地震と津波の被害を受けた方々に、お見舞いを申し上げます。
市川市と浦安市内の最新の情報については、市役所のホームページや登録者向けメール、市が発信するツイッターなどを参照して下さい。
今週は4ページです。
次週休刊のおしらせ
「市川よみうり」は毎月第1―4週土曜日の発行です。
今月第5週(8月30日)は休刊となります。
市川から平和への願いを込めて
子供たちが戦争を学ぶ
防空壕を体験する親子
市川市中央こども館で「子どものための平和展」が15日まで開かれ、写真展示や各種疑似体験などを通じて子供たちが戦争について学んだ。
会場では、戦時中に訓練を受ける子供たちの様子や、当時の生活風景の写真、遊び道具などをパネルにして紹介。戦争について書かれた絵本も展示された。防空壕や、兵士たちの無事を祈って当時作られていた「千人針」の体験コーナーも設置。戦争犠牲者を慰めるためのミニ灯籠作りなどのイベントも行われた。,br>
疑似体験用の防空壕は、真っ黒に塗られた段ボールで囲まれた暗くて狭い空間。子供たちが中に入ると、空襲警報や銃弾の音が流れる。参加した4年生の男の子は「昔の人を思うと悲しくなった。中は真っ暗だし、サイレンの音も怖かった」と顔をこわばらせていた。
ミニ灯籠作りでは、子供たちが牛乳パックと和紙を使って灯籠作りに挑戦。出来上がった灯籠には、「平和が続き、家族が幸せに暮らせますように」「戦争がない幸せな生活が続きますように」などそれぞれの思いをつづり、平和を願っていた。
市内5カ所で鐘の音響く
平和への願いを込めて鐘をつく子供たち
終戦の日の8月15日、市川市ユネスコ協会(吉崎晴子会長)主催の恒例イベント「平和の鐘を鳴らそう」が今年も市内の5カ所で開かれ、訪れた子供たちや通りがかりの人など多くの参加者が鐘の音に平和への祈りを込めていた。
終戦の日の正午ちょうどに一斉に鐘を鳴らすこのイベント。ユネスコの提唱で国連が「平和の文化国際年」と宣言した2000年から毎年続けられており、今年もJR市川駅と法華経寺、弘法寺、徳願寺、妙行寺の5カ所で行われた。
地元の小学生とその保護者など約50人が参加した法華経寺では、終戦時に小学4年生だったという同寺の新井日湛貫首から戦争などについての話を聞いてから、鐘をつく準備を開始。正午ちょうどになり、子供たちが「1、2の3」という掛け声に合わせて鐘を鳴らすと、大きな鐘の音が一帯に響き渡った。
子供たちは、その大きな音に驚いてとっさに耳をふさいだりしていたが、いつまでも続く余韻を聞いているうちに皆どこか神妙な面持ちに変わっていった。市立中山小2年の男の子は「心臓に響いた。最初は音がでっかくてびっくりしたけど、慣れるとなんか気持ち良かった」と笑顔。同鬼高小6年の女の子は「心に直接響くような音だった。聞いていて、もう戦争は起こさないようにしたいと思った」と、平和への思いを新たにしていた。
JR市川駅では、同協会が用意した小さな鐘を参加者が一人ずつ鳴らした後、東日本大震災で被災した子供たちを支援するための募金活動も実施。炎天下、市内の高校生を中心とする参加者たちは「東日本大震災子供支援募金にご協力お願いします」と声を張り上げ、通り過ぎる人たちに協力を呼びかけていた。
被爆者が体験談伝える
被爆当時の様子を話す児玉さん
市川市生涯学習センターで10日、市内在住の被爆体験者による講和会が開かれ、7歳の時に広島で被爆した児玉三智子さん(76)が、来場者約20人に原爆投下時の街の様子など悲惨な経験を話した。
児玉さんは、爆心地から約3・5㌔地点の小学校で被爆したことや、家に戻る途中に焼けただれた被爆者から「水が欲しい」と助けを求められたこと、被爆後に黒い雨が降ったことなど、当時の状況を述懐。「悲惨な死に方をしたみんなの姿や、同じくらいの年の女の子が目で助けを訴えてきたことが、いまでも目に焼き付いて離れない」と声を震わせた。
被爆者であることを理由に結婚や就職を断られるなど、成人になってからも原爆に苦しめられたという児玉さん。「私のような経験はもう誰にもしてほしくない。私たちが、未来の子供たちに平和で安全・安心な世の中を手渡せるよう、これからも核兵器廃絶に向け努力しなければならない」と力強く訴えた。
児玉さんの話を聞いた粕谷ちいさん(70)は「戦争は遠い国の話と忘れかけているのが恐ろしく感じた。戦争の経験を後世に伝え続けていかなくては」と話していた。
同講和会は、同センターで15日まで開かれた市の平和展の一環で、13日と15日にも行われた。
家族で花摘みを楽しむ
柏井 10本100円 自由に花摘み 北方
最新機器の説明をする大平さん
市川市農業士等協会が管理する北方花摘み園(北方町4の1989の1)と柏井花摘み園(柏井町2の889の1)が今年もオープンし、マリーゴールドやヒャクニチソウ、ヒマワリ、コスモスなどの花摘みを来場者たちが楽しんでいる。
両園は、同協会が遊休農地の有効活用を目的に平成9年に開設。近年では、花の育成に近隣の市立柏井小の子供たちも協力している。
種まきは2回に分けて行われたため、両園とも第一陣の花は多くが摘み取られたり、見ごろを越えてしまったりしているが、第二陣の花はこれから。両園では今後、すべての花が終わる9月下旬までの毎日、10本100円で誰でも花摘みを楽しむことができる。
問い合わせは市農政課(☎711・1141番)。
市川市コミュニティバス南部ルート
10月から運賃150円に値上げへ
北東部はルート一部変更
国交省に認可申請
市北東部と南部でコミュニティバスを運行している市川市は、北東部で往復ルートを北総線松飛台駅まで延伸させるなど一部ルート変更するとともに、南部ルート(わくわくバス)の中学生以上の運賃を現状の100円から150円に値上げする。変更時期は10月1日からの予定で、現在市は国土交通省に認可を申請中。運賃の変更は、平成17年からの社会実験運行期間を含めて初めて。
北東部ルートは、鬼高の県立現代産業科学館から市動植物園までを往復するルートと、JR市川大野駅や大柏出張所、東部公民館、姥山貝塚公園などを循環するルートがある。
往復ルートは、東部公民館付近のルートを一部変更して東部公民館入口バス停を設けるとともに、終点を動植物園から松飛台駅まで延伸して途中の市営大町第一団地前など3カ所にバス停を設置。大町第二、第三団地への乗り入れも要望が多かったが、道路が狭い場所があり断念した。
循環ルートは、京成バス柏井線とルートが重複している市営霊園入口バス停から柏井市営住宅バス停までの区間を廃止してルートを短縮する。短縮ルート上には、新たに浜道バス停と柏井緑地バス停を設置。中山地区や船橋法典地区も京成バスと一部ルートが重複しているが、バスが通行できる他の適切な道路がないため、現状のまま運行する。
南部ルートについては運行経路に変更はないが、市川市コミュニティバス運行指針で「運賃体系は路線バスと同程度にして路線バスの利用者減少を防ぐ」旨が定められていることから、現在小学生以上100円となっている運賃について検討。170円に設定されている民間路線バスの初乗り運賃や、市ホームページで実施したアンケート結果、コミュニティバスの採算性などを考慮し、中学生以上の運賃を150円に設定した。小学生は現状と同じ100円。運賃値上げに伴い、PASMOやSUICAなどのICカードが利用できるようになる。
ダイエーと村井社長を告発
浦安市の市民2人
土壌汚染対策法の届け出を巡り
ダイエーが店舗建設を進めている浦安市北栄3丁目の土地から六価クロムとヒ素、フッ素の特定有害物質が最大で基準値の約19倍検出された問題で、浦安市民2人が18日、土壌汚染対策法で定められた届け出を故意に行わず同法に違反したとして、ダイエーと村井正平社長を千葉地方検察庁に告発した。汚染された土壌の拡散を防ぎ、国民の健康を保護する同法の目的を軽視していると訴えている。
告発したのは浦安市民有志で組織する浦安元町発展委員会の会員。同会は、大地震が発生した時に同市元町地区に避難場所が少ないことから市がダイエーに賃貸した土地を防災公園にすることを訴えているほか、同社が土壌汚染対策法に違反していると県に指摘したことで同法に基づく指定調査機関による調査につなげるなど活動を続けている。
土壌汚染対策法は、土壌の汚染状況を把握し、健康被害を防止するための措置を定めた法律。土地の掘削などにより形質変更する土地の面積が3千平方㍍以上になる場合には、形質変更に着手する日の30日前までに、変更の場所と着手予定日を県に届け出なければならない。
告発状によると、同社は県に対して面積を「3千平方㍍以下」と回答し、届け出を行わなかった。浦安市に対しては「2088平方㍍」と回答した。工事着手後には、同社の自主調査で特定有害物質が検出されたが、六価クロムなどが検出された土は埋め戻している。
同社が店舗の建設地として市から賃借した土地は以前は駐車場で、アスファルトで舗装されていた。建築概要書では敷地面積が5099・41平方㍍、建築面積は3543・79平方㍍。同社は届け出なかった理由を「路盤材の撤去は施工上の軽微な行為と解釈した」と説明しているが、告発者は「そもそも建築面積が3千平方㍍を超えている以上、形質変更が3千平方㍍未満になることはありえない」と指摘。また、店舗面積は1階と2階を合わせて2087・99平方㍍であり、同社が市に回答した数字が「店舗面積と一致している。回答として適切ではなく、おかしい」と訴えている。
同法では、この届け出を受けた場合、土壌汚染の恐れがある、または、土壌汚染により健康被害が生ずる恐れがあると知事が認めると、指定調査機関による調査を行わなければならなくなる。この調査の結果、土壌の汚染状態が指定基準を超過した場合には、要措置区域(健康被害が生ずる恐れがあり、汚染の除去などの措置が必要)、あるいは、形質変更時要届出区域(健康被害が生ずる恐れがなく、汚染の除去などの措置は不要)に指定される。
告発者は、「ダイエーが届け出を怠ったことは、調査の契機を失い、今後長期間にわたり汚染状況を確認できない状況を生む。そればかりか、汚染の拡大を生み出すことにもつながる。届け出を怠れば、知事の調査命令が出されることがなくなり、汚染除去を求められる要措置区域に指定されるリスクも回避できる。日本有数の小売業者であるダイエーが基本的な事項の解釈を誤るとは考えられず、故意があったことは明らか」としている。
同法では、第4条の届け出をしなかった者は3月以下の懲役、または30万円以下の罰金に処すると規定されている。
愛犬も一緒に参加できる
動物になってパレードしよう!
浦安フェスティバル 参加者募集
動物仮装のイメージ
うらやす観光推進協議会は、9月7日午後5時から浦安フェスティバルのパレードの一つとして行う「URAYASU仮装パレードANIMAL ver.」の参加者を募集している。無料。
動物に仮装して参加するパレードで、耳付きの帽子やカチューシャ、尻尾付きのベルトなどワンポイントの仮装でも可。自分が仮装したうえでペットの犬に被り物や服を着させても参加できる。付き添いやカメラマンなども仮装が必要。パレードは、アコーディオン奏者とキッズダンサーが盛り上げる。
受け付けは当日午後3時―同4時に明海大講義棟、ペット連れの場合は同時刻に日の出公民館の駐車場。
小学生以下の子供にはフェイスペイントとバルーンを無料サービス(各先着200人)。フェイスペイントは当日午後2時―同4時に同講義棟で、特殊メークを学ぶ専門学校の生徒が実施。整理券は当日午後1時に同講義棟で配布。バルーンは前日6日午前10時―午後4時に総合公園特設テントでバルーンに絵を描き、当日午後2時―同4時に同講義棟でヘリウムガスを注入する。
ペット連れの場合は狂犬病予防注射済み票が必要。生理中や生理後1週間を経過していない雌犬は参加不可。伸び縮みするリードは使用不可。
また、参加者に仮装写真をインターネットにアップしてもらい、仮装コンテストも実施。詳細は当日に告知。
パレード事務局は「漁村だった浦安は自然や動物とともに生きてきた。大人も、子供も、ワンちゃんもみんなで一緒に楽しみましょう」と参加を呼び掛けている。
突発する災害のリスクは…
市川市、防災講演会の参加者募集
市川市は市消防局(八幡1の8の1)で30日午後1時半~同3時半、防災講演会「突然発生する災害のリスク」を開く。無料。申し込みは不要で、当日先着180人。
同講演会は、市民一人一人の防災力の向上を目的に毎年度実施している。今回の講師は、日本経済大院の仲間妙子准教授。近い将来の発生が懸念されている首都直下地震や、ゲリラ豪雨などの風水害、感染症などをテーマに挙げ、最低限必要な知識や対策について分かりやすく解説する。
問い合わせは市地域防災課(☎704・0065番)。
社会の仕組みを疑似体験
イベント参加者もスタッフも子供たち
27日 南八幡こども館でプチ☆いちかわ
追い込み作業に励むこどもスタッフたち
市川市南八幡こども館(南八幡2の20の1、勤労福祉センター内)で27日午後2時から同4時まで、社会の仕組みを子供たちが疑似体験できる人気イベント「ミニいちかわ」のミニチュア版「プチ☆いちかわ」が開かれる。同イベントの準備には、「こどもスタッフ」として参加する子供たちが大活躍。追い込み作業に没頭するこどもスタッフたちは、本番が近付くにつれ、期待や興奮を徐々に高めているようだ。
NPO法人市川子ども文化ステーションが平成15年から始めたミニいちかわは、子供たちだけが暮らす街の中で子供たちが働き、その街の中だけで使用できる通貨を稼いで、ほかの子供たちが働く店で買い物やイベントなどを楽しめる。社会の仕組みを疑似体験できると好評で、毎年大勢の子供たちが参加。今年も9月27日と翌28日に県立現代産業科学館、10月4日と5日に市行徳駅前公園でそれぞれ開かれる予定。
同NPOの協力の下、同こども館で初開催となるプチ☆いちかわは、ミニいちかわに比べて会場が小さく、本物の飲食物の販売などはないが、仕組みはミニいちかわとほぼ同じ。「職安」で職を探すか自ら起業して通貨を稼ぎ、その通貨を使って街の中で自由に遊ぶことができる。
準備に励んでいるのは、小学1年~4年のスタッフ14人。先月末から週に1回程度会議を開き、どんな街にするか、どんな店を開くか、店を開くためにはどんな物が必要かなどを話し合ってきた。会議のない日にもこども館を訪れ、スタッフ以外の子供たちにも協力してもらいながら、店で売る商品や当日必要な小物などを制作。本番に向け、着々と準備を進めている。
こどもスタッフの早川智陽君は「(準備は)結構大変だけど、やっていて楽しい。(本番に向けて)緊張しているけど、楽しみ」と当日が待ちきれない様子。同じくこどもスタッフの工藤実弥さんは「リアルな街になると思う。きっと楽しいことがいっぱいあるよ」と、多くの来場を願っている。
参加は無料で、申し込み不要。対象は、こども館の利用と同じく18歳未満の市内在住者とその保護者で、未就学児は保護者同伴。
問い合わせは同こども館(☎376・1118番)。
市川手帳
「食後の一服がたまらない」。そんな言葉をとんと聞かなくなった。それだけ喫煙者と、喫煙できる店や場所が減ったのだろう▼今月から、外食産業大手の日本マクドナルドが全店舗を禁煙化した。理由は「よりきれいな空気と健康に配慮した環境」の提供と「従業員の労働環境の向上」という▼1980年以前だっただろうか、国鉄車内には灰皿があり、喫煙できていたと記憶している。だがその後、禁煙の場所は車内、ホーム、さらに駅前を中心に街中にも広がった▼健康志向は、欧米でも日本でも大きな流れ。たかだか数十年のことではあるが、タバコを吸う人にも吸わない人にも隔世の感があるのではないだろうか。人々の価値観と街の変化は、意外に大きく、速い。
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