地震と津波の被害を受けた方々に、お見舞いを申し上げます。
市川市と浦安市内の最新の情報については、市役所のホームページや登録者向けメール、市が発信するツイッターなどを参照して下さい。
施工は100戸単位〝全戸合意〟が課題
浦安市 今月末から本格着手
浦安市は今月末から、道路などの公共施設と宅地の一体的な液状化対策事業に本格的に着手する。24日に全体説明会を開くとともに、液状化被害に遭った全戸向けアンケートを実施し、今年度中に3地区を上限とした事業計画案の策定を目指す。ただし、市は事業区域の戸数を100戸以上とするとともに全戸の合意が必要としており、災害に強いまちづくりに向けて一丸となる地域の住民力を求めている。
面的な対策で液状化に強いまちづくりを進める、道路などの公共施設と宅地の一体的な液状化対策。事業主体となる市は1月末、効果のある工法として格子状地中壁工法と地下水位低下工法を挙げた。概算費用は500戸規模しか示していないが、格子状地中壁工法は100~125億円、地下水位低下工法は25~45億円と維持管理費の年4千~5千万円。
市内の戸建て地区で液状化被害に遭ったのは19の自治会。市は同自治会を対象とした全体説明会(申し込み不要、定員は当日先着400人程度)を24日午後7時から同8時半まで市文化会館小ホールで開くとともに、同自治会全戸を対象とした意向アンケートを今月下旬以降に行う。その後、関心のある自治会で勉強会を開き、住民の組織化や事業区域の選定、意見のとりまとめを目指す。
各地区の液状化対策への参加意向表明は、国の復興交付金制度の事業着手の期限を踏まえて7月ごろを目指しているが、市は「官民の負担割合などの調整を国と行っており、進ちょくは若干遅れている。また、全戸合意には時間がかかると考えている」とし、柔軟に対応する姿勢を示す。
事業計画案は3地区を上限に策定する計画。事業範囲や詳細な地盤調査、液状化対策工法の設計、事業費の算定を、学識経験者などの意見を踏まえて策定する。
なお、両工法とも近接した住宅のすき間で工事を行うために小型施工機械が必要だが、市によると、民間企業ですでに機械の試設計や試験施工が行われているという。
地域として取り組む液状化対策だからこそ、課題は100戸の全所有者の合意が得られるかどうか。国が示す事業要件では、具体的な工法を前提としていないため3千平方㍍、10戸以上で3分の2以上の合意を求めているが、市の要件はさらに厳格。市は、両工法ともに「事業区域内で隙間なく対策を講じなければ効果が得られない。全戸合意が必要」との判断をした。石井一郎副市長は「最も大事なことは、地域住民が液状化に強いまちづくりに向けて機運を高め、一つにまとまること。宅地は個人資産であるため、実施の要否も含めて所有者一人一人の判断と責任で、近隣所有者と地区の状況を踏まえて選択してほしい」としている。
25、26日に初公演
シニア劇団「波瀾ばんばん座」
公演を間近に控えて出演者たちの稽古にも熱が入る
昨年4月に県内初のシニア劇団として発足した「波瀾ばんばん座」(名倉ゆみこ主宰)の旗揚げ公演「飢餓海峡」が25日と翌26日に市川市文化会館(大和田1の1の5)小ホールで開かれる。同劇団の出演者たちは、間近に控える本公演に向け、最後の追い込みに励んでいる。
豊富な人生経験をもつシニア世代が集まり、演劇でそれぞれの経験を表現するシニア劇団。一昨年には全国から16の劇団が東京に集まり、「全国シニア演劇大会」が初開催されるなど、近年全国的にも広がりを見せている。
波瀾ばんばん座は、さまざまな舞台に立ち続ける傍ら、市の体操教室や朗読教室で講師を務める名倉さんの呼び掛けで発足。昨年4月の結団式以降、市川だけでなく近隣他市からも劇団員が集まり、現在は60歳から78歳までの18人が日々稽古に励んでいる。
団員のほとんどは素人だが、「これが最後の夢だと思う」(谷江喜久代さん)、「子供の頃から舞台に上がるのが夢だった」(山本善一さん)など、それぞれこの劇団にかける熱意は高い。「セリフを覚えるのに時間がかかる」というシニアならではの苦労もあるが、「自分じゃない自分を表現することが楽しい」(川上花枝さん)、「日常生活でも声が出るようになった」(村田年さん)など、劇団員としての活動が新たな自分の発見につながっているようだ。
名倉さんが「出演陣の世代になじみ深いものを」と旗揚げ公演に選んだ作品は、水上勉原作の「飢餓海峡」。演出は、市民ミュージカルやチャレンジドミュージカルなど、これまでに数々の舞台を作り上げてきた吉原廣さんが務める。登場人物が若者中心の作品をシニア世代が演じることになるが、吉原さんは「シニア世代にあえて若者の演技をさせることで、同世代の人がうらやましいと思うような舞台にしたい」と意気込んでいる。名倉さんは「シニア世代が培ってきた経験は本物で、存在感が違う。出演陣がエネルギッシュにチャレンジする姿を見て、特に同世代の人たちにまだやれることを再確認してほしい」と広く来場を呼び掛けている。
公演日程は、25日が午後2時と同6時半から、26日が午前11時と午後3時から。チケットは前売り2千円(当日2500円)。
チケットの予約・問い合わせは同劇団(☎090・6707・4800番)。
8千ベクレル超の汚泥200㌧
国のガイドラインで一時保管
市川市在住の珠算塾講師・鈴木重成さん(40)が、9月にモンゴルで開かれたベンチプレスアジア大会のマスターズ1(40〜49歳)74キロ級で優勝し、マスターズ1の全階級優勝者から選ばれる最優秀選手賞を獲得した。
市川市はこのほど、市内の道路清掃で一昨年4月から今年3月までの間に集積した汚泥約400立方㍍のうち、放射性セシウム濃度が1㌔㌘当たり8千ベクレルを超える汚泥が推計で約118立方㍍(200㌧)あることが判明したと市ホームページで発表した。
8千ベクレルを超える汚泥は国が処理することとなっており、市は二俣にある市の衛生処理場敷地内で一時的に保管する。保管方法は、汚染された汚泥をフレキシブルコンテナバッグに詰め込み、汚染されていない土砂と遮水シートで覆うなど国のガイドラインに基づく。
これまで同市の道路清掃で集積した汚泥は年1~2回、県内の最終処分場に搬送して処分していたが、一昨年の東日本大震災以降は液状化で発生した土砂の処分が優先されたことなどにより最終処分場が確保できず、業者の敷地内で保管されていた。今年3月になって処分先の候補が浮上したことから汚泥の放射能濃度を測定したところ、汚染が判明した。市は、汚染された汚泥の保管場所周辺で定期的に空間線量を測定し、市ホームページで公表する予定。
キャップ集めで「思いやり」学んだよ
大和田小児童 30人分のワクチン送る
1年間かけて集めたペットボトルキャップを前にして充実の笑顔を浮かべる児童たち
市川市立大和田小(笠井啓充校長)先月18日、当時の2年3組の児童約30人が、1年間かけて集めたペットボトルのキャップ2万4545個を、市内で環境活動に取り組んでいる市民団体「NES」に寄付した。このキャップは、同団体から「世界の子どもにワクチンを日本委員会」を経て換金され、世界の恵まれない子供たちのワクチン接種費用に充てられる。
同クラスの担任・福馬伸隆教諭の呼びかけで、昨年4月から始まったこの収集活動。児童たちは、両親や親族に協力してもらったり、家のゴミ箱に捨てられていたキャップを自ら回収したりしながら、それぞれキャップ集めに尽力した。こうして1年間回収活動を継続した結果、ポリオワクチン30人分に相当する2万4千個超のキャップが集まった。回収活動を通して児童たちは「人の気持ちを思いやるようになった」「いたずら好きが収まった」など、さまざまな成長を遂げたようだった。
先月18日に来校したNESのメンバーに集めたキャップを手渡した児童たち。それぞれ充実の表情を浮かべながら、「人のためになってうれしい」「来年からもずっとやりたい」「学校全体でやりたい」など、今後も環境活動を継続していくことを誓っていた。
憧れのスーパーカーに熱視線
現代産業科学館に名車約30台集結
会場に並ぶスーパーカーに来場者が熱視線を送る
市川市鬼高の県立現代産業科学館で先月17日、クラシックカーなど約30台が一堂に会するイベント「第2回クラシックカー・スポーツカーin科学館」が開かれ、ポルシェやランボルギーニ、フェラーリなど、約30台の名車が県内外から集結した。
会場は、スーパーカーがずらりと並ぶ圧巻の光景。何も知らずに近くを歩いていた通行人も思わず足を止めていた。
来場者たちは、普段なかなか見ることができない名車を細部までじっくりと観察。特に子供たちは興奮しきりで、記念撮影をしたり、運転席に座ったりしながら、スーパーカーに憧れの眼差しを向けていた。
入学前、警察官から交通ルール学ぶ
塩焼第2保育園の園児
「赤信号は止まれ!」を学ぶ園児たち
小学校への入学を控える園児に交通ルールなどを学んでもらおうと市川市立塩焼第2保育園(米田ひとみ園長)で先月22日、行徳署による講話が行われ、年長の園児25人が安全な歩道の渡り方などを学んだ。
同園が行徳署に依頼して実施された講話。登壇した署員は図や小道具を使いながら、信号の色の役割や「右、左、右を確認した後に手を挙げて横断歩道を渡る」など、基本的な交通ルールを説明。さらにクイズを取り入れながら、「角を曲がる時は、いったん止まってゆっくり曲がること」「植え込みなど物影から離れて歩けば、悪い人に引っ張られない」「高い建物のそばを歩く時は、上から物が落ちてこないように時々見上げて」など、通学路で想定できるさまざまな危険への対処方法をアドバイスした。
園児たちは出されたクイズに元気よく手を挙げて答えたり、不審者対策の標語を大声で読み上げたりして、楽しみながら交通ルールや防犯を学習。4月からの小学校生活への期待を高めていた。
講話ではほかにも、「きちんとあいさつをする」「物を盗ったら捕まる」「人の嫌がることはしない」など、基本的なモラルも説明された。米田園長は「園児たちには春から安全に登校してほしい。そして、いまの時代こそ、善悪の判断がつく人間に成長していってほしい」と願っていた。
市川のプロサーファー・豊田選手
世界マスターズ選手権出場
昨年の大会で見事な波乗りを披露する豊田さん(本人提供)
市川市出身のプロサーファー・豊田泰史選手(47)がきょう6日から14日まで南米エクアドルで開かれるサーフィンの世界大会「ISA世界マスターズ選手権大会」に日本代表として出場する。出国に先立つ先月28日には市長室を訪れ、大久保博市長から激励を受けた。
兄の影響で中学卒業時からサーフィンを始めたという豊田さん。高校時代には県大会で優勝し、大学時代には大学選手権を2度制すなど、これまでに数々の大会で実績を残している。現在は、大洲でサーフショップを経営する傍ら、現役選手として活躍。昨年は、国内大会を6度制し、同世界選手権45歳以上の部の日本代表の座をつかんだ。
同大会には、世界28か国から35歳以上のトップサーファー約400人が出場。年齢別のクラスごとにトーナメント方式で順位を競う個人戦と、国別対抗の団体戦が実施される。
先月28日に市長室で大久保市長は「メダルを取ってもう一度ここへ来てもらいたい」と豊田さんを激励。豊田さんは「初めての世界大会なのでチャレンジする気持ちが強いが、ずばりメダルを取って帰って来たい」と意気込んでいた。
〝天然のじゅうたん〟人々を魅了
郭沫若記念館で芝桜見ごろ
一面の芝桜を見に多くの人々が訪れている=1日撮影
市川市郭沫若記念館(真間5の3の19)とその前に広がる同記念公園で、ピンクや赤、白のかれんな芝桜の花による〝天然のじゅうたん〟が、訪れた人を魅了している。同館によると見ごろは今月中旬までで、それ以降は、部分的に咲く花を今月いっぱい楽しめるという。
芝桜は、同公園の大部分を覆うように咲き、記念館の裏手までをぐるりと取り囲む。さらにその周囲を菜の花やスイセンの黄色い花が囲み、互いを引き立てている。
近年は、芝桜の評判を聞きつけて多くの人々が訪れる。北方町から訪れた60代の中村清子さんと永島愛子さんは「芝桜のじゅうたんは観光地にあると知っていたが、市川にもこんな所があったなんてびっくり。こぢんまりした庭一面に広がる花がとてもきれい」と見とれていた。
入場無料。開館時間は午前9時から午後5時(記念館の入場は同4時半)まで。記念館は月曜日休館。
問い合わせは同館(☎372・5400番)。
外環道の環境影響予測
外環反対連絡会が見解を発表
平成27年度中の開通を目標に外環道路千葉県区間の整備を進めている国土交通省関東地方整備局と東日本高速道路(NEXCO東日本)はこのほど、同42年を予測対象年次とする同道路の環境影響予測を行い、「二酸化窒素及び浮遊粒子状物質については環境基準を満足し、騒音については遮音壁等を設置することにより環境基準を満足する」との結果を得たと発表した。
予測地点はインターチェンジ(IC)やジャンクション(JCT)、ふた掛け区間など特殊部8カ所。対象項目は二酸化窒素と浮遊粒子状物質、騒音の3つだが、走行車両の加減速を考慮する必要があるICやJCT、矢切交差部の浮遊粒子状物質については、走行パターンに対応した排出係数の設定方法が解明されていないとして除外した。
予測結果は、二酸化窒素と浮遊粒子状物質がいずれも環境基準値以下で、騒音については高さ5㍍~8㍍の遮音壁を設置することで、環境基準値以下となった。
同区間の環境影響予測を巡っては、平成22年12月に県公害審査会調停委員会が調停案を示し、ICやJCTなど特殊部9カ所について模型実験など指定した手法での実施を求めていた。こうした手法は、平成8年に同道路の環境影響評価が行われた際に、県環境影響評価審査会からの答申でも求められていたものだ。だが、国交省とNEXCO東日本は「旧基準に基づく予測・評価を求められており合理性に欠ける」として調停案を拒否。その上で「一部に環境への不安の声がある」として、最新の技術手法を用いた独自の環境影響予測を実施する考えを示していた。
「調停委員会の要求から程遠い」
外環反対連絡会が見解を発表
市川市の外環反対連絡会(高柳俊暢世話人代表)は1日、国土交通省とNEXCO東日本が実施した今回の環境影響予測結果に対する見解を発表した。同会は、今回の環境影響予測が県公害審査会調停委員会の調停案を拒否して実施されたことや、同調停案では模型実験や風洞実験による予測が求められていたこと、今回と同様の予測が平成22年に国交省とNEXCO東日本により実施されてもなお同調停案が示されたことを指摘。「調停委員会が求めた影響予測とは程遠い」とした上で、「8㍍の防音壁を設けても、環境影響評価の時点から一層緩められた現行の環境基準値ぎりぎり」と指摘している。 このページのトップ
市川手帳
新年度に新学期、新たなスタートと出会いの時期を迎え、見ず知らずの人との生活が始まる。得てして相手の様子を探ることになるだろうが、まずは自分の姿勢が大事▼池波正太郎氏はエッセーで「自分の人生が一つであると同時に、他人の人生も一つである」と、時間を守ることの大切さを諭す▼また「第三者の目に映った自分を見て(略)自分という人間を知るわけだ」と、客観的な視点を持つことが自分のこやしになることも指摘する。いずれも、いまから30年ほど前の言葉だ▼氏があえて口にしたのは、かつては当たり前の「常識」だったものが、守らねばならない「作法」になってしまったと感じたからのよう。心機一転の時だからこそ、心に留めたい。
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