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「おいしく食べよう」リスト
<182> 給食に登場する全国の郷土料理
「どんどろけ飯(鳥取県)」
バリバリ! 熱したフライパンに豆腐を入れると雷のような音がします。「どんどろけ」とは鳥取県の方言で雷のことを言います。このふわふわの豆腐とゴボウ、ニンジンを一緒に炊き込んだご飯が「どんどろけ飯」です。冬場になるとよく作られる家庭料理です。また、油揚げに米、シイタケ、ニンジン、ゴボウを詰めた「いただき」という料理も有名です。
鳥取県は日本海に面し、松葉ガニやアゴ(トビウオ)など海の幸に恵まれていますが、江戸時代は漁獲量が少なく、その代わりに豆腐や油揚げを使う料理がたくさん作られていました。また、山の斜面を生かした農産物も多く、砂丘ラッキョウや二十世紀梨も有名です。
学校給食でも、不足しがちな豆製品を使った献立を積極的に取り入れています。
※参考文献『郷土料理』(ポプラ社)
材料(4人分)
・米3合
・木綿豆腐1/2丁
・ゴボウ、ニンジン、ネギ各50㌘
・油揚げ1枚半
・干しシイタケ2枚
・だし汁(干しシイタケの戻し汁)3カップと1/3
・炒め油適量
・調味料(しょうゆ大さじ2杯、酒大さじ1杯、砂糖小さじ1杯)
作り方
①豆腐を1㌢㍍角の大きさにくずして茹でる。湯はきっておく。
②ゴボウをささがきにし、あくを抜く。
③油揚げを熱湯にくぐらせ油抜きし、ニンジンとともに千切りにする。
④干しシイタケを戻し、千切りにする。
⑤ネギを小口切りにする。
⑥茹でた豆腐を鍋で炒め、②~④も加えて炒める。調味料で味付けをする。
⑦炊飯器に米、だし汁、⑥を入れ炊き上げる。
⑧炊き上がったらネギを加え20分蒸らす。
※豆腐は茹でてあるので炒めても崩れません。
千葉伝統郷土料理研究会・谷地智恵
(2012年12月15日号)
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「おいしく食べよう」リスト
<181> 給食に登場する全国の郷土料理
「せんべい汁(青森県)」
北は津軽海峡に陸奥湾、西は日本海に面し、内陸には山々を抱える青森県。そんな恵まれた土地では食文化も豊かに受け継がれています。
冬がしばれる土地ならではの、温かいメニューが多数そろっています。県南東部の南部地方では、小麦粉で作った南部せんべいを、魚や肉、野菜などが入った汁に入れて煮て食べる「せんべい汁」という珍しい料理が作られています。
料理に使うせんべいは、昔は家庭で鉄製の器具を使って作っていましたが、現在では市販されている鍋もの用のせんべいを使う家庭が多くなっています。
しょうゆや酒、味噌などで味をつけた汁が煮立っている中に、1枚を3~4つくらいに割ったせんべいを入れ、ほかの具とともに煮て食べます。せんべい汁は、煮込みすぎず、ほどよく汁がしみこみ、やや歯応えのあるくらいが食べごろです。
給食ではしょうゆ味の「せんべい汁」を作りました。「すいとんみたいでおいしい」と子供たちの評判も良く、手軽に作れることから、寒くなった時期におすすめです。
※南部せんべいはお菓子のせんべいではなく、鍋もの用の南部せんべいを購入してください。青森県のスーパーでは常に置いてありますが、千葉県には置いていませんので、インターネットもしくは首都圏にある青森県や岩手県のアンテナショップをのぞいてみてください。
材料(4人分)
・南部せんべい(汁用) 60㌘
・鶏もも肉 60㌘
・ゴボウ 60㌘(1本)
・ニンジン 40㌘(小1本)
・しめじ 40㌘
・ 根深ネギ 40㌘(約15㌢㍍)
・濃い口しょうゆ 大さじ1杯半(28㌘)
・酒 大さじ1/2杯(8㌘)
・煮干し 約10本(8㌘)
・水3カップ(600㌘)
作り方
①鶏もも肉をそぎ切りにする。
②ゴボウとニンジンをささがきにする。
③根深ネギを小口切りにし、しめじを粗くほぐしておく。
④煮干しと水でだし汁を作っておく。
⑤だし汁にゴボウ、ニンジンを入れ、沸騰したら鶏肉、しめじ、酒を加え、煮立ったところにしょうゆを入れ、最後にせんべいを4つに割り入れ、2~3分煮る(沸騰し続けることで、もちもち感がでる)。最後に根深ネギを入れる。
千葉伝統郷土料理研究会・森永春美
(2012年12月1日号)
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「おいしく食べよう」リスト
<180> 給食に登場する全国の郷土料理
「鮭のちゃんちゃん焼き(北海道)」
北海道には、魚介類が豊富にとれる漁場が多くあります。なかでも、鮭は海でも川でもとれ、昔から食べられてきた食材です。鮭の卵は「筋子」といい、これをばらばらにほぐし、塩漬けやしょうゆ漬けに加工したものは「いくら」とよばれています。
鮭を1匹、大きな鉄板にのせて豪快に焼く「ちゃんちゃん焼き」は漁師料理から生まれました。内臓を取り除いた鮭に、味噌をのせキャベツやタマネギなどの野菜もたっぷり添えて、ふたをして蒸し焼きにしたものです。
本来なら、1匹のまま焼きますが、学校給食では一人前ずつ、切り身をアルミホイルに包んで焼きます。
材料(4人分)
・生鮭切り身4切れ
・塩こしょう少々
・キャベツ60㌘
・タマネギ60㌘
・ニンジン10㌘
・ピーマン10㌘
・白味噌大さじ2杯
・砂糖大さじ1杯弱
・みりん大さじ1杯
・しょうゆ小さじ2杯
・有塩バター小さじ1杯
作り方
①鮭に塩こしょうをしておく。
②キャベツを短冊切り、その他の野菜を千切りにする。
③バター以外の調味料を混ぜ合わせておく。
④アルミホイルに①をのせて調味料をかけ、バターをのせて②の野菜をのせホイルを包む。
⑤魚焼きグリルやトースターで、15分くらい焼く。
※家庭では、包まず、ホットプレートを使って焼いても良いでしょう。蒸してもおいしく食べられます。
千葉伝統郷土料理研究会・沖田良子
(2012年11月17日号)
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「おいしく食べよう」リスト
<179> 給食に登場する全国の郷土料理
「レンコンのおろし揚げ(茨城県)」
レンコンは「蓮根」という字の通り、蓮の地下茎を食用にしたものです。ビタミンCを豊富に含むほか、免疫力を高める効果があるとされるポリフェノールや、水溶性食物繊維の一種で粘膜保護作用のあるムチンも含んでいます。昔から漢方では咳(せき)やたんを抑える作用があるといわれています。秋から冬が旬のレンコンは風邪予防にぴったりの食材と言えましょう。
輪切りにするといくつも穴が空いていることから、先を見通せる縁起の良い食べ物とされ、正月のおせち料理や祝いごとで広く食べられています。
レンコン栽培は昭和40年ごろまでは、江戸川近郊の東京・葛西や市川市の行徳地域でも盛んでしたが、戦後の高度経済成長期に入ると宅地化の波が押し寄せ、東西線の開通以降急速にこの辺りの蓮田は姿を消しました。現在レンコンの生産量全国1位は茨城県の霞ヶ浦を中心とした地域です。そのためこの地域では、古くから酢ばす(酢レンコン)、きんぴらなど数多くのレンコン料理が各家庭で作られ、大変親しまれてきました。
ここでご紹介するレンコンのおろし揚げも、そうした料理の一つです。この料理は、食べる人の好みに合わせて、混ぜ合わせる具材を工夫できます。おかずだけではなく、酒のつまみや子供のおやつにもなる、もちもちとした食感の揚げ物です。
材料(4人分)
・レンコン 160㌘
・枝豆 60㌘
・ニンジン 40㌘
・干しシイタケ 2枚
・桜エビ 20㌘
・卵 50㌘(卵1個分)
・薄力粉 50㌘
・片栗粉 50㌘
・塩 4㌘
・油 適量
・レモン 6分の1個
作り方
①干しシイタケの軸をとり、水で戻す。
②枝豆をゆで、さやから豆をだす。
③戻した干しシイタケ、ニンジンをみじん切りにする。
④レンコンの皮をむき、すりおろす。
⑤ ②~④と桜エビ、溶いた卵、薄力粉、片栗粉、塩を混ぜあわせる。
⑥ひと口ほどの大きさの小判型にし、170度の油でからりと揚げる。
⑦器に盛り、レモンのくし切りを添える。
※参考文献『郷土料理』(ポプラ社)
千葉伝統郷土料理研究会・城文子
(2012年11月3日号)
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「おいしく食べよう」リスト
<178> 給食に登場する全国の郷土料理
「落花生みそ(千葉県)」
落花生は花がしぼんで垂れ下がると、子房が伸びて地面にもぐり、その先にできたさやに豆が実ります。文字通り、花が落ちて生まれる豆です。一般的には「らっかせい」と言いますが、作っている人は「らっかしょ」と呼んでいたそうです。南京豆という別名もあり、江戸時代に中国から日本に持ち込まれたといわれています。
落花生にはいくつかの品種がありますが、なかでも「千葉半立」という品種は歯応え、甘み、香ばしさとも格別においしいといわれています。昭和28年に千葉県で育成された品種で、それまでの落花生が地面をはっていたのを半分立たせることで栽培しやすくなったことから名づけられたそうです。
気候風土が適し、落花生の栽培が盛んな千葉県では、おやつだけでなく、ご飯のおかずとしてもつくられてきました。
その代表的な料理が、落花生みそと落花生の煮豆です。どちらも家庭でつくられ、親しまれてきました。落花生みそをごはんのおかずにする場合は、砂糖の量を控えめにして、みその塩辛さをやわらげる程度に甘さをおさえるとよいでしょう。昔は自家製みそを使うことが多かったこともあり、各家庭により味も作り方も様々なバリエーションがみられたそうです。いった後の豆を粗く刻み、みそに絡める方法もあります。こうすると固い豆を敬遠しがちな方にも食べやすくなるのでおすすめです。
※参考文献『郷土料理』(ポプラ社)
材料(4人分)
・落花生(渋皮つき・生)100㌘
・みそ80㌘
・砂糖60㌘
・サラダ油適量
作り方
①フライパンに油をひいて弱火で温め、渋皮のついたままの落花生を加え、弱火でいります。こげやすいので菜箸などで常に豆を動かしましょう。豆は15分から20分くらいするといりあがります。
②別の鍋に、みそと砂糖を入れ、焦がさないように弱火でよくまぜ、とろっとなるまで煮ます(煮すぎないように注意してください。冷めたとき固くなってしまいます)。
③いった落花生を②に加え、なじんだらできあがりです。
※白ごまを加えてもおいしいです。
千葉伝統郷土料理研究会・城文子
(2012年10月20日号)
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「おいしく食べよう」リスト
<177> 給食に登場する全国の郷土料理
「飫肥(おび)天(宮崎県)」
今回は、宮崎県日南市飫肥地区の郷土料理、飫肥天です。江戸時代の領民たちによって考えられ、現在も好んで食べられています。
江戸時代、カツオやブリなどは高級魚だったので、町人には買えませんでした。そこで、イワシ・アジ・シイラ・サバ・トビウオ・サワラなどの、安価な季節の大衆魚を使ってすり身にし、これに水気を切った豆腐、黒砂糖、味噌やしょうゆを加えて混ぜ、手のひらで、木の葉形にして油でこんがり揚げます。ふわっとした食感で、おかずにしたり、煮物やうどん、すしの具にしたりします。
飫肥では、飫肥天の定食を出す飲食店もあり、熱々の揚げたての飫肥天を食べることができます。
※参考文献「郷土料理」(ポプラ社)
材料(4枚分)
・魚のすり身(イワシ・タラ・グチなど)140㌘
※スーパーなど小売店の鮮魚売り場にあります。
・木綿豆腐 80㌘
・ゴボウ 40㌘
・ネギ 20㌘
・卵 1/2個
・片栗粉 10㌘
・しゅうゆ 小さじ1杯
・黒砂糖 小さじ1杯
・赤味噌 小さじ2杯
・揚げ油 適量
作り方
①豆腐に重しをして水をきり、つぶしておく。
②ゴボウをささがきにし、水にさらしておく。
③ネギを粗みじんに切る。
④卵を割りほぐしておく。
⑤魚のすり身に①~④を入れてよく混ぜる。
⑥途中、しょうゆ、黒砂糖、赤味噌で調味する。片栗粉は最後に入れる。すり身が柔らかく、まとまらない場合は、様子を見ながら増やす。
⑦4等分にして木の葉形に整え、160℃の油で4~5分揚げる。竹串でさして、濁った汁がでなければ出来上がりです。
※豆腐は水分が多いので、しっかり水きりをします。
※赤味噌とありますが、家にある味噌で十分です。味噌によって塩分が違うので、しょうゆは、控えめに入れたほうがいいです。
※甘めが好きな方は、黒砂糖を小さじ2分の1杯足してもよいでしょう。
千葉伝統郷土料理研究会・森幸子
(2012年10月6日号)
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「おいしく食べよう」リスト
<176> 給食に登場する全国の郷土料理
「かぼちゃ団子の月見汁粉(北海道)」
かぼちゃ団子は、夏は冷やしたゆで小豆をかけて、冬は温かい汁粉にしていただく北海道の母の味です。
北海道では明治時代からカボチャ栽培が盛んになり、今は日本の生産量の半分以上を占めます。夏に収穫し、長期保存できる栄養源として重宝されてきました。以前は北海道ではもち米が取れなかったので、カボチャで団子を作り、汁に入れて温めて食べたそうです。黄色い団子は栗にも似て秋のお月見にぴったりです。
カボチャには免疫力を高め、ガンや老化予防に効果があるβカロテンやビタミンE、整腸作用のある食物繊維、眼精疲労にも効果的なルテインが多く含まれます。
材料(5人分)
・カボチャ 1/4個
・片栗粉(又は白玉粉) 2カップ
・小豆 250㌘
・水 適量
・砂糖 200㌘
・塩 一つまみ
作り方
①小豆を水洗いし、かぶるくらいの水を入れて強火で煮る。沸騰したらザルにあけて湯をきり、鍋に戻して4~5倍の水を加えて煮る。沸騰したら弱火でコトコトやわらかくなるまで煮る。砂糖を加え、さし水をしながら、さらに60分ほど弱火で煮る。塩を一つまみ入れ味を調える。
②カボチャの皮と種を取り、一口大に切って茹でて潰す。水を少々加えながら片栗粉を少しずつ加えてよく練る(カボチャに含まれる水分量により加える水を加減する)。なめらかな耳たぶ程度のかたさになったら2㌢位の団子に丸める。
③団子を沸騰した湯で茹でる。浮き上がってきたら1分半ほど茹で、水にとって冷やす。
④汁粉に団子を入れ温める。
千葉伝統郷土料理研究会・高橋恵美子
(2012年9月15日号)
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「おいしく食べよう」リスト
<175> 給食に登場する全国の郷土料理
「ゼリーフライ(埼玉県)」
ゼリーフライは、ジャガイモ、おから、つなぎに卵を使い、小判型に整えて油で揚げた、衣のないおからコロッケのような食べ物です。ソースをつけて食べます。
ルーツは日露戦争に従軍した「一福茶屋」の店主、大澤輝夫さんのお父様が中国東北地方にあった野菜まんじゅうを基にアレンジしたと言われています。その名称がなぜ、「ゼリー」になったのか定かではありませんが、形が小判(銭)にそっくりだったことから、「ゼニーフライ」となり、「ゼリーフライ」に変わって伝えられたようです。明治時代後期にはすでに食べられており、長い間、庶民のおやつとしても愛されています。(行田市観光協会ホームページより)
材料のおからには、日々の食事に不足がちな、食物繊維や、カルシウムがたくさん含まれています。ジャガイモや卵が入っているので、おからのパサパサ感もなく、しっとり食べやすいです。衣をつけないので、材料を混ぜて、小判型にしてすぐに揚げられるので手軽にできます。おやつでも、おかずとしても喜ばれると思います。
材料(小判型6個分)
・おから 340㌘
・ジャガイモ 300㌘(中 3個)
・小麦粉 40㌘
・卵 1/2個
・ニンジン 60㌘
・タマネギ 中1/4個
・塩小さじ 1/3杯
・こしょう 少々
・揚げ油 適量
・中濃ソース 適量
・ウスターソース 適量
作り方
①ジャガイモを、皮をむいて、いちょう切りにして、やわらかくなるまで蒸す。
②おからをよく混ぜて空気を抜いておく。
③ニンジン、タマネギをみじんぎりにする。
④ ①②③をボールに入れ、小麦粉、卵、塩・こしょうを入れてよく混ぜ合わせる。
⑤ ④を小判型に整え、160℃の油で4~5分揚げる。
⑥ウスターソースと中濃ソースを6対4の割合でボールに入れて、揚げたてのゼリーフライをさっとくぐらせてお皿に盛る。
※仕上げのソースは中濃ソースだけでもおいしくいただけます。
千葉伝統郷土料理研究会・森幸子
(2012年9月1日号)
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「おいしく食べよう」リスト
<174> 給食に登場する全国の郷土料理
「シシジューシー(沖縄県)」
沖縄県は長寿県として有名です。沖縄県の島々では古くからの交流のあった日本、中国、東南アジアなどの影響を受けた料理が発達しています。野菜や海藻、豆腐、魚、豚肉を組み合わせた料理は健康食だといわれています。
ジューシーは米を使った代表的な沖縄料理で、たきこみご飯とおじや(ぞうすい)があります。たきこみご飯はお盆や冬至に、おじやはお酒をのんだあとや胃が疲れているときなどに作られます。
シシは沖縄では豚肉のことです。沖縄では最も日常的に食べられているお肉です。豚肉を使用するときはよく煮込んだり、ゆでこぼしたりしてから使うので余分な脂肪が抜けて健康的な料理になるといわれています。
今はちょうどお盆の時期ですね。沖縄料理でよく使われる豚肉と昆布を使用してお盆に作られる「シシジューシー」を紹介します。
材料(4人分)
・米 2合
・水 適量
・豚モモ肉 80㌘
・ショウガ 少々
・ネギ 少々
・油小さじ 1杯
・砂糖小さじ 1杯
・しょうゆ 大さじ半分
・ニンジン 40㌘
・干しシイタケ 小1枚
・グリンピース 20㌘
・乾燥切り昆布 6㌘
・薄口しょうゆ 大さじ1杯
・酒 小さじ1杯
・みりん 小さじ1杯半
作り方
①米をといでおく。
②ショウガ、ネギをみじん切り、ニンジン、戻したシイタケをせん切りにする。切り昆布を水につけて戻し、食べやすい長さに切る。
③フライパンに油を熱し、ショウガとネギを炒め、次に豚肉を加えて砂糖としょうゆを加えてカラメル色になるように炒める。
④炊飯器に米と③、ニンジン、干しシイタケ、切り昆布と薄口しょうゆ、酒、みりんを入れ、水を加え目盛りに合わせ、炊く。
⑤炊き上がったごはんにゆでたグリンピースを加え、軽く混ぜて器に盛る。
千葉伝統郷土料理研究会・菅谷純子
(2012年8月18日号)
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「おいしく食べよう」リスト
<173> 給食に登場する全国の郷土料理
「がんづき(岩手県)」
全国には、昔から伝わる素朴で温かみのある手作りおやつがたくさんあります。岩手県の「がんづき」もそのひとつです。
いかつい名前ですが、ゴマやクルミを入れた蒸しパンのようなものです。これは、農繁期の小昼や日常のおやつとして作られています。種類は、黒砂糖を使った黒がんづき、上白糖を使って白く仕上げた白がんづきがあります。
がんづきの名前は、がんづきの上にちらばる黒ゴマを月と雁(がん)の姿になぞらえて「雁月(がんづき)」と呼ばれるようになった、また雁の肉に似ていることからその名が付いたともいわれています。
今回は、蒸しパンの粉を使い簡単にできる黒がんづきを紹介します。
材料(6個分)
・蒸しパンの粉 200㌘
・牛乳 100cc
・黒砂糖 20㌘
・クルミ 30㌘
・ゴマ 大さじ1杯
作り方
①クルミを1/4に切る。
②牛乳を温め、黒砂糖を溶かしておく。
③ボールに蒸しパンの粉と②を入れ、混ぜ合わせる。
④蒸し器にクッキングシートを敷く。蒸し器に生地がつかないようにクッキングシートのへりを5㌢㍍くらい立てる。蒸気の通りを良くするため、シートが底にあまり密着しないように注意する。
⑤火を付けずに③を流し入れ、ゴマとクルミをのせる。
⑥蒸し器を火にかけ、蒸気がたってから20分くらい蒸す。串を刺して何も付かなければできあがり。
※蒸しパンの粉はホットケーキミックス粉でも代用できます。
千葉伝統郷土料理研究会・谷地智恵
(2012年8月4日号)
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<172> 給食に登場する全国の郷土料理
「ゴーヤちゃんぷるー
(沖縄県)」
今年も暑さ対策として、ゴーヤを利用した緑のカーテンが涼しげな家を見かけます。
沖縄では、夏の強い日差しの下で育ち、水分、ビタミンCを豊富に含んでいるゴーヤは「夏負けの薬」として重宝しています。夏中、ちゃんぷるー(豆腐と季節の野菜を油で炒めたもの)、んぶしー(具沢山の味噌味で煮込んだ汁気の多い煮物)、なまし(酢の物)、てんぷら、漬物などにして、よく食べます。食欲増進効果もあるため、暑い夏こそ積極的に食べたい野菜です。
今回は、ゴーヤの代表的な料理である「ゴーヤちゃんぷるー」を紹介します。
材料(4人分)
・ゴーヤ1/2本
・卵2個
・豚小間肉150㌘
・木綿豆腐120㌘
・ごま油大さじ2杯
・塩小さじ1/2杯
・こしょう少々
・しょうゆ少々
作り方
①ゴーヤを縦半分に切り、スプーンなどで種と白いわたをきれいにこそげとる。薄切りにして、塩を少々ふって少しおく。
②フライパンを火にかけ、ごま油で肉を炒める。
③手で粗くくずした豆腐を入れる。
④水気をしぼった①のゴーヤを入れて炒める。塩こしょうで味付けする。
⑤溶き卵を入れて炒める。
⑥仕上げにしょうゆを入れる。
※ゴーヤを薄く切ることと、加熱時間を少なくすることが、苦みを少なくするコツです。
千葉伝統郷土料理研究会・沖田良子
(2012年7月21日号)
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「おいしく食べよう」リスト
<171> 給食に登場する全国の郷土料理
「うなぎのまぜごはん(静岡県)」
今月27日は「土用の丑の日」です。土用の丑の日にウナギを食べる習慣は、江戸時代(1800年代)から始まったようです。ビタミン類や良質なたんぱく質を豊富に含むウナギは、夏バテの予防に適した食材です。健康維持のために季節に応じた旬の食材を上手に生活に取り入れる昔の人の知恵が今に受け継がれています。
ウナギの産地として有名なのが静岡県です。太平洋に面しているのでウナギの幼魚「しらすうなぎ」が獲れ、養殖の池を造る土地と豊富な水があり、気候が温暖で流通に適していたので浜名湖の南西部にある新居町で全国に先がけて明治24年から養殖が行われるようになりました。養殖場で働く人たちは、太りすぎて売り物にならなくなったウナギを「ぼっくい」(太い棒の杭)に似ていることから「ぼく」と呼んでいました。そして、ぼくで作った「ぼくめし」を仕事の合間に食べていたそうです。
ウナギを使った料理は、蒲焼き、丼物、ちらしずし、茶碗蒸し、お茶漬け、厚焼き玉子、酢の物等、いろいろなものがありますが、今回は「ぼくめし」を学校給食にアレンジした「うなぎのまぜごはん」を紹介します。
材料(4人分)
・米2合半
・水適宜
・ウナギの蒲焼き200㌘(約1匹分)
・ゴボウ40㌘
・ニンジン40㌘
・油揚げ1枚
・タケノコ水煮50㌘
・サヤエンドウ20㌘
・錦糸卵50㌘(卵1個分)
・油大さじ1杯
・調味料
・酒小さじ1杯
・砂糖小さじ1杯
・みりん小さじ1杯半
・しょうゆ大さじ1杯
作り方
①米をとぎ、水に浸す。
②ゴボウをささがきにし、酢水に浸す。蒲焼きを短冊切り、ニンジンとタケノコ、油抜きした油揚げをせん切りにする。サヤエンドウはスジ取り後、湯通しし、斜めせん切りにする。
③油でゴボウ、ニンジン、タケノコ、油揚げを炒める。
④炊飯器に米と③と調味料を入れ、水を加え目盛りに合わせ、炊く。
⑤炊き上がったごはんに温めた蒲焼きを加え、軽く混ぜて器に盛る。
⑥錦糸卵とサヤエンドウをちらす。
※お好みで粉さんしょうをかけると良いでしょう。また、サヤエンドウを、刻んだ青じそに代えてもおいしくいただけます。
千葉伝統郷土料理研究会・川口敬子
(2012年7月7日号)
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「おいしく食べよう」リスト
<170> 給食に登場する全国の郷土料理
「じゃじゃ麺(岩手県)」
盛岡のじゃじゃ麺は、中国のジャージャー麺を見本に盛岡市内の屋台から始まり、日本向けにアレンジされてきました。盛岡冷麺、わんこそばと合わせて「盛岡三大麺」と呼ばれています。
じゃじゃ麺は、ゆでた平たいうどんに、店特製の肉味噌、キュウリ、ネギをのせ、お好みでおろししょうが、ニンニク、酢やラー油をからめて食べます。食べた後の器に生卵をとき、麺のゆで汁を注ぐと「ちーたんたん」(鶏蛋湯)と呼ばれる卵スープになり、2度楽しむことができます。これを飲まないとじゃじゃ麺を食べたことにならないと言う人もいるほどです。
学校給食では、ひき肉とたくさんの野菜も入れて肉味噌を作っています。
※参考文献「郷土料理」(ポプラ社)
材料(4人分)
・ゆでうどん4玉
・豚ひき肉160㌘
・生シイタケ3枚
・タマネギ小1個
・ニンジン1/2本
・ゆでタケノコ40㌘
・ニンニク、しょうが少々
・赤味噌大さじ3杯
・砂糖大さじ1・5杯
・豆板醤小さじ1杯
・オイスターソース小さじ1杯
・チキンブイヨン1個
・サラダ油大さじ1杯
・水1カップ
・かたくり粉大さじ1杯(溶き水大さじ2杯)
・ごま油小さじ1・5杯
・キュウリ1本(付け合わせ)
作り方
①キュウリを半月のななめ切りにし、それ以外の野菜とニンニク、しょうがをみじん切りにする。
②フライパンにサラダ油を入れ、温まる前にニンニク、しょうが、豆板醤を入れる。
③ニンニク、しょうがの香りが出てきたらひき肉を炒める。
④みじん切りにした野菜を炒め、水とチキンブイヨンを入れて野菜に火を通す。
⑤味噌、砂糖、オイスターソースを加え味を整える。
⑥ごま油を回し入れ、水溶きかたくり粉でとろみをつける。
⑦麺の上に⑥をのせ、キュウリを飾る。
千葉伝統郷土料理研究会・谷地智恵
(2012年6月16日号)
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「おいしく食べよう」リスト
<169> 給食に登場する全国の郷土料理
「さんが焼き(千葉県)」
房総半島の海では、アジやイワシ、サンマなどの魚がたくさんとれます。漁師さんは、とれた魚を船の上でみそと一緒に細かくたたき、「なめろう」という料理を作りました。「なめろう」は余計な手間や味を加えず、魚そのもののよさを味わう素朴な料理です。
さんが焼きは「なめろう」の魚の身にその1/3くらいの量のいなかみそを加え、アワビやハマグリの殻に詰めてふっくらと焼いた料理です。船から上がってすぐ、浜辺のわらのたき火の中に入れて焼いたそうです。労働の後、裸のままたき火にあたりながら食べる獲物の味は、まさに絶品だったことでしょう。
家庭では、貝殻に詰めて、焼き網にのせ、ボールなどをかぶせて蒸し焼きにします。オーブントースターで焼くこともできます。給食では、ハンバーグ型にして鉄板で焼いています。
6月15日は千葉県民の日です。県民の日にちなんで、旬の食材であり、千葉県が収穫量全国1位であるイワシを使った「さんが焼き」を作ってみましょう。
材料(4人分)
・イワシ 4匹
・酒小さじ 1/5杯
・長ネギ 1/2本
・ショウガ 小1かけ
・みそ 大さじ2杯
・しょうゆ 小さじ1/5杯
・みりん 小さじ1/5杯
・白ごま 5㌘
作り方
①イワシを手開きにする。
②長ネギとショウガをみじん切りにする。
③イワシに酒をふりかけ、みじん切りにする。
④ ③にみそ、しょうゆ、みりんを入れて、粘りが出るまで包丁でたたく。
⑤長ネギとショウガのみじん切りと白ごまを入れてよく混ぜる。
⑥ハンバーグ型にしてフライパンでふんわりと焼く。
※イワシはたたきやすり身を使用すると簡単に作れます。しそ、みょうがを入れたり、季節によっては、アジやサンマなど旬の魚を使ったりしても、おいしく作ることができます。
千葉伝統郷土料理研究会・菅谷純子
(2012年6月2日号)
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「おいしく食べよう」リスト
<168> 給食に登場する全国の郷土料理
「飛竜頭(京都府)」
飛竜頭は精進料理をもとに作り出されたおばんざい(おかず)で、「ひりゅうず」または「ひろうす」と読みます。水をきりしぼった豆腐にすりおろした山芋、ゆりね、ぎんなん、ゴボウやニンジン、シイタケ、きくらげなどを混ぜ合わせ団子にして揚げたものです。油に入れたときに中の野菜が飛び出して角のようになり、竜の頭に似ているので「飛竜頭」と言います。
また、ポルトガル語のフィリョースという小麦粉と卵を混ぜ合わせた揚菓子が語源とも言われており、関東では「がんもどき」と呼びます。
揚げたてを大根おろしとしょうゆでいただいてもいいですし、あんをかけたり、熱湯で油ぬきをして含め煮やおでんにしたりするのもおすすめです。
季節の野菜や乾物(ひじき、昆布、きくらげ等)でいろいろな飛竜頭が楽しめます。精進料理から派生したものなので、肉や魚類は使用していませんが、鶏のひき肉やエビ、貝柱などを使うとおもてなしの一品になります。
材料(4人分=8個)
・豆腐1丁
・山芋50㌘
・ニンジン30㌘
・シイタケ2枚
・ゴボウ(下ゆで)30㌘
・A
・塩小さじ2/3杯
・砂糖小さじ1杯
・卵1個
・片栗粉大さじ1杯
飛竜頭の作り方
①かたく水切りした豆腐を手で崩し、なめらかにします。
②すりおろした山芋、千切りのゴボウ、ニンジン、シイタケを①に合わせ、Aを順に加えて混ぜ合わせます。
③丸めて170度の油で5~6分揚げます。
飛竜頭の含め煮の作り方
①だし汁としょうゆ、みりんを煮立て、飛竜頭を入れて落し蓋をして弱火で加熱します。
②5、6分したら火を止め、そのまま煮含ませます。
③片栗粉でとじ、おろししょうがときぬさやをあしらいます。
千葉伝統郷土料理研究会・山口由紀子
(2012年5月19日号)
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「おいしく食べよう」リスト
<167> 給食に登場する全国の郷土料理
「味噌カツ(愛知県)」
今回は愛知県の郷土料理をご紹介します。
良い大豆が採れる岡崎平野の八丁村(現岡崎市)では、豆味噌が発達し、江戸時代に八丁味噌が売り出されました。八丁味噌とは、豆麹や麦麹を使わずに、大豆のみを原料とし、二冬、二夏熟成させた旨みの多い味噌です。
八丁味噌は、この地方の郷土料理には欠かすことのできない調味料になっています。味噌煮込みうどんや、どて煮、ボラのお腹に甘味噌を詰めたお祝い料理のいなまんじゅう、味噌カツなどがそうです。
今回は、八丁味噌を使った特製のタレをかける味噌カツをご紹介します。ソースとはまた一味違ったトンカツです。
材料(1枚=4人分)
・豚ロース 4枚
・塩 ひとつまみ
・こしょう 少々
・小麦粉 大さじ2杯
・卵水(卵半分、水 少々)
・生パン粉 適量
・揚げ油
・味噌カツ用ソース
・八丁味噌 大さじ2杯
・砂糖 大さじ1杯
・しょうゆ 小さじ2杯
・ウスターソース 小さじ 1杯
・みりん 大さじ1杯半
・だし汁 20㏄
作り方
① 豚肉の筋の部分を切り、肉たたき、または包丁のみねで肉をたたく。
② 両面に軽く塩、こしょうをし、小麦粉、卵水、パン粉の順に衣をつけ、なじませるために10分ほど置く。
③ 170度の油で揚げる。
④ 味噌カツ用ソースの材料を弱火にかけながら混ぜ、トンカツにかける。
千葉伝統郷土料理研究会・志波早苗
(2012年5月5日号)
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<166> 給食に登場する全国の郷土料理
「シジミごはん(青森県)」
青森県五所川原には「十三湖」という県内で3番目に大きな湖があります。十三の河川が流れることからついた名前です。十三湖では毎年4月10日から船曳によるシジミ漁が始まります。海水と淡水が混ざり合う十三湖では、通常のシジミよりも少し大きく、黒々としてつやのあるヤマトシジミがとれます。
シジミは、表面に横じわがあり縮んだように見えるので「ちぢみ」、または一年中食されるので「四時味」など、名前の由来はさまざまあります。良質のたんぱく質やコハク酸などのうまみ成分が多く、汁物にして供されることが多いでしょう。今回はうまみを生かした「シジミごはん」をご紹介します。
材料(4人分)
・米3合
・水1㍑くらい
・酒大さじ2杯
・シジミ300㌘
・油揚げ1枚
・しょうが1かけ
・切り三つ葉1束
・しらす干し8㌘
・調味料
・濃口しょうゆ4㌘(小さじ1/2杯強)
・薄口しょうゆ4㌘(小さじ1/2杯強)
・塩一つまみ・酒2㌘(小さじ1/2杯弱)
・さば節5㌘
作り方
①シジミの殻の汚れをきれいに洗い、真水につけて静かなところに置き泥を吐かせておく。
②米を洗う。
③ ①のシジミを浸るくらいの水(300cc程度)と酒で煮る。口が開いたら汁と殻、身を分けておく。汁はさらしでこす。
④さば節と水700ccでだしをとる。③でこした汁を合わせ、調味料で味をつける。
⑤油揚げを短冊に切り、湯をかけて油抜きをしておく。
⑥炊飯器に米、シジミの身、油揚げを入れ、④で味付けしただし汁を目盛りまで入れ、ごはんを炊く。
⑦しょうがを細いせん切りにし、三つ葉を2㌢ほどの長さに切る。炊き上がったごはんにしらすを混ぜ、上に三つ葉、針しょうがをちらす。
千葉伝統郷土料理研究会・田中紀子
(2012年4月21日号)
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<165> 給食に登場する全国の郷土料理
「蒜山(ひるぜん)おこわ(岡山県)」
満開の桜に迎えられ、希望に満ちた新たな春の訪れです。
今年度も「おいしく食べよう」を通して食文化にふれながら、読者の皆様の心と身体の健康づくりのお手伝いができるよう、取り組んでいきたいと思います。
今回からは、学校給食で実施している「全国の郷土料理」をテーマに紹介します。
郷土料理は、その土地の気候や風土から生まれた産物や食材を使って、その土地特有の料理法で作られ、食べ継がれてきたものです。
郷土料理から、その土地の文化も伝わってきます。先人の知恵と工夫で生まれた郷土料理を親子で作り味わってみませんか。
初回は、「岡山県の蒜山おこわ」を紹介します。蒜山といえば、昨年B1グランプリで優勝した蒜山やきそばでご存知の方も多いのではないでしょうか。
県の北部に広がる蒜山高原は、中国地方で一番高い山、大山のすぐ南東にあります。古くから信仰の対象としてあがめられている山で、岡山県からもたくさんの人が大山参りに出かけました。そのときお土産として持ち帰っていたのが、大山おこわです。もち米にいろいろな具が入った大山おこわを食べるうち、「蒜山おこわ」と呼ばれ、郷土料理として根づきました。
ごぼう、ふき、しいたけ、油揚げ、とり肉、栗などの季節の食材の入った具だくさんのおこわで、祭りや祝い事、豊作を祈って作ります。
一説には、あわて者のお母さんがお赤飯を炊くときにあずきのかわりにちらし寿司の具を間違えて入れてしまい、あずきも一緒に混ぜて蒸してみたら、おいしい五目おこわが出来たことが蒜山おこわのはじまりといわれています。
※参考文献『郷土料理』(ポプラ社)
材料(4人分)
・米2合
・もち米1合
・塩小さじ1杯弱
・酒小さじ1杯
・あずき24㌘
・ニンジン1/2本
・油揚げ1枚半
・わらび水煮40㌘
・干ししいたけ2~3枚
・乾燥かんぴょう5㌘
・だし汁大さじ2と1/3杯
・砂糖小さじ2杯強
・みりん小さじ1杯
・しょうゆ大さじ1/2杯強
・きざみのり適宜
作り方
①米、もち米を炊く30分前に洗い、ざるにあげて水気をきります。
②あずきを洗い、なべに入れたたっぷりの水の中に入れて火にかけ、沸騰したらゆでこぼし、また水を入れて堅めにゆであげ、ゆで汁とあずきを分けて冷まします。
③炊飯器に米と②のゆで汁、塩と酒を加え、目盛りの水加減よりやや少なめにし、あずきを加えて炊きます。
④ニンジンを千切り、油揚げを油ぬきをして千切り、干ししいたけを戻して半分に切ってから薄切り、かんぴょうを戻してさっと湯がき、1㌢㍍幅に切ります。わらびは長さ2㌢㍍ほどに切ります。
⑤ニンジンと山菜以外の材料、だし汁をなべに入れて煮立て、中火で10分煮ます。砂糖、みりん、しょうゆとニンジンを入れて弱火で煮含め、仕上げに山菜を入れてさっと火を通し、味を含ませます。
⑥炊き上がったごはんに⑤の具を混ぜて、盛り付けにきざみのりをあしらいます。
春は、山菜やタケノコ、ふき、秋にはむかごやきのこ、栗、銀杏など季節の食材を取り入れ、春は春らしく、秋は秋らしく野趣豊かなおこわを味わいましょう。
また、お赤飯の素やちらし寿司の具などを利用して手軽に作ることもできます。
千葉伝統郷土料理研究会・山口由紀子
(2011年4月7日号)
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<164> 給食に登場する世界の料理
「沢煮椀」
きらきら春の光を感じられるころとなりました。どんな春を見つけましたか?
今年度は「給食に登場する世界の料理」を紹介してきました。世界のおいしい料理から食文化を見つめ、日本料理からは季節感あふれる日本料理のすばらしさを再確認してきました。
最後の料理は日本料理「沢煮椀」を紹介します。給食ではたくさんの食材を入れられることから、登場する頻度の高い料理になっています。
沢煮椀の「沢」とは「沢山」が語源です。何種類もの野菜を使うのが習わしで、元々は猟師が狩りに出る際に保存食の豚の背脂肉を持って出かけ、それと千切りにした野菜とを調理したのが始まりです。背脂は塩漬けにして持って行ったと考えられ、沢煮椀の味付けは塩味が多いです。給食では、豚もも肉を使いさっぱりと仕上げています。
だし汁と生シイタケの心地良い香りは日本料理の良さであり、食欲をそそられます。彩の菜の花は、春を感じ季節を感じさせてくれます。
材料(4人分)
・豚もも肉20㌘
・大根80㌘
・ゴボウ1/3本
・ネギ40㌘
・生シイタケ2枚
・菜の花適量
・だし汁3カップ
・調味料
・酒小さじ1杯
・塩小さじ1/2杯
・しょうゆ小さじ1/2杯強
作り方
①生シイタケを、軸を取り千切りにする。切り落とした軸は石づきを取り除き縦に細く切る。
②豚肉、皮をむいた大根、ネギを生シイタケの長さに合わせ千切りにする。ゴボウを千切りにし、水にさらしあくを抜く。
③菜の花をゆでておく。
④鍋にだし汁と①②の材料を入れ、沸騰したらあくを取る。具の材料に火が通るまで煮る。
⑤調味料で味を調え、火を止める。
⑥椀に盛り付け、菜の花を彩り良く添える。
千葉伝統郷土料理研究会・谷地智恵
(2012年3月17日号)
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「おいしく食べよう」リスト
<163> 給食に登場する世界の料理
「クラムチャウダー(アメリカ)」
うま味がたっぷり、給食でも人気のクラムチャウダーを作ってみませんか。
給食では、アサリやハマグリを使いますが、北米の東海岸ではホンビノスガイを使います。
以前は、白ハマグリと呼ばれ、最近はスーパーでも見かけるホンビノスガイ、実は東京湾でも獲れるんです。東日本大震災により被害があった東京湾ですが、ホンビノスガイの漁獲に影響はないそうです。
クラムチャウダーに舌つづみを打ちつつ、自然の恩恵に感謝したいものですね。
材料(4人分)
・アサリまたはハマグリ20個(ホンビノスガイの場合は12個程度)
・ベーコン4枚
・タマネギ1個
・ジャガイモ1個
・牛乳3カップ
・生クリーム1/2カップ
・バター20㌘
・白ワイン1/4カップ
・塩コショウ少々
・青ネギ(小口切り)大さじ3杯
作り方
①貝を薄い塩水に漬け砂抜きをしてから、殻と殻をこすり合わせてよく洗う。
②ベーコンを短冊切り、タマネギを薄切りにし、ジャガイモを1㌢角に切って水にさらす。
③鍋にバターを熱しベーコン、タマネギ、ジャガイモを炒める。
④貝と白ワインを加えてひと煮たちさせ、牛乳を加え、貝が開くまで弱火で煮る。
⑤味が足りなければ塩コショウを加え、生クリームを加えて仕上げ、ネギを散らす。
※貝を火に通し過ぎると赤くなり、うま味も風味も失うため、出来上がったらすぐに食べるとよい。
千葉伝統郷土料理研究会・髙坂朋子
(2012年3月3日号)
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<162> 給食に登場する世界の料理
「ポークビーンズ(アメリカ)」
アメリカ料理は移民や先住民の多彩な食文化が融合しています。ハンバーガー、ホットドッグ、フライドチキンなどファーストフードとして世界中に普及しているものも多くありますね。
アメリカの代表的な家庭料理の1つにポークビーンズがあります。いんげん豆と豚肉、野菜を煮てトマトケチャップで味付けしたものです。
学校給食ではタンパク質が豊富な大豆をよく使います。
野菜が苦手な子供たちも残さず食べられる料理です。ぜひ、作ってみてください。
材料(4人分)
・大豆水煮100㌘
・油大さじ1杯
・ニンニク半かけ
・豚肉60㌘
・白ワイン大さじ1杯
・ジャガイモ大1個
・タマネギ1個
・ニンジン1/5本
・マッシュルーム2個
・さやいんげん2本
・ホールトマト70㌘
・水140 cc
・粉チーズ大さじ1杯
・バター5㌘
・生クリーム小さじ1杯
・調味料
・塩小さじ1/5杯
・こしょう少々
・トマトピューレ大さじ2杯
・トマトケチャップ90㌘
・ウスターソース小さじ1杯
・パプリカ(粉)少々
・顆粒コンソメ小さじ1杯(3㌘)
・砂糖小さじ2杯
・しょうゆ小さじ1杯
作り方
①豚肉を1㌢㍍角に切り、白ワインにつける。
②大豆水煮をザルに上げさっと水洗いし、水気をきる。
③ニンニクをみじん切りにする。
④ジャガイモ、タマネギ、ニンジンを1㌢㍍角に切る。
⑤マッシュルームをスライスする。
⑥さやいんげんを1㌢㍍に切り、ゆでておく。
⑦鍋に油とニンニクを入れて中火にかけ、香りがたったらタマネギを加え、全体に油がまわったら豚肉を加えてさらに炒める。
⑧豚肉の色が変わったらニンジン、ジャガイモ、マッシュルームを加え、炒め合わせる。
⑨全体に炒められたらつぶしたホールトマト、調味料、水を加え、ふたをして時々混ぜながら中火で10~15分煮る。
⑩ニンジン、ジャガイモがやわらかくなったら、大豆水煮を入れて5~10分煮る。
⑪汁気が少なくなってきたら粉チーズ、バター、生クリームを加えて味を整え、さやいんげんを加える。
千葉伝統郷土料理研究会・菅谷純子
(2012年2月18日号)
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<161> 給食に登場する世界の料理
「家常豆腐(中国)」
きょうは立春です。「寒さがあけて、春に入る日」、春のはじまりです。
しかし、暦の上で春とはいえ、2月の旧暦の名称「如月」は、寒いために更に衣を着る「衣更着」から名のついた月。まだまだ寒さが続きます。
寒さ予防には、衣服で暖をとる他に、食も大切です。食事を摂ることにより体温が上がります。また、料理にしょうが・ネギなどの香味野菜や唐辛子・こしょう等の香辛料を使用したり、とろみをつけたりすることで体をさらに温める効果につながります。
今回は、中国の家庭料理「家常豆腐(ジャージャン豆腐)」を紹介します。家にある野菜、豆腐を使って手軽に作れる経済的な料理で、栄養のバランスも良く、不足しがちな鉄分、カルシウムも無理なく摂れる、体にもお財布にもホカホカのおすすめの料理です。
材料(4人分)
・厚揚げ1・5枚
・豚こま肉100㌘
・ニンジン1/2本
・タマネギ中1個
・シイタケ2~3枚
・タケノコ80㌘
・ニラ1/3把
・ニンニク・しょうが少々
・豆板醤小さじ1/2杯
・合わせ調味料
・紹興酒大さじ1/2杯
・オイスターソース大さじ1杯強
・しょうゆ大さじ1杯半
・砂糖大さじ1杯強
・酢小さじ1/2杯強
・中華スープ170cc
・かたくり粉大さじ1杯
・ごま油大さじ1/2杯
・炒め油小さじ1/2杯
作り方
①厚揚げを熱湯にくぐらせてからタテ半分に切り、1㌢㍍の厚さに切る。
②ニンジンを短冊、タマネギをくし型、シイタケとタケノコを薄切り、ニラを長さ3㌢㍍、ニンニク・しょうがをみじん切りにする。
③合わせ調味料を合わせておく。
④フライパンに油をひき、ニンニク、しょうが、豆板醤を炒める。香りが立ったら肉を加え、さらにニンジン、タマネギ、シイタケ、タケノコの順に加えて炒める。
⑤厚揚げ、中華スープを加えて煮る。合わせ調味料、ニラを加え、煮たったところに同量の水(大さじ1杯)で溶いたかたくり粉をまわし入れる。とろみが全体にからんだら火を止め、ごま油をかけて香りをつける。
※野菜は旬の食材を使う事でいろいろなバリエーションが楽しめます。
タマネギはネギに、ニラは小松菜・チンゲン菜がよいです。
千葉伝統郷土料理研究会・山口由紀子
(2012年2月4日号)
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<160> 給食に登場する世界の料理
「ハヤシライス(日本)」
ハヤシライスとは、薄切りした牛肉とタマネギをバターで炒め、赤ワインとデミグラスソースで煮たものを白飯の上にかけた料理で、洋食に分類されますが、日本発祥の料理です。
ハヤシライスの「ハヤシ」の語源については、ハッシュドビーフ・ウィズ・ライスが「ハッシ・ライス」あるいは「ハイシ・ライス」となり、それがなまって「ハヤシライス」となった説や、洋食屋の店長の林さんがビーフシチュー(ハッシュドビーフ)とご飯を混ぜたまかない料理が起源で、客による口伝えで全国区になった林某説など諸説あります。
肉は牛肉が一般的ですが、豚肉の場合もあります。学校給食では豚肉を使うことが多いと思います。また具としては、マッシュルームやしめじ、エリンギ、ニンジンなどを使い、小麦粉とバターで時間をかけてブラウンルウも作ります。鉄釜でじっくりと煮込んだまろやかな味は、カレーライスと同様に、子供たちに人気のあるメニューです。
材料(4人分)
・豚肉こま切れ200㌘
・タマネギ中2個
・ぶなしめじ1株
・マッシュルーム水煮缶小1缶
・ニンジン小1/2本
・ニンニク、ショウガ各ひとかけ
・小麦粉30㌘
・バター30㌘
・赤ワイン100cc
・トマトケチャップ80㌘
・固形スープの素1個
・デミグラスソース80㌘
・ウスターソース大さじ1杯
・塩小さじ1杯
・コショウ適量
・水450ccぐらい
・サラダ油適量
作り方
①フライパンにバターを入れて火をつけ、溶けてきたら小麦粉を入れて焦げないように茶色になるまで炒める。
②タマネギを半月の薄切りにし、ぶなしめじの房を分け、ニンジンをイチョウ切りにし、ニンニク、ショウガをみじん切りにしておく。
③厚手の鍋にサラダ油を入れ、ニンニク、ショウガを入れて香りが出たら、タマネギを入れ茶色になるまで炒め、豚肉を入れて色が変わるぐらいに炒め、赤ワインを入れて、ぶなしめじ、ニンジンも加え煮る。
④水、固形スープの素、マッシュルームを入れてニンジンが柔らかくなるまで煮込み、こまめにアクをとる。
⑤ ①を入れ、よく混ぜる。デミグラスソースとトマトケチャップ、ウスターソースを入れ、塩コショウで味を調える。
千葉伝統郷土料理研究会・小田中三津子
(2011年1月21日号)
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<159> 給食に登場する世界の料理
「ぶり大根(日本)」
「ぶり大根」は北陸を代表する郷土料理です。
北陸では冬に向かう11月終わりの寒いころ、猛烈な風が吹き荒れ雷が激しく鳴ります。これは〝鰤起し〟と呼ばれ、寒ぶり漁が始まる合図です。12月から3月まで脂ののったおいしいぶりが水揚げされ、関西から北陸にかけては正月に食べる歳取り魚として重要な縁起物です。ぶりは成長が早いため「出世魚」と言われ、もじゃこ→はまち→ぶりと、成長とともに呼び名が変わります。ぶりの脂には、DHAという脳の発達を良くし、記憶学習能力を高める働きがある成分がたっぷりと入っています。
昔の人は、冬の味覚の代表格である海の幸「ぶり」と、冬野菜の中でも最も代表的な「大根」をうまく組み合わせて、「ぶり大根」を作りました。互いのおいしさを生かした郷土色豊かな、心も体も温まる料理です。
ぶりは、硬く締まって光沢があり、切り身の場合は切り口がなめらかで実が割れていないものを選びます。大根は、一本買いの場合は葉に近い青首の部分が青く、白い部分が白いものを選びます。ずっしりと重いものは、水分がたっぷりで新鮮な証拠です。葉がついているものは青々しているものを選びます。葉から水分が蒸発してしまうので、買ってきたら葉は切り落とします。半分で買う時は、首の部分がふっくらとした丸みのあるものを選びます。
材料(4人分)
・ぶり(切り身)4切れ
・大根1/2本
・酒200cc
・みりん100cc
・水450cc
・砂糖大さじ1~1・5杯
・しょうゆ大さじ5杯
・ショウガ 薄切り少々
・ゆずの皮 千切り適宜
作り方
①大根の皮をむいて、厚さ1・5㌢㍍くらいの輪切り、または半月切りにし、下ゆでする。
②ぶりの切り身を半分に切り、ざるに入れて熱湯をまわしかけ、水切りしておく。
③鍋にぶりと大根、薄切りショウガ、水、酒を入れて落としぶたをして火にかけ、煮立ったらアクを取り除き、砂糖、みりんを加えて5分ほど煮る。次にしょうゆも加え、中火で15分ほど煮る。
④とろみが出てきたら強火にして鍋をゆすり、照りを出して火を止める。
⑤盛り付けたら、千切りのゆずの皮を飾る。
千葉伝統郷土料理研究会・小田中三津子
(2012年1月3日号)
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