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県立市川工業高校(小野祐司校長)は同校創立70周年記念日の1日、県内の高校では初となる特別アマチュア無線局を開設した。局を運用するのは、同高の部活動「ラジオ研究部無線班」の部員たち。同高は局の運用を通じて学校をPRするとともに、生徒たちが通信技術への関心を深めるきっかけになることを期待している。
アマチュア無線は事業や金銭目的以外の、個人が趣味として行う無線通信。国家資格である「アマチュア無線技士」の取得者が、全世界共通のコールサイン(無線局の名称)を総務省から取得して局を開設し、アンテナやトランシーバーなどを設置することで初めて交信できるようになる。特別局は、行事などの際に申請して認められると期間限定で開設できるもので、イベントに関連したコールサインにしたり、交信相手にオリジナルの交信証を発行したりできる。
同高は、創立70周年記念のイベントとして特別局を開設した。コールサインは『8J170ICK』。関東の特別局を表す8J1に、創立周年の70と市工を表すICKをつけた。運用期間は今月1日から来年3月31日までの10カ月。期間中に同局と交信した相手には、同高を上空から撮影した写真を印刷したハガキサイズの交信証を交付して、同高70周年をアピールする。
局を運用するのは同班の3年生5人。そのうち、昨年8月に「第四級アマチュア無線技士」の免許を取得した4人が無線を操作する。同班の宮野慶紀君は「たくさんの人と交信し、来年3月末までに交信証を千枚交付したい」と意気込んでいる。電気科教諭の栗原利治顧問も「生徒がアマチュア無線局を運用することで通信技術の前身を知り、今後の科学技術への興味を深めてほしい」と期待している。
ただ、同班の部員は5人全員が3年生。このままでは来年度には班がなくなる。同班班長の佐々木広俊君は「特別局の運用を機に後輩たちにアマチュア無線に興味を持ってもらい、班が存続してくれれば」と、学生生活最後となる活動に希望を託している。
(2013年6月8日)
市川市は先月31日、千葉県土地家屋調査士会と関東地域づくり協会、社会福祉法人佑啓会の3者と災害時の支援協定を締結した。
協定は、市川市の被災時に各団体が行う支援を定めたもので、内容はそれぞれの得意分野に特化。調査士会は家屋の被害調査や、り災証明についての市民相談受け付けなどを行う。地域づくり協会の支援内容は被災状況の情報収集や、災害復旧に関する技術的な助言など。啓佑会は要援護者の受け入れなどに協力する。
市庁舎で開かれた協定締結式で古賀正義危機管理監は「災害時に皆さんの力をお借りすることで市民の不安を払しょくし、一日も早い復旧・復興につなげたい。そのためにもこれから顔の見える関係を作っていきましょう」とあいさつ。関東地域づくり協会の奥野晴彦理事長は「万が一のことがあれば少しでもお手伝いしたい。そのために何かあった時はすぐ動けるよう研鑽を積んでいる」と話していた。
浦安市は先月31日、災害時における支援等に関する協定を4つの民間事業者・団体と締結した。
同市は東日本大震災以降、積極的に災害協定を結んでおり今回の締結で65件目。今後起こり得る首都直下型地震などに備え、災害時の応急・復旧作業の迅速化や円滑化を図るため、4団体の申し出による協定を締結した。
今回の協定相手と内容は次のとおり。
▽伊藤園=災害時に水やお茶、スポーツドリンクなどの飲料水を可能な範囲で同社が被災地に直接運搬する
▽千葉県土地家屋調査士会=災害時に市内で発生した家屋被害の調査、市が発行するり災証明書や土地、家屋などの相談を請け負う
▽関東地域づくり協会=専門知識の高い派遣員を被災地に送り、状況の収集と報告、復興事業等に関わる技術支援・助言を行う
▽国土交通省国土地理院=地理空間情報の提供、相互活用、技術提供、災害対応などにおける協力を行う
(2013年6月8日)
外環道路千葉県区間の事業者である国土交通省首都国道事務所と東日本高速道路(NEXCO東日本)は先月29日、市川市文化会館小ホールで同道路の環境影響予測結果説明会を開いた。ただ今回は、予測結果がすでに公表されていたことや、平日夜間の開催だったことなどが影響したのか、参加者はわずか34人。参加者が質疑応答で事業者を厳しく追及する場面もあったが、質問者もわずか2人にとどまった。
同道路の環境影響予測を巡っては、平成22年12月に県公害審査会調停委員会が、インターチェンジやジャンクションなど特殊部9か所について模型実験など指定した方法で行うことを求める調停案を示したが、事業者が「旧環境基準に基づく予測・評価が求められており合理性に欠ける」として受諾を拒否した経緯がある。今回の環境影響予測は、「一部の地元住民に環境への不安の声がある」として、事業者が調停案の拒否と同時に実施を発表したもの。模型実験などは行わず、平成42年における特殊部の大気や騒音を予測し、「二酸化窒素及び浮遊粒子状物質(SPM)については環境基準を満足し、騒音については遮音壁を設置することにより環境基準を満足する」と結論づけた。
調停案では、模型実験などを行わない場合はその根拠について具体的に説明することが求められていたが、この日の説明会ではすでに公表されていた予測結果の数値を淡々と映像で説明しただけだった。そのため質疑応答では、調停でも代理人を務めた外環反対連絡会の高柳俊暢世話人代表が「大気汚染物質が蓄積したり、騒音が特定の方向に集中したりしやすい特殊部の状況を、用いられた予測式が再現できているのか、ちゃんと説明してもらいたい」「大気汚染に関する予測結果も、バックグラウンドに対する寄与濃度が二酸化窒素で10分の1以下、SPMでほとんどゼロ(外環ができてもほとんど影響なし)で、現実離れしている」「騒音は、高さ8㍍の防音壁を立てながら最高裁の示した受忍限度を超えているのに『住民の環境が守れる』と説明できるのか」などと問題点を指摘して詳細な説明を要求。これに対し、事業者側は「この予測式で十分予測できた」「バックグラウンドへの寄与濃度についても適切な条件を設定した」と詳細については答えず、騒音については「判例は一裁判の事例で、外環とは別箇所」との見解を示した。
市川市はこのほど、つり天井が崩落する危険性があるとして4月からホールの利用を停止している市民会館について、建て替える方向で検討していることを明らかにした。
同館のホールは、昨年12月に起きた中央自動車道笹子トンネルの天井崩落事故を受け、市が今年2月に実施したつり天井の調査で「崩落の危険性がある」とされたため、4月から利用を停止。市はその後、庁内で廃止も含めて検討してきたが、4月末には建て替えか改修工事に選択肢を絞り、このほど「開設から50年以上経過した同館には全体的な設備の改善も必要」と判断し、建て替える方向で調整を始めた。
ただし、建て替え工事の着手や完成の時期、建設費用などは未定。また、同会館の敷地の所有者との協議次第では、建て替えられない場合もあり得るという。
(2013年6月8日号)
市川市はこのほど、同市の広報紙『広報いちかわ』の市民投稿コーナー「いちかわ文芸」に昨年度掲載された俳句・短歌・川柳の中から年間最優秀作品8作品を選び、先月21日に市長室で表彰式を開いた。
同コーナーは昭和57年度に始まり、現在は毎月第1土曜日発行号に掲載。市民が投稿した俳句・短歌・川柳から毎月1部門の優秀作品を5作品ずつ紹介している。年間優秀作品は、掲載作品の中から8人の選者が1人1作品ずつ選ぶ。昨年度は俳句327句、短歌261首、川柳208句の応募があった。
授賞式で大久保博市長は「この活動を通じ、市民の文芸の発展につなげたい。これからも作品を作っていただきたい」と受賞者たちに祝いの言葉を贈った。
俳句で受賞した石田伸子さんは「夢を見ているよう。感無量です」と喜びをかみ締め、川柳で受賞した藤澤ちよ子さんは「すごくびっくりしています。今後はいろいろな分野に視野を広め、作品を作っていきたい」と今後への意欲を見せていた。
受賞者と受賞作品は次のとおり。〈敬称略〉
【俳句】
▽石田伸子「水芭蕉 鳥の愛語に 苞たてり」
▽峰崎成規「宮薙ぎや 手水の紙垂の 風新た」
▽山崎蓉子「自分史の 峠にかかる 星月夜」
【短歌】
▽大河内卓之「五月雨の けむらふ庭に 向ひつつ 吾が掌を 開きてゐたり」
▽田邉かつ代「春霞む 海の向こうに 浮かぶ富士 裾はかすみて 海に溶けいる」
▽佐藤彰子「かずかずの 歌人詠みたる 真間川の 辺りを歩む わが散歩道」
【川柳】
▽藤澤ちよ子「子等巣立ち 化粧直して 巻き返す」
▽中村麗美「愛してた 頃を集めて 椅子を押す」
(2013年6月8日号)
市川市はこのほど、今年4月1日時点における同市の待機児童数が3年連続過去最多となる336人になったと発表した。待機児童にカウントされないケースも含めると、認可保育園に入れない入園希望者数は前年比164人増の845人。「待機児童数ゼロを目指す」という大久保博市長の公約とは正反対の状況に陥っている。
同市は平成23年まで、認可保育園に入園できなかった入園希望者全員を「市基準の待機児童数」として議会で答弁していたが、昨年以降、この数値から認可外保育園の利用者や、第一希望の保育園のみに入園を申請している人などを差し引いた「国基準の待機児童数」を市川市の待機児童数として答弁するようになった。その理由について、市保育課は「各自治体の発表が国基準となっているので、市川市も合わせた」としている。
大久保氏が市長に就任した平成21年12月以降の各年4月1日時点における国基準の待機児童数を見てみると、同22年が220人、同23年が259人、昨年が296人と毎年40人近く増え続け、今年も40人増の336人。しかも、昨年までは求職中の入園申請者全員が国規準の待機児童数に含まれていたが、今年はこのうち6カ月以上経っても就労していない申請者85人が除外されている。昨年と同じ基準なら、待機児童数は昨年より125人増の421人だったことになる。
一昨年まで市の基準だった、認可保育園に入れない申請者数(市外からの申請者も含む)を見てみると、増加率はさらに激しい。平成22年以降、各年4月1日時点で432人、525人、681人と着実に増え続け、今年は3年前からほぼ倍増の845人に膨れ上がった。
同市の認可保育園の定員数は3年前より383人分増えているが、保育園の需要はそれ以上に高まっているのが実情。市内では、年度内に定員60人の保育園が新たに2園開園し、来年度にも360人分の定員が増える予定だが、大幅な改善にはほど遠い状況だ。
(2013年6月8日号)
大相撲の巡業などで力士が歌う相撲甚句の愛好家たちによる合同発表会が1日に市川市内で開かれ、約60人が朗々と響く声で歌うとともに、一般の来場者も聞き入り、大きな拍手を送っていた。
相撲甚句は邦楽の一形態で、歌詞が七、七、七、五で1コーラスとなる。力士が巡業の先々でふるさとへの思い、力士の悲哀などを歌ってきたもので、平成に入って話題になり、愛好家が増えてきた。「ドスコーイ、ドスコイ」という掛け声を受けながら、各地区の名所などを盛り込んだオリジナルの歌詞で歌うことも魅力の一つ。
今回の合同発表会に参加したのは、大相撲の取り組みで力士を呼び上げる役を担う「呼び出し」として人気を博した元呼出三郎こと荒俣武雄さん門下の相撲甚句会の8会。浦安と行徳のほか、都内の両国や千歳(墨田区)、板橋、江東、武蔵野、多摩の各相撲甚句会の会員が、「ハァー、ドスコーイ、ドスコイ」という掛け声を合図にさまざまな甚句を次々と披露。8会の甚句披露が終わると、大相撲の興行最後に歌われる『当地興行』を全員で歌い上げた。
会員たちの甚句を聴いた後に荒俣さんは「皆さんの努力に頭が下がる。これほどまでに相撲甚句を楽しんでくれている」とあいさつするとともに、「声は使えば使うほどよくなる。本歌だけでなく前歌と後歌の稽古も十分にしてほしい。皆に喜んでもらうため、励んでほしい」とアドバイスした。今回幹事を務めた行徳相撲甚句会の佐藤幸則会長は「三郎師匠の前で甚句が披露でき、三郎師匠の手本甚句も聞けて、皆喜んでいた。これからも皆で甚句を楽しみ、盛り上げていきたい」と話していた。
(2013年6月8日号)
浦安市郷土博物館で活動する博物館サークル「朗読あおべか」(三宅逸子会長)が毎月1回、同博物館の屋外展示場で『青べか物語』(山本周五郎作)を朗読しており、耳で聞く浦安をモデルにした物語を提供している。次回は15日午後2時から。
同サークルは昨年5月から開かれていた同博物館の朗読講座で学んだ会員の有志16人(男性5人、女性11人)で4月1日に発足。現在は『青べか物語』の朗読を通じて、市民に郷土愛を深めてもらうとともに、浦安の地域文化の創造を目指している。いずれは、浦安に関する他の作品も朗読することを思い描いている。
練習は毎月第1、第3土曜日。毎回、朗読会に向けて担当者が代表して朗読し、元劇団員の市川善次郎さんから手ほどきを受けている。会員たちは浦安ならではの言葉遣いを大切にしながら、ゆっくり、はっきりと、言葉を区切りながら、セリフの部分は地の部分よりも数倍大きな声で抑揚をつけて朗読。三宅会長は「青べか物語の時代はいまの浦安とは違う。物語の背景を博物館学芸員から学びながら、山本周五郎が込めた登場人物への思いを表現できるよう練習に励んでいる」という。
朗読会は毎月第3土曜日の午後2時から、屋外展示場「浦安のまち」の天ぷら屋で開き、毎回2~3話を読んでいる。三宅会長は「青べか物語は読めば読むほど味のある作品で、会員は皆大好き。普通は文字で読むこの物語を、皆さんに耳で聞いて楽しんでほしい」と来場を願っている。
なお、11月24日と来年3月21日の午前10時半からは、朗読発表会を開く予定。
問い合わせは同博物館(☎305・4300番)。
(2013年6月8日号)