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◆第57回◆

「新教育委員会制度への対応〜魅力ある文教都市・市川の実現に向けて」

 平成27年4月から新しい教育委員会制度がスタートしました。

 新制度のねらいのひとつに「地域の民意を代表する首長との連携強化」があり、新たに、首長による「総合教育会議の設置」、「教育に関する大綱の策定」が導入されています。今回は、本市の新制度への対応を紹介します。

 【総合教育会議】

 新制度では、首長と教育委員会で組織する総合教育会議を設置し、①教育に関する大綱の策定、②教育の条件整備など重点的に構ずべき施策、③児童生徒の生命・身体の保護等緊急の場合に講じるべき措置を協議することとされました。

 本市では、4月23日、7月30日の2回、市長が総合教育会議を開催し、「教育に関する大綱の策定方針」や「平成28年度教育振興重点施策」を協議するなど、教育行政への市長の意向反映に努めています。
7月の総合教育会議

 【教育に関する大綱】

 大綱については、①教育・文化・スポーツを広く網羅したものとする、②市や教育委員会の既存の計画にある目標等を踏襲するとの2点の方針に沿って策定を進めることとされました。

 そして市長は、平成30年度までを対象とした「市川市教育振興大綱」を10月に策定しています。

 大綱の教育の目標は、教育委員会が定めた「第2期市川市教育振興基本計画」の目標が踏襲され、「人をつなぐ 未来へつなぐ 市川の教育」の基本理念のもと、本市教育の振興を図ることとされています。

 【平成28年度教育振興重点施策】

 また、教育の条件整備など重点的に構ずべき施策については、①「校内塾・まなびくらぶ」や、「小中一貫教育」、国の制度によらない「市川版中高一貫教育」の充実、②点検及び評価の結果に基づく施策の改善、③社会変化に伴う新たな教育課題への対応を図ることとしました。

 【いじめ防止】

 そして、これらの協議に加え、「市川市いじめ防止基本方針」の概要を市長に報告し、いじめ問題対策への共通理解を図っています。

 教育委員会は、これまでに引き続き、総合教育会議における協議をはじめ、様々な機会を通して、市長と教育政策の方向性を共有し、市長とともに魅力ある「文教都市・市川」の充実に努めてまいります。

 (2015年12月26日号)ホームページ 「人をつなぐ 未来へつなぐ」リスト

◆第56回◆

明るい環境をつくる会推進会議主催〜『薬物乱用防止キャンペーン』

 【薬物乱用者の低年齢化】

 薬物乱用者の低年齢化は深刻な問題です。高校1年生の兄が使用していた大麻を小学校6年生の弟が吸ってしまったという報道は記憶に新しいところです。

 ハーブやお香と称し、インターネット市場で安価に買うことができる「危険ドラッグ」を含め、いまや違法薬物は青少年にも簡単に手が届く時代です。

 【ダメ。ゼッタイ。 薬物乱用!】

 違法薬物だけでなく、医薬品なども病気や傷の治療以外の目的で使用すれば薬物乱用となります。

 薬物を乱用すると、行動や感情を司る脳に悪影響を及ぼし、呼吸停止・幻覚・意識障害や精神障害を発症し、第三者を傷つけたり、自身を死に至らせたりすることもあります。

 さらに、依存症を引き起こし、薬物を手に入れるために罪を犯してしまうなど家庭の崩壊・社会秩序の破壊の要因にもつながります。

 たった一度の薬物乱用が、一生の後悔として我が身に還り、周りの人や社会に深い傷と苦しみを残すことになります。
キャンペーンで演奏する市川市立第五中学校吹奏楽部


 【薬物乱用防止キャンペーン】

 青少年のための健全な環境をつくることを目的に、市内25の地域・学校・関係団体や行政機関で構成されている「市川市明るい環境をつくる会推進会議」が主催する「薬物乱用防止キャンペーン」は、今年で14回目を迎えました。10月3日にコルトンプラザ、7日に市川駅・行徳駅・本八幡駅の4つの会場でNPО法人や中学生・高校生も含め、約3百名のボランティアがリーフレット配布等の啓発活動で薬物乱用防止を市民に熱心に訴えかけてくれました。

 【広げよう!薬物乱用防止の輪】

 「今回のキャンペーンであらためて『薬物乱用は絶対にやってはいけないこと』、自分だけではなくて『周りの人にも迷惑をかけたり傷つけたりしてしまうこと』なんだと感じました」「もっとたくさんの人に知ってもらいたい」

 学生ボランティアの感想を読むと、自らの手で思いを伝える啓発活動を通して、「その危険性」を強く意識し、薬物乱用防止を「周りの人に伝えたい」という気持ちが芽生えてきたのがわかります。

 未来ある青少年の夢と希望を奪う薬物乱用を防止するためにも、これからも地域・学校・家庭、そして関係機関が協力し合い、薬物乱用を許さない明るい社会環境づくりに貢献してまいります。
 
 (2015年11月28日号)ホームページ 「人をつなぐ 未来へつなぐ」リスト

◆第55回◆

郷土資料の有効活用をめざして

 【郷土資料室調査】
 
 市川歴史博物館では、平成25年度から郷土資料室(社会科資料室)のある市内の小学校の調査を進めています。
 
 歴史博物館では、郷土資料室の資料を把握し教育活動に有効に活用できるよう、資料リストの作成や出張授業に取り組んでいます。
 
 【資料リスト作成】
 
 調査では、それぞれの資料を写真撮影し、道具の名称、特徴、保存の仕方などを書いたリストを作成します。作成したリストは各学校にお渡しして資料室内の資料の概要をお伝えしています。
 
 リスト作成の目的の一つは、各学校にどのような資料が収蔵されているのかを、先生方に知ってもらうことにあります。
 
 郷土資料室の資料は、地域の方から寄贈された農具、漁具などの資料や、昔の教科書や実験器具、授業の開始や終了を知らせた振り鈴などの学校資料、衣・食・住に関する道具など多岐にわたります。
 
 これらの資料は学区の歴史を知ることができるとても貴重な資料です。例えばかつて、農業が盛んだった地域の学校では、農業に関する資料が多い、海や川が近い学校では漁業関係の資料が多いなどの特徴がわかります。
市内の郷土資料室の様子


 【出張授業】
 
 歴史博物館では、実際に郷土資料室の資料を使った出張授業も実施しています。
 
 小学校3年生の社会科の単元「古い道具と昔のくらし」と関連して、郷土資料室内に収蔵されている火鉢を使って、炭火の暖かさを体験する授業や、遮光ができる部屋を使い、石油ランプにあかりをともし、現在の電気のあかりとの違いを考える授業などを行っています。
 
 このような郷土資料室の資料を活用した授業を行うことにより、子どもたちにも郷土資料室内の資料に興味・関心をもってもらうことをねらいとしています。
 
 本物の資料を間近に見たり、手に取ったりしながら歴史を学ぶことは、自分たちが住む地域や市に愛着をもつことにもつながります。
 
 【今後の取組】
 
 今後は更に各学校と協力して資料のメンテナンスや、展示についての助言、説明文の作成などの支援を進めていきます。
 
 また、スペースの関係で郷土資料室が設置できない学校については、歴史博物館で収蔵している資料を貸し出すなど、それぞれの学校の実態に応じた、活用の仕方を進めています。

 (2015年10月24日号)ホームページ 「人をつなぐ 未来へつなぐ」リスト

◆第54回◆

学習支援クラブ

 本事業は各学校の「開かれた教育」を推進し、保護者・地域の方々の支援のもと、日常の学習を豊かにすることを通して、児童生徒に夢や感動を与え、生きる力を育むことを目的としています。

 この事業は、現在、全ての市立小・中・特別支援学校で実施されていますが、今回は国分小学校の事例を紹介します。

 「梨づくり農家の仕事」(小学校3年社会科)

 梨農家の方に支援者をお願いして実施しているこの学習は「市川市の梨はなぜこんなに有名なのだろうか」という子どもの疑問からスタートしました。

 子どもたちは市川の梨が有名なのは味が良いからに違いないと予想を立て、味の良さの秘密を追究し始めます。調べ学習が進んだある時点で、教師はあらかじめお願いしてあった梨園に子どもたちを連れていきます。梨園が学校の近くにあることは知っていても、中に入るのは初めてという子がほとんどでしたので、手入れの行き届いた梨の木々の様子を見て、子どもたちはたいへん驚き、ますます「市川の梨」について調べたくなります。

 綿帽子のような器具を実際に使って、受粉作業を体験させてもらいました。やがて実ができてくると、農家の方は不要な実をいくつも取り除いてしまいます。それがおいしさを一個一個の梨に凝縮させる秘密だというのです。ふわふわの土も「質のよい肥料づくりをしているからなんだよ」と聞かされ、梨園のいたる所がたくさんの工夫に包まれているのだとわかり始めます。

 9月11日に待望の梨の収穫となりました。梨の成長を実がまだ小さい頃から見てきた子どもたちは、収穫がたいへん感動的であったようです。

 最後に、子どもたちは「市川の梨が有名」である秘密をまとめ、梨農家の方に感謝の気持ちをこめて手紙を送ります。地域の方との心の交流も大切な学習です。
 
地域と学校をつなぎ、子どもの豊かな学びを支える学習支援推進事業(学習支援クラブ)
   まとめ

 このように学習支援クラブでは子どもたちが教科書だけではわからないことを、地域の方から直接「見て・聞いて・体験して」豊かに学んでいます。

 これからも学校と保護者、地域の方々等と連携した学習支援推進事業により、子どもたちの豊かな学びを支援していきます。

 (2015年9月26日号)ホームページ 「人をつなぐ 未来へつなぐ」リスト

◆第53回◆

保護者を「つなぐ」家庭教育学級

自分で考える子どもに育てる


 家庭教育学級は、新たな時代を担う子どもたちの健やかな成長を願い、家庭における教育力を高めることと、親同士が交流を深め、こころ豊かに学びあうことを目的とした保護者のための学びの場です。
 
 現在、市内すべての公立幼稚園・小学校・中学校・特別支援学校で運営されています。
 
 家庭教育学級の講座には、「自主企画講座」、「指導員派遣講座」、「共通講座」の3つの講座があります。各講座についてご紹介します。    
マイナス言葉をプラス言葉に


 ①【自主企画講座】
 
 学級ごとに様々な内容の講座を行っています。
 
 (講座の例)
 
 「自分で考える子どもに育てる」(講演会)、「思春期講演会」「食育講座」など。
 
 講師は、各幼稚園・学校の園長・校長・栄養士・ライフカウンセラーといった幼稚園や学校関係者、子育てに関係し地域で活躍されている方、助産師などの専門職の方など多岐に渡っています。保護者の方の健康に関する講座を開催した学級もあり、人気の講座となっています。  
親子でチャレンジボルダリング


 ②【指導員派遣講座】
 
 家庭教育指導員による講座です。教育委員会には2名の家庭教育指導員がおり、文部科学省や千葉県教育委員会の情報等も含めた家庭教育に関わる講演をしています。内容は「マイナス言葉をプラス言葉に」、「学力を高める家庭生活」、「子どもを伸ばす言葉がけ」など各学級の要望に合わせたテーマで行っています。受講生からは、「とても勉強になった」「家庭生活がいかに大切かを知った」などの感想がありました。
 
 ③【共通講座】
 
 未就学児の保護者も含めた全学級を対象とした講座です。平成26年度は16回開催し、「親子でチャレンジ!ボルダリング」は多くの方にお申し込みいただきました。
 
 今年度も男女共同参画課の主催する講演会「ハートフル・ヒューマン・フェスタ」など他課と連携し、親子で参加できる講座等を行う予定です。また、共通講座は市のHPでもお知らせしています。
 
 「子育ては親育ち」とも言います。家庭教育の充実を目指して、これからも家庭教育学級は保護者の皆様が学ぶことにつながる場を提供していきます。

 (2015年8月22日号)ホームページ 「人をつなぐ 未来へつなぐ」リスト

◆第52回◆

身近な生き物を飼育展示しています

 【飼育展示】
 
 自然博物館は大町の動物園内にある施設です。市川の自然について常設展示室で総合的に紹介していますが、それとは別に特別展示室やロビーでは生き物を飼育展示しています。
 
 動物園がレッサーパンダやオランウータン、エミューなど哺乳類や鳥類を主体に飼育するのに対し、自然博物館ではカエルやトカゲ、メダカ、バッタ、トンボのやご、カブトムシなど、もう少し小さな生き物を飼育しています。
 
 これらの生き物は身近でありふれた生き物でしたが、いまの子どもたちには必ずしもそうではありません。展示室で生まれて初めてオタマジャクシを見た、という子どもが大勢います。
 
 カエルの卵から飼育を始めて、オタマジャクシになり、足が出て手が生えて子ガエルになる。その過程を、飼育展示を通じて実際に見ることができるようにしています。
いきものの「足」の比較展示


 【企画展示開催中】
 
 博物館の展示は、比較することで面白味が増します。現在、自然博物館では「いきものの体」というタイトルで企画展示を行っています(2月14日まで)。標本や剥製、飼育している生き物を比較して見るための視点をお伝えすることに主眼を置いた展示です。
 
 生物の体のうち、今回は特に「足」に着目しました。生き物のグループによって足の本数は様々です。また、生活のスタイルに合わせて足の形や大きさも変化しています。そういう点を比較して見ていただきたいのです。企画展示そのものは小規模ですが、足に着目する、という視点があれば、展示室にとどまらず、動物園や自然観察園まで、出会う生物のすべてを同じ視点で見ることができます。足に注目して比較することで、漠然と生き物を見る時とはちがった発見があるはずです。
 
 【この夏は自然博物館へ】
 
 これから夏を迎え、自然博物館がある大町地区には生き物のエネルギーが充満します。市内はもとより首都圏においても貴重な自然です。知識や情報があふれる中、実体験の少ない子どもたちに、生き物のエネルギーに触れてもらえればと願っています。展示室では2名の学芸員が可能な限り皆様をお迎えします。ひと声かけていただければ幸いです。

 (2015年7月25日号)ホームページ 「人をつなぐ 未来へつなぐ」リスト

◆第51回◆

「市川市立学校への就学について~通学区域の弾力化と外国籍の子どもの受け入れ」

 【通学区域の設定】
 
 市川市では、学校の適正規模及び円滑な学校運営の確保、並びに通学の安全向上を図ることを目的として、通学区域を定めております。
 
 昭和40年以降の急激な人口増加に伴い、学齢人口も増えてきたため、11小学校、9中学校の分離新設と併せ、通学区域を設定しました。その後の人口の変遷に伴い、通学区域も何度か変更を行ってきました。
 
 【通学区域弾力化】
 
 通学区域の弾力的運用については、平成10年度より指定校変更許可基準を設定し、適宜、基準の見直しや指定校変更の制限を行い、適正な運用を図ってきました。
 
 最近では、平成27年4月の小中一貫校塩浜学園の開校に伴い、行徳地区全体から児童生徒を受け入れる指定校変更の緩和を行いました。
 
 このような中、近年、市内一部地域では、人口の過密化に伴い、児童生徒の安全面も含めた適正規模の維持が厳しい学校も出てきました。そのため、受け入れの制限を行う学校や抽選を実施する学校も増加傾向にあります。
 
 今後も、児童生徒数の推移を注視するとともに、指定校変更の制限や学区の見直しが必要となる地域を検討しながら、全市的な視点に立ち、適正就学を進めていきます。


 【外国籍の子どもの受け入れ】
 
 外国籍の子どもについては、小中学校等への就学義務は課されませんが、日本国内に住民票があり、保護者が就学を希望し、学校の受け入れが可能な場合に入学が許可されます。
 
 現在、市内の公立校に在籍している外国籍の児童生徒は、約300名で国籍も様々です。
 
 実際に入学した児童生徒の様子をみると、最初は戸惑いがありながらも、日本語の読み書きや基本的な挨拶・簡単な会話が身に付くにつれ、だんだん学校生活が楽しくなり、充実してきます。
 
 一方、日本の子どもたちも外国籍の子どもの言語や文化に触れることで発見や感動があり、国際理解を深める良い機会となっています。
 
 市川市では、日本語指導を行うワールドクラスを設置し、その就学を支援しています。
 
 また、ボランティア団体等の協力を得て、児童生徒が日本語を習得し、スムーズに学校生活を送れるように努めています。

 (2015年6月27日号)ホームページ 「人をつなぐ 未来へつなぐ」リスト

◆第50回◆

ご存知ですか? 図書館での人気のイベント

市川市の図書館では、昨年度中央図書館開館20周年を記念して色々なイベントを開催しました。その中でも特に好評だったのが、「図書館員が選んだ本の福袋」と「ぬいぐるみおとまり会」です。
本の福袋


 ○本の福袋について

 図書館員がテーマを設定して選んだお薦め本の貸出です。街でよく見かける紙製の赤い福袋に入れて貸出しました。

 昨年1月の年明けに、「ワクワクいっぱいふくぶくろ」と題して、こどもとしょかんで始めました。4歳~小学校高学年を対象に、袋の外に入っている本のテーマの札を下げ、好きな袋を選んでもらい、中身は開けてからのお楽しみで、ドキドキ・ワクワクを感じてもらいました。

 好評でしたので、今年は対象をさらに広げ、幼児や赤ちゃん・中高生・一般向けも作成し、昨年同様に行いました。

 新聞等の取材も受け開始して数日ですべて貸出終了。あとから、追加するほどの人気で、南行徳図書館でも同時期に開催し、市内で合計314セットを貸出しするほどの盛況となりました。

 利用者からは、「ぜひ、来年もやってほしい。」、「普段自分では選ばない本が入っていて楽しみです。」などのたくさんのお褒めの言葉をいただき、職員の励みになりました。
ぬいぐるみおとまり会


○ぬいぐるみおとまり会について

 子どもたちのお気に入りのぬいぐるみが図書館に泊まり、閉館後の図書館などを探検する様子などを写真に収めます。

 後日ぬいぐるみを迎えに来た子ども達に、写真と一緒に「ぬいぐるみが子どものために選んだお薦めの絵本」も渡して貸出すイベントです。アメリカの公共図書館から始まり、日本で今、かなり人気のあるイベントです。

 昨年12月に開催し、中央図書館のくま館長(ぬいぐるみ)とニッコリ写真撮影。子どもにとって家族のようなぬいぐるみが、図書館で楽しく一晩を過ごす様子を見ることで、子どもたちが、本や図書館に興味や関心・感動を抱く貴重な機会となりました。

 図書館では、これからも利用者の方々に喜んでもらえるようなイベントをたくさん企画していきたいと思っております。より親しみのもてる図書館をめざして努力して参ります。

 (2015年5月23日号)ホームページ 「人をつなぐ 未来へつなぐ」リスト

◆第49回◆

CHANGEとCHALLENGE
田中庸惠教育長が描く「改革と挑戦」

4月定例教育委員会会議
 連載5年目を迎えました。当初より「つなぐ」をキーワードとする本市の教育理念を基に、特色ある事業や実践等を紹介してまいりましたが、この4月1日より、新しい教育委員会制度がスタートしましたので、今回は、市川教育のこれからについて、私より述べさせていただきます。

 教育委員会制度改革は、戦後の教育行政を担ってきた制度の抜本的な改革(CHANGE)です。その趣旨は「教育行政における責任体制の明確化」「首長との連携の強化」にあり、それぞれ教育委員長と教育長を「新教育長」に一本化、首長と教育委員で構成する「総合教育会議」の設置という形で制度改革がなされました。

 しかしながら、私は制度が変わっても旧態依然とした行政運営を継続すれば改革の趣旨は実現できないものと考えます。

 やはり新教育長には、改革の趣旨を前向きに捉え、教育行政の一義的な責任者として、自らの地域の教育の充実・発展につなげようとする進取の精神をもって挑戦すること(CHALLENGE)こそが求められると考えます。

 ところで「温故知新」、「不易と流行」といいますように「改革」は、その下支えとなる「土台」があってこそ意味を為すものであり「土台」の無い「改革」はありえません。

 したがって新制度においても「改革と挑戦」を旨としつつ、「不易と流行」の視点を大切にしながら、市民、子どもを中心に据えた市川教育の充実に努めてまいります。

 具体的には、市川教育が大切にしてきた不易の取組み(図書館教育、コミュニティスクール、特別支援教育)を土台としながら、教育委員会(第三者評価の導入)、学校制度(小中一貫教育や中高連携の推進)、学校経営(学校教育三ヵ年計画)の改革を不断に進めてまいります。

 なお、これらの取組みにつきましては、今後の連載や市のホームページ等で紹介してまいります。

 これからも、市民の皆様にとって「住みたい町、住み続けたい町」「子どもが通いたいと思う学校、保護者が通わせたいと思う学校」づくりを目指し、教育委員会一同、一意専心取り組んでまいりますので、今年1年、よろしくお願いします。

 (2015年4月25日号)ホームページ 「人をつなぐ 未来へつなぐ」リスト

◆第48回◆

安全・安心で快適な学校施設を目指して

 
国分小校舎
 ○学校施設の耐震化
 
 学校施設は、未来を担う子どもたちが集い、一日の大半を過ごす学習・生活の場です。
 
 また、地震等の災害発生時には、地域住民の避難場所や災害対策拠点としての役割も果たします。
 
 そこで、教育委員会では、毎年各学校の耐震補強工事を進め、平成25年度をもって、Is値0・6未満のすべての建物の耐震化を完了しました。
 
国分小プレイルーム
 さらに、平成27年度末には、最後の1棟となります北方小学校屋内運動場の建替え工事が完了することで、文部科学省が示す、より安全性の高い耐震基準(Is値0・7以上)での耐震化率も100%を達成する予定です。


この度、耐震化の一環として進めてきました国分小学校と第四中学校の校舎が完成し、昨年の9月にオープンしましたので、各学校の様子を紹介します。

~国分小学校~
第四中の階段室(吹き抜け)

○新しい校舎が完成

周辺への日照・騒音に配慮した配置計画とし、普通教室は、採光・通風を考慮した平面計画を採用しました。

また、普通教室・図書室・プレイルームなどの床をフローリングにするなど、内装を木質化して、木のぬくもりを感じる空間を作り出しています。

~第四中学校~

耐震性能の確保と大震災時の避難所としての活動を踏まえ、防災機能の充実、災害時の避難・救助活動が円滑に行える施設としました。

第四中の太陽光発電
また、生徒たちや周辺地域の方に対する環境教育の充実を図るとともに、地球温暖化等の環境問題に対応するため、環境負荷を低減させる設計・建設、自然エネルギーを活用した省エネ・省資源型の施設づくりなどを行いました。

今後も安全・安心で快適な学校施設を目指してまいります。


 (2015年3月28日号)ホームページ 「人をつなぐ 未来へつなぐ」リスト

◆第47回◆

自然学習課 少年自然の家 チャレンジャースクール

 ○「チャレンジャースクール」(自然学習)

市川市では「つなぐ教育」をキーワードに「人と人」「人と社会」「人と自然」のつながりの中で、一人一人の成長を生涯にわたってつないでいく教育を進めています。

その具体的な取組みの一つとして、本課で主催しました「チャレンジャースクール」をご紹介します。

本事業は、「少年自然の家」を舞台に四季を通じて、大町の豊かな自然を活かした体験活動や創作活動を年間5回実施する自然学習プログラムです。

市内の小学4年生から6年生までの子どもたちを対象に、「自分のことは自分で行う」ことを基本に「みんなで助け合えば、もっとよくなる」を目的の一つにおいて活動します。

「チャレンジャースクール」では他にも、「昆虫採集・宿泊体験」「火おこし体験・天体観望」「野外炊事」などを計画しております。

今日は、「仲よくなろう科」の取組みを紹介します。
 
自然体験の様子
○「仲よくなろう科」の取組み

「初めて出会う人とこんなに仲よくなれると思わなかった」「新しい自分を発見できた」「次回が待ち遠しい」。これらは6月に行った「仲よくなろう科」に参加した子どもたちから寄せられた感想です。

この日は「少年自然の家」に隣接する「大町自然観察園」にて、自然にまつわるクイズを解きながら、地図を見て時間内にポイントをたどっていくという自然体験を行いました。

子どもたちは初めよそよそしかったのですが、「効率よく回って行こうよ」「みんなでまとまって行こうよ」とグループ内での協力のもと交流が活発になりました。クイズが解けた時など、学年・男女分け隔てなく大喜びです。

出会ってから間もないのに、まるで以前からの友だちだったかのようです。子どもたちの適応力の高さに逞しさも感じる瞬間でした。

また、大町の名物「梨の木」を使ってみんなで作ったペンダントを誇らしげに首から下げている子どもたちを見ていると、集団への所属感や連帯感という社会性も芽生えているようにも思います。

参加する子どもたちのふるさとである市川市の自然の中で、「人と自然が共生する市川」の姿を発見してもらえるよう職員一同努力してまいります。


 (2015年2月28日号)ホームページ 「人をつなぐ 未来へつなぐ」リスト

◆第46回◆

ヘルシースクールの 年間の成果

 ○子どもの現状
 
 市川市の子どものライフスタイル調査によると、現在、社会環境や生活様式の変化に伴い、運動や外遊びが減少するなどの課題が見られています。
 
 市川市では平成16年に健康都市宣言をし、健康課題解決のため、平成17年より「ヘルシースクール推進事業」を始め、今年で10年目となりました。
 
 ○ヘルシースクール推進事業
 
 主な取り組みとして、子どもが健康について自ら考え行動し、望ましいライフスタイルを確立するために、「体力つくり」「望ましい生活リズムの確立」「食に関する指導の充実」「環境衛生の充実」の4つの目標を掲げ、すべての学校でヘルシースクールを展開しています。
 
 具体的には、各校に設置された校内ヘルシースクール推進委員会で、年間計画や健康教育の課題と成果を協議し、全国に先駆け「小児生活習慣病予防検診」「口腔検診及び味覚調査」「体力データ分析」「食育の推進」「健康教育講演会」等を行っています。
 
 また、ヘルシースクール推進校を指定し、各学校の取り組みをヘルシースクールだより等で紹介するほか、周知啓発活動も積極的に行っております。
 
 
第七中の様子

 
 ○具体的な成果
 
 ~各種指標の向上と優秀校の表彰~
 
 
 この10年間の具体的な成果としては、生活習慣病予防検診の正常者の割合が平成17年の68・3%から同25年度には11・3㌽向上し、79・6%となったことが挙げられます。
 
 また、朝食を毎日食べる子の割合は89・7%から93・1%となり、午後10時までに就寝している児童・生徒の割合も56・5%から65・0%と大きく向上するなど、児童・生徒及び保護者の健康に関する意識も高まり、規則正しい生活が身に付くなど、生活の改善が図られてきました。
 
 長年、ヘルシースクール推進指定校として実践してきた健康教育活動が高く評価され、日本学校保健会健康教育推進学校表彰事業において、平成25年度に市川小学校が、同26年度には第七中学校が優秀校として、2年連続で表彰されました。
 
 これらの成果は、学校をはじめ、保護者、地域の方々並びに関係者の皆様のご尽力のお陰と感謝しております。
 
 今後も、市川市教育振興基本計画の方針に基づき、各園・各学校のヘルシースクールの推進を引き続き、支援してまいります。

 (2015年1月24日号)ホームページ 「人をつなぐ 未来へつなぐ」リスト