市川よみうり

        きょう五日の「こどもの日」は「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」児童福祉の日にあたる。しかし、なかなか、理想どおりにはゆかないもので、子供を取り巻く環境は必ずしも、良好とはいえない▼環境の変化は、なかなか実感としてとらえにくい。それだけに、何かが起こるたび一喜一憂しがちだが、もっと広い視野で、見えにくい部分を見つめる必要がある▼特に、本来はゆっくりとした変革が求められることに対して、急激な変化をさせようとするような行為には、気をつけなくてはいけない。いまでなければならない何かがある▼環境の変化は季節の移ろいにも見られる。あす六日は立夏。だが、早くも四月末、夏日となった地域がある。なにやら今夏は、これまで以上に暑くなりそうだ。
(2007年5月4日)
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        平成十六年度は七十九件。それが昨年度は百八十八件と、大幅に増加している児童虐待に対応するため、市川市は市職員や教諭、関係機関など向けの対応マニュアルをまとめた▼虐待といっても、その定義は分かりにくい。対応方法も個々の事例によって変わってくる。しかし、だからといって手をこまねくばかりでは前に進めない。一歩遅れることで命にかかわることもある▼防止策の一つに、虐待の判断基準や対応方法を統一して早期発見に努めることがあげられる。法律論などでむずかしく考えるより前に、虐待を見過ごさない姿勢をもつことだ▼単純なことのようだが、実際にはそう簡単に運ばない。なにしろ、他者とのかかわりを拒絶する大人が多く、プライバシーの問題もあって、あまり踏み込めない社会になっているから。
(2007年5月11日)
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     五七五の十七音字で構成される川柳。同じように、俳諧が元になっている俳句と違って、季語や切れの制限もないのが特徴。社会風刺や人の心を「うがち・おかしみ・かるみ」という三要素で、自由に表現するだけ▼あまりむずかしく考えなくても詠むことができるだけに、思わずくすりと笑えるものや、身につまされる句があったり…。今年で二十回目を迎えた恒例のサラリーマン川柳。「脳年齢年金すでにもらえます」▼今回の第一位作品。うんうん、同じだね。ついうなずいてしまった。もう一つ。「『ご飯ある』『ツクレバアルケド』『ならいいです…』」。こちらは八位▼コメントは控えたい。なにごともマイナスに考えず、笑い飛ばして人生を楽しむ。自分を見つめ、周囲を観察し、世相の変化を敏感にとらえる。やはり余裕が必要。
(2007年5月18日)
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       夕暮れ時の狭い道が交差する場所で、右側から走ってきた無灯火の自転車と接触しそうになった。ほんの数センチ先を横切っていったが、まったくの無反応▼相手は制服を着た、高校の女子生徒。どれほど急いでいたのかは分からないが、道路は自分一人だけのものではない。自転車も、ときには、凶器となる。乗りこなせるようになれば、簡単に利用でき、実に便利ではある▼だが、子供から大人まで交通ルールを学ぶことなく、運転ができる。その点が、事故の大きな要因にもなっている。多くの利用者のなかで、法令を知っている人はどれほどか▼小さいころから乗り始める。そのときにきちんと教えておけば、多少なりとも違って来るだろうが、その機会も少ない。何事にもいえるが、基本は早いうちから覚えることが大事だ。
(2007年5月25日)
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