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行徳モスクの祭礼 大きな混乱なく
公園での集団礼拝は今後も認めず
市長「均衡ある多文化共生で判断」
50万人都市 外国人急増にどう対応


早朝からモスクに集まった参加者

モスク内での礼拝が公開された

 公園での集団礼拝の是非が問われたイスラム教の祭礼が5月27日、県内の主要拠点である行徳モスク(行徳駅前3)で行われ、市内外のイスラム教徒600人以上が集まった。30年間認められてきた礼拝も含む市の公園の使用許可が下りず、モスク内と隣接地で回を分けて開催。宗教色のないイベントのみ、公園で開かれた。大きな混乱はなかったが、市は今後も、公園での集団礼拝は認めない方針。田中甲市長は29日の定例記者会見で、「均衡のとれた多文化共生のため、一線を引く必要があると判断した」と説明した。

 ■報道陣にも公開

 イスラム教の二大祭礼の一つ、犠牲祭の27日は、朝6時半から5回、行徳モスク内と隣接する空き地で礼拝が行われ、礼拝を終えた参加者が随時、道路を隔てた南沖公園に移動した。公園の一角には、イベント用の出店のテントが設けられ、子供を連れた参加者らでにぎわっていた。

 朝から集まった報道陣に、モスク内の礼拝の様子も公開された。

 公園での礼拝をめぐり、対立する複数の市議と、一部支持者が現場で顔を合わせたほか、近隣の違法駐車の対応で警察官が来るなどしたが、大きな混乱はなかった。

 ■3月には許可が

 この日、モスクで取材対応したアミヌウラさんは、今年3月(断食明けの祭礼)には認められていた礼拝も含む公園の使用許可が突然、下りなくなり、「ちょっと悲しい。市と話し合いもしたが、市からは、何がいけなくなったのか、どうすればいいかなどの改善策が示されず、急なこと(方針変更)で対応に困った」と、戸惑った様子。

 モスク代表の宮沢アブドッラさんは礼拝終了後、「1997年に現在のモスクを建てた。厳しいことを言う人もいたが、ずっと笑顔で対応してきた。日本は安全に暮らせる街。コロナ禍でも、集めたマスクを近所の人たちに配ったりした。これまで通り、人同士として、付き合っていきたい」と語った。

 現場にいた地元、行徳駅間三丁目自治会の黒須和美会長は「初めの頃はいろいろあった。ゴミ出しや、路上にたむろするとか、違法駐車などもあったが、改善してきた。地域は、街になじもうという彼らの努力をわかっている」とした。

 ■条例解釈の変更

 5月29日の定例記者会見で、田中甲市長は「近隣住民や、各種団体に所属する人の声をいろいろな角度から聞き、本来の公園の目的から逸脱したことを明確にしていく必要があると判断した」と説明。

 「モスクができ、イスラム教徒が出入りする場所の隣で生活するのが難しいと、転居した人がいるのも事実」「公園で、集団礼拝する姿への抵抗感が高まっており、そこを認める市川市であってはいけないという考えだった」と明言した。

 一方、「イスラム教徒が生活することを否定するものではない」点も、強調した。

 3月から、市長選を挟んで判断が変更された形だが、「ネット上でも、否定的な書き込みがされる状況が生まれてきた。(集団礼拝をめぐる議会要望や問責決議、それに対する提訴など)議会でも扱われるようになってきた」と、世論の変化が背景にあるとした。

 行徳モスクの問題に限らず、50万人都市達成の背景には、外国人転入者の急増がある。

 田中市長は「(大きな工場があり)外国人労働者が必要な自治体とは違う。市川市のあるべき多文化共生社会の模索が重要」としたうえで、「市民が生活の中で不安を覚えることがあれば、防犯協会や公的機関で状況を共有し、市全体としてどう対応していくか、早急に方向性を示したい」と語った。

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