市川浦安よみうり online

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JR本八幡駅 9月1日開業90周年
イチゴ畑と田んぼに囲まれた田園駅
旧国鉄の駅名標デザインの記念品も


本八幡駅舎の棟上げ式=1935年(市川歴史博物館提供)

本八幡駅舎=1969年(市川市文学ミュージアム提供)

内野駅長(右)と、記念ロゴマークをデザインした大竹さん

90周年記念ロゴ

国鉄時代の駅名標

現在の駅名標

 市川市民や利用者の思い出がたくさん詰まったJR本八幡駅が、9月1日に開業90周年を迎える。市川北部、中部の市民の多くが通勤、通学で使い、市役所や国の機関、私立の小中高、短大が集まる市の中心駅で、昨年の市制90周年に続く歴史的記念日。社員がデザインした90周年記念のロゴマークが誕生したほか、国鉄時代と現在の駅名標を採用したスタンプラリーの記念品などで、お祝いする。

 ■実は歴史が浅い

 総武線は1894(明治27)年に市川―佐倉、市川―本所(錦糸町)が相次いで開通。市川駅は同年、下総中山駅は1895年に開業し、本八幡駅はそれから40年後、市川市制施行の翌年の1935(昭和10)年に開業している。本八幡駅の1日平均の乗車人員は5万人を超え、近隣では、西船橋、船橋駅には及ばないものの、市川駅と並ぶ。

 本八幡は、JRのほか、京成線、都営新宿線が乗り入れるが、下総の国の総鎮守である葛飾八幡宮や、昭和レトロな雰囲気のビルや飲食店も残り、落ち着きのある街だ。

 市川市親善大使のさだまさしさんや、地元の大スター、ジャガーさんの構内アナウンスでも話題になった一方、市役所所在地でありながら、快速が停車しない″不名誉〟な駅でも有名だ。

 ■90年前の本八幡

 市川民話の会編集・発行の「市川のむかし話」では、八幡が舞台の『梨づくりの善六さん』の中で、「JRや京成線が通っているあたりは砂っぱ(砂地)だし」と、本八幡駅の北側は砂地で、米や麦づくりには向いていなかったとの記述がある。

 一方、本紙連載中の「松丸喜美子の八幡語り」では、本八幡駅の開業当時の様子について、「(国道)14号からぜんぶイチゴ畑で、線路までね」とか、「(駅の北口から)歩道橋を渡って、(略)上りのホームへ立つと、すぐにホームだけでもって、すぐ田んぼですよ、こっちぜんぶ」と語られている。

 本八幡駅長2年目の内野寛子さんは「先輩たちが築いてきた歴史の重さ、努力、地域の方の協力と信頼があってこその90周年。未来につなぐよう、みんなで『90年ありがとう』という気持ちでやっている」と話す。

 ■なごやかさ表現

 コンペを経て採用された90周年記念ロゴマークをデザインした大竹真実子さんは、2012年にJR入りし、本八幡駅では、駅業務の中で90周年イベントもこなしている。

 本八幡駅のマスコットキャラクターで、地元市川名産の梨から生まれたナマケモノの女の赤ちゃん、モタロー(駅の電略=電報略号=「モタ」から取っており、タローという男の子ではない)と、梨で、「90」を描いた。

 JRのイベントでおなじみのヘッドマーク風デザインは使わず、見た目の優しさを優先した。

 大竹さんは「本八幡駅は、感謝やお礼の言葉をかけてくれるなど、優しい利用者が多い。本八幡の地域のなごやかな空気感が伝わればいい」と、感謝の気持ちを込めたという。

 ■立ち食いそばも

 現在の駅名標と、国鉄時代の書体の「すみ丸ゴシック」の駅名標のカラビナキーホルダーがもらえるスタンプラリーは、人気が出そう(以下、いずれも駅ポスターなどに詳細)。

 ほかにも、NewDays本八幡店での記念グッズ販売や、JR千葉支社のマスコットキャラクター「駅長犬」、シャポーの「シャポーちゃん・ポポちゃん」との子供用制服を着ての撮影会も。

 シャポーの文明堂の記念焼き印入りカステラ、さらには、立ち食いそば店のわかめ、たぬきのトッピングプレゼントも面白い。

 内野駅長や大竹さんの願いのように、本八幡駅が、これからも、みんなに愛される駅でありますように~。  

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