で順次決めていく。

 開催について元町で聞くと、「浅草も神田も、そして浦安も完全復活。今年の開催でないことが残念だが、来年はみんなで盛り上がりたい」(50代男性)、「またあの興奮のお神輿が戻ってくる。いまからとっても楽しみ」(30代女性)と、期待や歓迎の声が相次いだ。

 本祭に向けた今年の催し

 清瀧神社

 清瀧神社は18日午前10時から午後3時まで、清瀧神社こども祭りを開く。こども神輿を午前10時半からと午後1時半から担げるほか、露店の出る縁日を楽しめる。露店の料金は1回100円(100円券10枚つづり)。

 稲荷神社

 稲荷神社では18日、社務所でガラス越しに常時展示している宮神輿を、祭り開催時と同様に飾りひもなどで飾り付けて展示する計画。

 豊受神社

 豊受神社は例年秋に開催している豊受神社秋祭りを10月8日(予定)に開き、宮神輿を展示する計画。山崎常雄総代長は「8年ぶりで見たことがない若い人たちに、宮神輿の大きさと迫力を感じてもらい、一緒に盛り上げていきたい」と話した。  

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市川市中央図書館を会場に
本好きで古本市にぎわう

 市民からの提案によるイベント「いちかわのほほん古本市」が先月27日、市川市中央図書館のロビーで開催された。

 普段はがらんとしたロビーが、この日は12の小さな区画の古本市に早変わり。来場者は興味深そうに本をのぞき込んだり、店主と話し込んだり――。やや古めかしい本を並べた店主の1人は「9冊売れた」とほくほく顔。館外での飲食物販売もほぼ完売という人気ぶりだった。実行委員会(田辺保徳委員長)では11月に2回目を開催することにしている。  

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境川の浄化活動を続けて20年
ふるさと浦安かっぱ村


かっぱの衣装を着て「境川をきれいにしましょう」と訴える浦安のかっぱ村の村民たち(2016年)

 「境川をかっぱの住めるきれいな川にしましょう」――。境川の浄化を目指して活動を続ける市民団体「ふるさと浦安かっぱ村」(宇田川敬之助村長)が今年、活動開始20年目を迎えた。

 かっぱ村は、水辺環境の改善や、かっぱを生かした地域活性化などを進めるかっぱ愛好家で組織。日本全国と台湾にある計約40村で河童連邦共和国を構成する。同共和国の河童サミットは来週10日、浦安市内ホテルで開かれる。

 境川の水質について宇田川村長は、「昭和30年代まで子供たちの水泳場所で、飲み水にも使っていたほどきれいだった。平成に入る頃からは夏場に悪臭がしていた」。そうしたことから、浦安のかっぱ村は、境川の川岸と船上からのごみ拾いと、かっぱの衣装を着て行う啓発活動「河童の川渡り」を活動の柱として初期から開始。かっぱの子供がべか舟に乗って遊ぶ姿の石像も啓発の一つとして設置し、小学生の授業や各種団体のイベントとも連携した。

 こうした活動が浄化への一翼を担い、「昔は自転車なども捨てられていたが、皆さんのおかげで、いまではごみは大きく減った」(宇田川村長)。そのため、浄化活動は終了し、各種団体が協力して行う「境川クリーンアップ活動」に参加。宇田川村長は初代実行委員長を務めた。

 ただ、ごみは減ったが水質は課題。宇田川村長は「私のいまの夢は、きれいになった境川で手作りイカダのレースをする子供たちを見ること。地域独自の水辺環境を創出する『かわまちづくり』の浦安の取り組みにも参加させてもらっている。かっぱの住める川は、人にとってもきれいな川。未来に向けて活動を続けていきたい」と話した。

かっぱグッズ200点を展示 29日まで 新浦安駅前


棚いっぱいの自慢のかっぱコレクションの前で、自ら描いた日本画を手にする宇田川村長

 ふるさと浦安かっぱ村は29日まで、開村20周年記念「みんなの河童展~コレクションと活動記録~」をオリエンタルホテル東京ベイ2階の市民ギャラリーで開いている。

 全国各地のかっぱをモチーフにした陶芸や木彫り、絵画、色紙、扇面画、ぐい飲みや徳利、お銚子、かっぱの書籍など延べ200点以上を展示。大東京祭の記念バッヂや日本画家の直筆絵画など貴重品もある。子供向けには絵本やアニメ映画DVDなどを展示している。宇田川村長は「各地で集め、多くの方からいただいた私のコレクションをお見せします。かっぱが全国で愛されていることを知ってほしい」と話し、来場を願っている。

 開場は午前10時~午後9時。入場無料。無休。問い合わせは新都市グリーン開発(☎350・1400番)。  

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