本八幡駅北口の再開発計画変更
6月市議会 「停滞リスク」回避を要請
コスト圧縮 高層1棟を4階建てに

市街地再開発事業で、国道14号寄りの高層棟の計画が見直されたJR本八幡駅北口駅前地区

変更前の当初計の完成予想図
事業費の高騰を背景に、市街地再開発事業の中断や見直しが全国的に相次ぐ中、2032年11月の完成をめざす、JR本八幡駅北口駅前地区の市街地再開発事業でも、シンボルタワーの一棟で、大幅な計画変更が行われたことがわかった。開会中の市川市の6月定例市議会の代表質問の答弁で、市が明らかにした。市の中心部ながら、旧耐震基準の建築物が多く、防災性の向上も課題で、経済情勢に左右されない、着実な事業継続が求められる。
■28年11月に着工
京成八幡駅と並ぶ市役所や葛飾八幡宮への玄関口、本八幡駅北口再開発事業は、2024年3月、市の都市計画が決定し、25年9月に県が、事業主体になる市街地再開発組合の設立を認可した。
認可時の事業計画では、28年に現在の建物の取り壊しを開始し、同年8月に着工、32年11月の完成を目指している。
市街地再開発組合は、地権者を中心に、複数のゼネコンや大手デベロッパーが参画。総事業費は計約783憶円で、このうちの約235億円を国、県、市川市が補助金として支出し、市川市の負担額は114憶円。
通勤通学者をはじめ、市民に愛されてきたパティオ本八幡から、国道14号の駅前交差点にかけての1・1㌶の土地に、シンボルタワーになる高層棟を建設する。
■北棟を商業棟に
計画変更は、自由民主の会の細田伸一議員の代表質問に対し、街づくり部の小林英樹部長が、答弁で明らかにした。
当初計画では、▼駅寄りの「南棟」は、地上44階地下2階建て(高さ160㍍)▼14号寄りの「北棟」は、地上21階地下2階建て(高さ約80㍍)―で、いずれも高層階はタワーマンション、低層階は、飲食店などの商業施設やオフィスなどが入る計画だった。
しかし、25年9月の県による市街地再開発組合の設立認可を経て見直され、14号寄りの高層棟が、地上4階建ての商業ビルに計画が変更された。
「北棟」の計画変更について、小林部長は「都市計画決定時には、4階までの低層階を商業用、21階までの高層階を住宅用としていたが、低層階を商業施設に特化することで、計画の自由度を高め、魅力的な商業空間を創出する」と答弁。
理由について、「コスト削減が目的と聞いている」と説明した。
■社会情勢を注視
市の中心地区である同エリアは、現在のパティオ本八幡のビルが、1974(昭和49)年に完成。
「八幡一番街商店会」をはじめ、周辺の建物も、81(同56)年5月以前の旧耐震基準で建てられたものほとんどで、再整備は、防災性の向上も重要な課題になっている。
細田氏は「民間主体とはいえ、市街地再開発は公共性の高い事業で、市も110憶円以上を支出する。地域住民だけでなく、周辺地域の防災機能も当然、担っている」とした。
そのうえで、全国で相次ぐ再開発事業の見直しを例に、事業停滞リスクを指摘。
これに対し、小林部長は「建物の共同化による耐震と不燃化、広場、歩道の整備によるオープンスペースの確保で、防災性の向上が図られる。事業が滞ることのないよう、注視していきたい」と答えた。
京成線、都営新宿線とも接続する市の中心市街地で、昨年90周年を迎えた本八幡駅の駅前再開発は、市川市の未来を担うプロジェクトだ。
国際情勢や経済環境の変化に左右されることなく、28年8月の着工、32年11月の完成までこぎつけられるよう、期待したい。
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