地震と津波の被害を受けた方々に、お見舞いを申し上げます。
市川市と浦安市内の最新の情報については、市役所のホームページや登録者向けメール、市が発信するツイッターなどを参照して下さい。
次週休刊のおしらせ
「市川よみうり」は毎月第1―4週土曜日の発行です。今月第5週(3月29日)は休刊となります。
色とりどり 東洋蘭にうっとり
来場者たちが東洋蘭の美しさをじっくりと堪能
市川市消防局で8日と9日の2日間、市川市消防局花と緑の愛好会主催の「第29回東洋蘭展示会」(市川東洋蘭愛好会共催)が開かれ、約350人の来場者たちが会場を彩る東洋蘭の美しさにうっとりと見入っていた。
同展示会は、東洋蘭を愛する両会の会員約50人が1年間手塩にかけて育ててきた東洋蘭の鉢植え約200鉢を展示。白や黄、赤、緑など、色とりどりに咲き誇った東洋蘭が出そろった。
両日とも晴天に恵まれたこともあり、会場には絶え間なく人々が訪れ、一つ一つの鉢植えをじっくりと観察。写真を撮ったり、花の香りを楽しんだり、両会の会員に東洋蘭の育て方を教わったりしながら、花に囲まれた休日のひと時を堪能していた。
また、会員たちが育てた東洋蘭の鉢植えがもらえる抽選会も開催。鉢植えが当たった女性は「派手な西洋蘭に比べて楚々と咲く東洋蘭はかわいらしい。大変そうだが頑張って育てたい」と思わぬ幸運に笑顔を弾けさせていた。
なお、同展示会で集まった募金3万6375円は後日、同市社会福祉協議会に全額寄付された。
「卒園おめでとう」の気持ち
名前の切り抜き文字を贈る
みのり保育園の用務員
園児一人一人を思い浮かべ制作する吉野さん
浦安市のみのり保育園で15日に開かれた謝恩会で、同園の用務員・吉野輝信さんが手作りした、卒園児37人の名前の切り抜き文字が保護者を通じて園児たちに贈られた。
この切り抜き文字は園児一人一人の名前をヒノキの板に勘亭流の書体で書き、電気のこぎりで切り抜き制作。園児と朝夕あいさつし、昔遊びを教えるなど日々接する中で「卒園おめでとうという気持ちを伝えたい」と趣味の切り抜きで記念の品を作ろうと考えた。吉野さんは「小学校に上がっても友達と仲良く健康に過ごしてほしい」との思いを込めたという。文字の切り抜きは、卒園児が机に飾っている様子を写真に撮って持って来たりするなど喜ばれている。
脱原発訴えキャンドルウオーク
放射能から子どもを守るうらやすネットワーク
一人一人がキャンドルを持ち脱原発訴え、被災者を追悼
放射能汚染から子どもを守るうらやすネットワーク(吉川千鶴子代表)は11日、脱原発を訴える「キャンドルサイレントウオークⅰnうらやす」を東西線浦安駅周辺で行った。
同ウオークには未就学児から高齢者までの約60人が参加。それぞれ手にキャンドルを持ち、大人による「子供たちが安心して元気いっぱい外で遊べる日が来ますように…」、子供による「げん発さいかどう反対」など、参加者それぞれの思いを記したカードが掲示されたプラカードを掲げ、脱原発の願いと被災者への追悼の思いを表して歩いた。
小学生と幼稚園児の子供を持つ吉川代表は「東日本大震災から3年。浦安で被災した人の中にも口にできないつらい思いがあるだろう。そうした思いを静かに吐き出せるようにと、この行事を企画した。これからも放射線測定を続けていき、子供の安全を守るための活動を続けたい」と話していた。
六価クロム、基準値の19倍
ダイエー浦安店出店予定地
浦安市は公表せず
市川市の未就学児の数は、就学時期が近づくにつれ減っていく―。市川市の人口統計を分析すると、こうした傾向が見えてくる。近隣にも同じような傾向を示す自治体はあるが、その中でも市川市は特にその傾向が際立っている。
大手スーパーのダイエーがダイエー浦安店(仮称)の整備を進めている浦安市所有の土地(北栄3丁目)から、基準値を超える有害物質の六価クロムやヒ素、フッ素が検出されていたことが分かった。六価クロムは最大で基準値の19・4倍。汚染が判明した土壌はすでにガイドラインにのっとって土壌汚染処理のための搬出と同地への封じ込めによる埋め戻しが行われた。市は、基準値を超える有害物質の検出を昨年9月上旬には把握していたが、「適正な処理を行う予定で、市民に余計な混乱を招かないように公表しなかった」としている。
有害物質を検出した地質分析調査は、土砂を搬出する必要があったことから実施したもので、千葉県土砂等の埋立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例(残土条例)に基づく。工事を請け負う塩浜工業が昨年8月26日に調査機関に依頼した結果、同9月4日に基準値を超えるヒ素が検出された。そのため、同11月から昨年末までかけて、100立方㍍ずつの29検体で調査を行い、今年初めまでに六価クロムは7カ所で基準値の1・6倍~19・4倍、ヒ素は15カ所で同1・1倍~1・9倍、フッ素は1カ所で同1・1倍が検出された。六価クロムはアスベストと並ぶ強い発がん性物質で、皮膚などに付着すると皮膚炎や腫瘍を発生させ、長期間体内に蓄積されると肝臓障害やさまざまながんを引き起こす。ヒ素は死に至る猛毒で、飲み込むとショック死も引き起こす場合がある。フッ素は、過剰摂取によってさまざまな障害を引き起こすという指摘がある。
有害物質が検出された16検体のうち8検体は土壌汚染処理のため同建設地から搬出され、残りの8検体は同地に埋め戻された。埋め戻しに際しては、土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドラインにのっとって、直接手に触れることのないよう地表との間を50㌢以上確保。また、地表を舗装している場所では舗装を10㌢以上確保する処理をしているという。
有害物質が検出された場合、土壌汚染対策法の対象事業については公表義務があるが、同事業は同法の対象外。県残土条例の対象ではあるが、同条例では公表義務はない。
土壌汚染処理などの費用については、市と同社の土地賃貸借契約の瑕疵責任に基づき、市が29検体の調査費と土壌汚染処理のための搬出費の合計約4千万円を負担した。
なお、同店の建物には市立猫実保育園が、大規模改修を行う期間に入居することになっている。同店のオープンは当初3月5日の予定だったが、市や地域住民から出された車両出入り口など交通計画の改善要求への対処と、土壌汚染調査の実施の影響で遅れており、当初の2~3カ月後の見込み。市は「猫実保育園を一時移転することが土地賃貸借の大きな目的。そのためにも6月までの開店を求めている」という。
大洲小と宮久保小の児童
選手とともにラグビーの魅力味わう
トップリーグの2チームが指導
子供たちと選手がパス交換で交流を深める
ラグビーのトップリーグに所属するクボタスピアーズとNTTコミュニケーションズシャイニングアークスの選手がこのほど、市川市内の小学校を訪れ、タグラグビーを通じて子供たちと世代を超えた交流を深めていた。
同市にゆかりの深い両チームが地域貢献の一環として昨年から始めたこの取り組み。スピアーズは先月13日に市立大洲小、シャイニングアークスは3月3日に同宮久保小をそれぞれ訪れた。
シャイニングアークスの選手16人は、宮久保小の4年生約130人を2グループに分けてそれぞれ1時間ずつ指導。ショートパスを出し合うトレーニングや、タグを多く集めたチームが勝利するゲームなどで体を温めてから、実際に試合を行い、ラグビーの楽しさを教えた。
子供たちは、陽気な選手たちとの交流を通じてラグビーにみるみる熱中。ナイスプレーが飛び出すたびに選手と笑顔でハイタッチを交わしたりしながら、ラグビーの魅力にのめりこんでいた。男子児童は「初めは難しかったけど、慣れてくれば楽しい」と笑顔で話していた。
❀5日、6日にイベント開催
週末はライトアップ 里見公園桜まつり❀
市川市里見公園(国府台3の9)で29日から4月13日まで、恒例の「里見公園桜まつり」(同まつり実行委員会主催)が開かれる。
ソメイヨシノやオオシマザクラなど約260本の桜が植えられている同公園は、市内有数の花見スポット。シーズンには毎年多くの花見客が訪れている。
このまつりは、同公園の桜の開花に合わせて毎年開催。今年も園内にまつりの雰囲気を盛り上げる提灯を飾り、4月4日と翌5日~13日の土・日曜日は、夜桜を楽しめるように午後8時まで桜をライトアップする。5日と6日の午前10時~午後3時には、ダンスやマジックショーなどの市民ステージや、草花の販売や抽選会、花の種の無料配布など、各種イベントを実施。県道市川松戸線から同公園に向かう道路の脇には、地元商店会が模擬店を多数出店する予定。
問い合わせは市みどり管理課(☎332・8744番)。
親子向けミュージカル
「面白く感動する物語です」
劇団ヒラガナ『初恋ロボット』
公演に向けて稽古に励む出演者たち
市川市教委は24日午後2時半から、ミュージカル「初恋ロボット~Song for you」を同市行徳文化ホールI&I(末広1の1の48、東西線行徳駅から徒歩約5分)で上演する。
市主催の市民参加ミュージカルにも取り組んできた劇団ヒラガナの公演。行徳地区の親子の学びの場であるみのり家庭教育学級の一環として上演されてきた演劇。今回はオリジナルソングを多く取り入れ、ミュージカル化した。
物語は、主人公のリカ(7歳)が家庭や学校で家族や友達などと過ごす中で成長していく姿を描く。ポンコツロボットも登場する。脚本・作詞・演出は同劇団の矢代順代表。
ヒロイン役の佐藤柚紀さん(15)、ヒロインの友達役の真田大誠君(11)は市主催のミュージカルに参加して舞台に魅力を感じ、同劇団に入団。物語について佐藤さんは「女の子がロボットとの交流を通じて成長していく。どのキャラクター目線で見ても楽しめる。ダンスも激しくて見どころ」、真田君は「面白くて感動する物語。キャラクターすべてに癖があり、そこに注目して見てほしい」とアピールし、来場を願っている。
観覧無料。定員は当日先着400人。
問い合わせは市教委生涯学習振興課(☎379・2480番=当日のみ)。
全国の模範の証「表彰旗」受賞
浦安市消防団
表彰旗の受賞を喜ぶ左から熊川浩一郎副団長、平林団長、鈴木政高副団長、松崎市長、大川三敏副団長
浦安市消防団(平林清重団長)がこのほど、日本消防協会の定例表彰で表彰旗を受賞した。消火活動や東日本大震災での活動などが評価された。同団が表彰旗を受賞したのは47年ぶり2度目。
表彰旗は、平常時と災害時の活動で全国の模範となる活動を行った消防団が対象。同団は火災発生時の活動と日々の訓練、少年消防団に対する指導、東日本大震災における活動が認められた。
特に同団は、火災発生時には、市消防本部職員と同等に消火活動に従事する。都市部の消防団は消防職員の後方支援の位置付けとなる場合が多く、千葉県北西部の消防団で前線に立って消火活動に従事する消防団はほかにない。こうした活動も大きく評価された。
表彰式後に松崎秀樹市長に受賞を報告した平林団長は「これからも全国の模範となるように努めていく」とあいさつ。松崎市長は「この受賞をはずみとし、今後の浦安市民の安全を守り続けてほしい」と、浦安の守りの要の一つとして活躍に期待していた。
この道50年、業界存続にも奔走
べっ甲職人・松本仙翠さん
製作所で作業する松本さん
飴色と濃い茶色のまだら模様が美しく、光り輝くべっ甲細工。市川市在住の松本仙翠さん(68)=「人」欄紹介=は全国でも数少ないべっ甲職人の1人で、べっ甲メガネを作り続けて50年。近年は、べっ甲業界の存続のため、べっ甲の原材料であるタイマイ(ウミガメの一種)の養殖活動にも積極的に取り組んでいる。
タイマイの甲羅や爪などを加工するべっ甲細工は、16世紀に長崎でポルトガル人から伝えられたといわれている。タイマイはほとんどが高額で売買される輸入品だったため、べっ甲細工は当時から庶民には高嶺の花だった。
松本さんは、2代目の父・茂さんが市内で開いた「松仙べっ甲製作所」を営む3代目。初代の祖父・仙太郎さんは東京・両国でべっ甲職人として商売を始めたが、東京大空襲で被害を受けたため同市に引っ越してきた。
芸能人や外国人などのメガネを作っていた父に小学生の頃から憧れていたという松本さん。その頃から跡を継ぐ決意をし、作業する父の姿を見ながら技法を学んだ。その父が病気で倒れ、19歳で跡を継ぐと、長い研究の末、べっ甲に特殊な染料で色や文字を付ける技法を開発。「この仕事は誰かに教わるのではなく、全て試行錯誤して自分なりの技法を編み出す」と松本さん。べっ甲に色づけができる職人は全国に4、5人しかおらず、技法もさまざまだという。
松本さんの作品は高く評価され、昨年秋には他の模範となるような技術を持つ人に贈られる黄綬褒章を受章した。松本さんは「これからも常に新しいものを生み出さないと置いていかれる」と、いまでも本や雑誌などからアイデアを探して、技術の向上を追求している。
ただ、べっ甲業界はいま存続の危機にある。絶滅危惧種の国際取引を規制するワシントン条約で平成5年以降はタイマイが輸入できなくなったため、現在日本のべっ甲細工のほとんどが、それ以前に輸入した在庫で製作されている。松本さんは「職人の中には、材料がないから続けたくてもやめる人や、後継者を作らない人が多い。このままだと日本のべっ甲職人がいなくなる」と危機感を抱く。
このような状況を受け、べっ甲職人が中心となり、「べっ甲の伝統を守りたい」と、平成4年に社団法人日本べっ甲協会が発足。国内でタイマイを継続的に増殖・養殖・保護できるように調査・研究を行っているが、実現にはまだ時間がかかるという。松本さんは現在、同協会の会長を務め、「養殖が成功し、次の世代に引き継げたら」と、べっ甲業界を守るために日々活動している。
市川手帳
去る18日に強い風が吹いた。春一番。今年は昨年より半月ほど遅いらしい。立春から1カ月半経つが、本当に春めいてきた▼この時期、動物たちは冬眠から覚める。ツキノワグマは3月下旬~4月中旬、シマリスは4月~5月といわれる。寒さ厳しい季節を乗り越え、動物たちは活動を始める▼睡眠は必要な休息で生理現象。仕事の締め切り間際に徹夜をすれば次の日に影響する。睡眠を完全に妨害する実験をしたラットは死んでしまうという結果もあるというのだから怖い▼夜はまだ寒さがあるが、厚いコートを脱いだ人も増えた。もちろん北風の力ではなく太陽や南風の力。新生活が始まる季節。「春眠暁を覚えず」だからと甘えずに、春を思う存分楽しみたい。
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