市川浦安よみうり online

政治家人生の集大成占う4年
ハードル高い公約 軌道に乗るか
初登庁後会見で工程など言及


幹部職員や支持者が迎える中、笑顔で初登庁し、大きな花束を受け取る田中市長

幹部職員や支持者が迎える中、笑顔で初登庁し、大きな花束を受け取る田中市長

 19日深夜に再選を果たし、20日に自ら当選証書を受け取った市川市の田中甲市長(69)が21日朝、幹部職員や支持者が待つ中、第1庁舎正面玄関から初登庁した。議場での職員への訓示に続き、記者会見が開かれ、1時間超にわたり、公約の実効性などについて質疑が行われた。1期目の公約達成率を96・9%とする田中市長だが、2期目の公約は、ハードルの高いものが並ぶ。着実に軌道に乗せ、3期目につなぐことができるのか―。政治家としての集大成ともいえる大きな4年になる。

 田中市長は、再選を決めた投開票日の深夜にも、記者団の囲み取材に応じているが、記者会見では、公約達成に向けた優先順位や工程のほか、行徳モスク問題など、浮上している市政課題について、具体的に言及した。

 【公約の優先順位】

 「美術館の構想もあるが、いろいろなところと話し合いをして、状況がうまく展開したところが、(順番的に)先に入ってくることになる」

 【子ども手当など】

 「(公約実現の)スタートが、子ども手当と第1子保育料無償化。42人の市議で、反対はいないと思っている」

 「市川市は、東京に隣接する地政学的よさにあぐらをかき、東京23区にはできない発展の仕方を真剣に考えてこなかった。23区に劣らない子育て環境をつくり、若い人たちが結婚して子育てする場所として、市川が俎上にのぼるようにする」

 【中核市への移行】

 「50万人都市になったが、23区を除く人口順で27、28番目の松戸市と市川市だけが、政令市にも中核市になっておらず、県行政に依存している。市川は、地方交付税の不交付団体として、松戸よりも先に、中核市にトライしていくべきだろう」

 「障がいを持つ人、高齢者、低所得者を誰一人として(支援から)取り残さないため、保健所、児童相談所を県から移管し、市が独自に判断して救済できるようにする。職員は県職を市で採用し、継続してもらうのが現実的。特別支援学校、支援学級の増設、動物愛護センターもつくる」

 「職員が納得できるか、42人の市議がどこまで理解してくれるか、スピード感を見定める。4年間で中核市に確実になるという意思のもとで、進める状況をつくりたい」

 【その先の政令市】

 「政令市は、より多くのところと友好的な関係が持てれば、魅力ある都市になれるだろう。現段階では、市川が引っ張っていくことが重要で、松戸に声をかけたい」

 【市立高校の創設】

 「市内の県立高校を市に移管したい。志願倍率が1倍に届かないのでは、市内にある県立高校としての意味がない。県に持ちかけていて、県の教育長が、市川にまかせた方がいい学校になる可能性もあると、言ってくれている」

 「市がテコ入れして、世界の大学に進学できる資格が取れるインターナショナル・バカロレア認定校や、優秀な野球部の監督を招いて甲子園を目指すレベルの学校をつくる。市内に私立があり、都内にも通える地の利のよさがあり、子育て施策同様、あぐらをかいてきていた」

 【J3スタジアム】

 「実力的に(J3昇格が)最有力なブリオベッカ浦安・市川が、使いたいと言っている。場所は、大規模な避難所にできるようなところにしたいと考えている。液状化や耐震の問題を考えると、地盤のいい方(市北部)につくりたい。(スポンサー)企業の参加、用地の買い上げが前提だが、実現させたい。スポーツの街の魅力づくりは、欠かせない」

 【医療拠点の整備】

 「拠点になる医療機関が、明らかに不足している。基幹病院がぜい弱すぎる。高度医療は、都内の病院で受けられるからというのでいいのか。ただ、松戸市民病院(市立総合医療センター)は、年間約70億円(の赤字)を市が負担しており、同じ轍は踏まない」

 「市内の医療機関との協議体で、まずは今ある医療機関同士の風通しをよくし、経営的に共存できるようにしながら、特殊医療分野の連携を図る。それでも欠けているものがあれば、市として考えるところも出てくる」

 【行徳モスク問題】

 「住民が不安に思うことや、お互いが生活していく中での役割、守ってもらわなければいけないルールが何か。モスクの責任者と話し合う機会をつくった市議がいるので、情報をもらいながら、市長としても参加したい。ここに住んでもらったら困るというような話になる事態は、避けなければいけない」

 「公園での礼拝は、公園緑地課がどういう基準で許可を出してきたのか。今までの経緯と、これからの方針を決めないといけない。住民が嫌がっているわけで、許されることなのかどうか。宗教的な行為であり、建物の中とは違う。どう線引きをするか、そう先ではなく結論を出したい」

 【塩浜市有地活用】

 「(投資リスクもあり、企業が入ってこないが)いろいろなやり方がある。企業も国内に限らない。物流倉庫をつくりたいという企業提案はダメ。レジャープールを中心に、にぎわいのある街づくりに協力してもらう」

 「今夏で現在の市民プール(北方町)は壊すので、翌年から使えるように相当スピーディーに動かないと。(間に合わずに)現市民プール跡地に、室内プールなどをつくる考えはない。J3スタジアムをつくることもない。(2024年5月の記者会見で表明した)造波プールは、流山市にもつくられるとの情報から、塩浜でのニーズや採算性を確認し、ブレーキをかけている。どことタイアップするかで、一瞬にして(事業が)成り立つ可能性はある」

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