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市川市 自民離党組から新議長
市議会勢力「政党系」「親市長派」で二分
公明は重要局面での適正判断に期待
市川市の6月定例市議会が開幕し、新たな議長に未来市川の大久保貴之氏が選ばれた。投票では42議席・会派を二分し、創生市川・自民党第1、同第2、市民クラブ(立憲民主党ほか)などが支持した日本共産党の清水みな子氏の20票に対し、公明党、新しい流れなどが推す大久保氏が21票の1票差で決まった。国政選挙を控える中での「自民と公明の分裂」が鮮明になったほか、次期市長選に向け、創生離脱・自民離党組の公認問題や保守票の動向が、注目される。
■寝返り、無効票も
投票は、6日の開会日と9日午前に、各会派の代表者会議と議会運営委員会を断続的に開いた後、稲葉健二議長の議長辞職願提出を受けて、同日午後に行われた。投票者名の記載はなく、投票用紙に候補者名を書く無記名投票で、即時開票された。
本紙の取材では、清水氏には、創生第1、同第2、市民クラブ、共産党、無会派のうち旧無所属の会、旧市川維新の会(うち1)、旧共生の会―が投票。
大久保氏には、公明党、未来市川、新しい流れ、地域政党チームいちかわ、無会派のうち旧参政党、旧れいわ新選組―が投票した。
故意かどうか不明だが、候補者名が判読不能な無効票が1票あったほか、投票段階で急きょ、大久保氏に変更した票もあり、結果を左右した。
■議会運営混乱も
創生第1、第2は当初、独自の候補を準備していたが、清水氏への投票で一本化した。
議長選後に、清水氏に投票した徳武純平、増田好秀両氏に、大久保氏に投票した門田直人氏が加わって新会派を結成しており、今後の市議会の勢力は、議長選の投票結果と同様、真二つに割れる構図。
大久保氏に投票した中には、田中甲市長に近く、市政へのチェック機能が弱い会派も含まれており、今後、議会運営が混乱する場面も予想される。
一方で今回、大久保氏側に回った公明党は、2月定例議会で、田中市長肝いりの独自事業だった結婚前の同棲カップルの家賃などの補助事業に対し、同事業を削除した修正案に賛成し、可決させている。
このため、市政の重要局面では、公明党が政党系主要会派の一つとして、市民重視の目線で是非を適正に判断し、キャスティングボードを握ることが期待される。
◇
副議長には、新しい流れの西牟田勲氏が選ばれた。
現行の市議会会派は、公明党(8)▼創生市川・自民党第1(7)▼未来市川(5)▼創生市川・自民党第2(4)▼新しい流れ(4)▼日本共産党(3)▼市民クラブ(3)▼地域政党チームいちかわ(3)▼れいわ・無所属・共生の会(3)▼無会派(各1の計2)―。
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