市川よみうり

今週の人

地域を良くするために率先して活動を…

市川市婦人団体連絡協議会会長
芝田 滋子さん

    太平洋戦争の始まった昭和16年に国防婦人会に入り、隣組の組長として防空演習などに励んだ。その後、地域の婦人会へと変わっても、いまに至るまで66年間、活動を継続。うち38年間は地元婦人会の会長、7年間は連絡協議会の会長をそれぞれ務めている。
 「地域を良くするために活動するのが婦人会」。終戦直後の貧しい時代は、会員たちで売れ残り雑誌の解体作業をして会費を捻出しながら旧軍人を慰問。食べ物に苦労した時期は、ヨモギやタンポポなど野草の食べ方を紹介して「倹約すれば食べられる」とアピールした。
 その後は、道路、下水道、騒音など、身近で起こる公害問題に取り組み、「みんなが困ることだから必死だった」と、ときには泣きながら改善を訴えることも。行政の対応が改善した近年は、家庭の雑排水やゴミの分別、リサイクル、マイバッグ運動など幅広い環境問題に、連絡協議会として取り組むようになった。
 「社会を良くしようと思えば、誰かが率先してやらないといけない」と、一人ひとりが行動を起こす大切さを訴え、実践し続ける85歳。地球温暖化、悪質商法、子供たちの問題など、取り組むべきテーマはまだ多く残っている。
(2008年1月18日)
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今週の人

懸命に働く母親の姿を思い浮かべながら

ふるさと「行徳」を歌う
松丸 たかしさん

ふるさとを歌うのは5月発売の『行徳慕情』。海や海苔、野良着、神輿など、時代とともに移ろいつつある、なつかしい行徳の姿を描く。「行徳で生まれ育った人に、行徳のために歌ってもらいたい」とつくられた曲を歌うのに、「けれんみのないいい声」と白羽の矢が立った。「子供のころ、野良着を着て休む間もなく懸命に働いていた母親の姿、苦労が思い浮かぶ」と、情感を込めて歌う。
 市川市立南行徳小、同南行徳中を卒業し、いまも行徳に住む60歳。2年前の3月に「津軽祝い民謡(うた)」でデビュー。20年歌っていてもカラオケにリストアップされない人もいるが、すでにカップリングともに配信されるほどの人気をもつ。
 民謡を15歳から始め、就職で中断したが、会社員をしながら歌のレッスンを続けた。プロデビューのチャンスもあったが、水商売が嫌いな父のために断念。父の死去と自身の定年を機に歌手の座を射止めた。「幸運とみんなの支援があってのこと。夢をもち続け、あきらめない気持ちがあればかなうことを知ってほしい」と、団塊の世代への応援歌の思いでマイクを握る。
 ふるさとを歌う演歌だから、そこで育った人が歌うほど、人の心に届く。「なぜ津軽の人ではないのに津軽の歌を歌うのかと言われてつらかった。やっと自分のふるさとを歌える。行徳のよさを全国に広めたい」。ふるさとを大事に思うからこそ、地域のお年寄りの前で歌い、母校の子供たちに歌の素晴らしさを伝えることを思い描く。
(2008年1月25日)
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