市川よみうりonline
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市川市が長年にわたり検討を続け、大久保博市長も選挙公約の一つに掲げていた京成本線の立体化が暗礁に乗り上げている。同市は平成18年度に「京成沿線整備担当室」を設置し、平成20年度に有識者を招いて立体化案を絞り込むなど、実現に向けた事業を推進してきた。しかしその後、絞り込んだ案では、国の補助が受けられないなどの問題が浮上。この結果、それまで進めてきた方向での事業推進が困難になり、市は「迅速な事業推進は難しい」と新年度から同担当室を廃止している。
京成本線の立体化は、現在市の中央部を平面で横断する同線を地下化または高架化することで、踏み切り渋滞の解消や沿線住民の騒音、振動、排ガス被害などの緩和を目指すもの。市民生活に直結する問題でもあるため市民の関心も高く、昭和60年代からたびたび議論されている。
こうした中、市は平成10年度と同20年度に、有識者を招いて立体化の実現方法を模索する組織をそれぞれ設置。同19年度には広報紙にも2度大きく取り上げたほか、5つに絞った立体化案のどれが望ましいかを市民に問うアンケートも行った。さらに同20年度末には、それまでの5案のほかに考え得る2案を加えた計7案の中から、有識者委員会が「地下・高架化併用案」が望ましいとの提言をまとめた。
しかし、同事業の実現にあたっては、国、県、京成電鉄の協力が不可欠だが、県と京成電鉄が市の提示した案に難色を示したほか、同案が国の補助金を受けるための条件を満たしていないことが発覚。これは国の補助採択の条件を算出するためのマニュアルが平成20年11月に改定されたことによるものだが、この結果、それまでの方向性で事業を進めることが難しくなり、立体化へ向けた取り組みは振り出しに戻るような格好となった。
ただ、市は「看板を下ろしたわけではない」とし、同担当室廃止の理由については「立体化は周辺の街づくりも重要になってくるため、街づくり推進課内で一緒に検討していこうとするもの」と説明。「(全線立体化の)早期実現が難しいのは事実だが、今後は市川真間の変則5差路や八幡駅周辺など部分的な問題解決に向けて検討していく」としている。また、京成立体化の実現へ向けた具体的な検討が再開する時期については「外環道路などの工事が完了する平成27年ごろが一つの目安」との予測を示している。
京成立体化、振り出しへ
推進困難 整備担当室も廃止
2012年5月5日土曜日