ひな祭りの起源は平安時代中期までさかのぼる。このころ、上巳の節句といって三月最初日、自分の災厄を托した人形を海や川に流して無病息災を願う祓いが行われていたた▼また一方に、女の子たちが紙などで作った人形と、身の回りの道具を模した小さなおもちゃを使う「ひいな(人形)遊び」があった。このような行事と遊びが重なったのが、現在のひな祭りの原型だと伝えられている▼もとは、健康を祈願する素朴な行事が、時代とともに華美になってきた。いまでは無病息災に限らず、豪華な嫁入り調度と同じ装備品が並び、幸せな結婚を願う親心を垣間見ることが出来る▼結婚、そして子孫繁栄。社会はまだまだ固定観念に縛られている。しかし、何が幸せか。それは当人の問題。だが、自分では気付かないこともある。MENUへ
(2007年3月2日)
暖かさに誘われて、土の中から虫が姿を見せる時期という「啓蟄」の六日、全国各地からチョウやミツバチの群舞など、春にちなんだ話題が紹介された▼県内でも、例年より十日も早く咲いた千葉市・.青葉の森公園の河津桜が散り始めたという。今年はあまりにも、春の訪れが早すぎるようだ。このように温暖な気候が続くと、ちょっと気温が下がったくらいでも、かなり寒く感じる▼慣れというのは恐ろしいもので、たとえばぬるいお湯にいつまでも浸かっていたい。寒さや暑さを調整したい。そのような環境になじんでゆく。そして、それが当たり前になってくる▼環境はつくられるものであり、また壊されるものでもある。心地良さばかりを求めてゆくと、ひとときの安らぎは得られても、いずれ抜き差しならぬ状況がやってくる。MENUへ
(2007年3月9日)
天ぷら油で走る列車が、いすみ鉄道に登場した。本来は軽油で動くディーゼル車。赤字に悩む同鉄道。沿線の田園地帯には、観光客誘致を図るため菜の花畑がつくられた▼このように、自然環境を整えていることもあって、軽油と使用済み天ぷら油を混ぜた燃料の開発に着手。その結果、加速は劣るが運行に支障はなく、また燃費も軽油とほぼ同じというところまで漕ぎ着けた▼本社のある大多喜町では、同社員やボランティアが沿線に花の種をまき、花のある沿線づくりに協力しているだけではなく、多くの人に車窓からの風景を楽しんでもらおうと協力的だ▼同町職員がボランティアで列車の窓をきれいに磨き、これから咲き誇る菜の花がよりいっそう映えるよう活動している。それは自分の仕事ではない。ただ、みんなのため。MENUへ
(2007年3月16日)
JR東日本と首都圏の交通機関が新しいサービスを開始した。PASMO(パスモ)とSuica(スイカ)を使って、それぞれ違う会社線の列車やバスに相互利用できる▼これまで何枚も定期券を使い分けていた乗り継ぎの利用者にとっては、たしかに便利だ。しかし一方で…。「もうJRに変わっているのに、まだ国鉄といっていた」とは、十七日から国鉄千葉動力車労働組合が行ったストライキ▼案内放送で繰り返された国鉄。安全運転対策強化や労働条件の改善を求めてのストライキ。内房・外房線、総武線などで三日間に約百本が運休、二万人以上が影響を受けた▼安全運転については、同調する部分がある。車両や信号機・ポイントの故障。ときには連続で発生している。利用者の利便性もあるだろうが、サービスの基本はなにか。MENUへ
(2007年3月23日)