読売新聞、日経新聞などを定期購読なさっているご家庭や事業所様などに、折り込みで毎週土曜日(月4回)にお届けしています。
市川市政 市長発言で深まる溝
〝市長与党〟VS「市政運営監視」会派
市長選、市議選への影響も

議会の勢力図の変化が、市政運営や市長選に与える影響について語る田中甲市長
6月定例市議会で鮮明になった″市長与党〟の「親市長会派」と、市政運営のチェック機能を重視する「反・親市長会派」の対立構図。今月8日に開かれた閉会後初の市長定例記者会見で、田中甲市長が「反・親市長」の自民党会派批判に言及し、その溝はさらに深まった形だ。市川市は、職員の不祥事も相次ぐ。繰り返される会派の離合集散や、市長と政党系主要会派との対立は、来春の市長選、その翌年の市議選を控え、市政の安定を損なう恐れがある。
■議会の機能喪失
田中市長が会見で、″市長与党〟と位置付けた「親市長会派」は、公明党(8)▽自民離党、創生離脱組の未来市川(5)▽新しい流れ(4)―など22議席。
一方、市政監視や議会の独立性確保で一致する政党系主要会派中心の「反・親市長会派」は、創生市川・自民党第1(7)▽同第2(4)▽立憲民主党、連合系の市民クラブ(3)▽日本共産党(3)―など20議席だ。
田中市長は会見で、創生に対し、否定的な印象を与える発言をし、一部新聞が、背景説明なくそのまま報じた。
田中市長は、創生の議長選挙での対応を挙げ、「共産党の候補者に投票する考えられない状況が生まれた」としたうえで、「調べると、自会派を離脱した人間が議長に選ばれるのは許さん、ということと聞き及んでいる。このような考え方を市民が理解するのか」と弁を振るった。
世論を誘導しかねない内容だが、双方に利害関係のない複数の市政関係者によれば、田中市長が自民党を敵に回す強気の言動の背景には、来春の市長選での有力な対抗馬不在がある。また、昨年の竹内清海市議の資格審査特別委員会のゴタゴタから続く、異常事態ともいえる所属会派の異動と新会派結成で、創生が市議会与党から転落したことも要因だ。
■日和見の離党組
本紙の取材に対し、田中市長は明確に否定したが、議長選を控えた議会や市役所内部では、田中市長が「創生から議長を出すな」と働きかけていることが、伝えられていた。
創生は、「離党、離脱組憎し」よりも、親市長会派が主導権を握ると、市政運営に歯止めが利かなくなるとの姿勢で一貫している。だからこそ、市民クラブ、共産党、無会派でも集票力のある議員が、同調している。
創生第1と第2を合わせれば、自民党は、公明党を上回る最大勢力を堅持。離党組の中には、支持者から批判されて復党を画策、参院選で自民党候補を応援し、選対幹部に復党をほのめかす例もある。
会派離脱や議長選での投票行動から、日和見的な復党は容易ではないが、次期市議選に向け、支持者や保守層離れは致命的だ。
■自公連携の行方
本紙6月21日付1面「市川市 自民離党組から新議長」でも触れたが、田中市長が″市長与党〟に位置づける公明党も、党や支持者の意向で、市民目線の判断が優先される。
田中市長は参院選後の政局に触れながらも、「自民、公明が国政と連動し、市政運営をしていく態勢が望ましいと今も思っている」と強調した。
6月議会では、市長への「議会の独立性と二元代表制の本旨を正しく理解するよう求める決議」は否決されたが、「寄らば田中市長の陰」一辺倒の会派は、有権者の洗礼を受ける可能性もある。
組織の論理として、議会、市役所には、田中市長のイエスマンが増えてくるだろう。市政が市民の信頼を得るには、能力のある会派、議員が是々非々で、田中市政と対峙できる態勢が不可欠だ。
ページのトップ