市川よみうり

今週の人

ふるさとの懐かしさ感じる

浦安市からガーナへ自転車の寄贈に貢献
石田 玲子さん

     4歳の女の子が、さびついた自転車をていねいに磨いている。『私の宝物なの』。2年前、ガーナを訪れた時に見た光景が忘れられない。
 ガーナとの関係は偶然。以前、ホームステイを受け入れた時から出会うのはガーナ人ばかり。経営する英会話教室で一緒に英語を教えている。その縁で降り立ったガーナは「懐かしい。ふるさと岩手のよう」。赤い土に深い緑の森、やさしく声をかけてくる人々…。「海外では心細くなるのに、安ど感を感じたんです」。
 日本では粗大ごみでも、ガーナでは宝物になる。引き取り手のない放置自転車を送ることを思いつき、市との交渉は2か月。当初の300台も、結局は470台にまで増やしてもらえた。英会話教室からも生徒父兄の協力を得て洋服や食器、靴、コンピュータを送る。40歳。将来は、「ガーナに日本語教室をつくって、生活を半分移したいな」。
(2007年2月2日)
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今週の人

「おばあちゃん」「無理しないで」が大嫌い

93歳でボランティア活動に奔走する
橋本 治子さん

    大正2年生まれ。「この年になって、人のお世話をさせていただけるのはとても幸せなこと」。
 一昨年夏から始めた月に2〜3回の高齢者慰問ボランティアに、休みなく参加している。
 きっかけは、近所の人が脳梗塞で倒れたこと。「私はまだ元気。自分にできる、人の役に立てることはないかしら」と、近くに住むボランティア活動家を頼った。
 きれいな通る声、足腰が丈夫な秘けつは、師範の資格をもつ日本舞踊や35年続けている謡(うたい)のほか、エレベーターは使わず、休みの日も約1時間の散歩に出かけること。そして“おばあちゃん”て呼ばれることと “無理しないで”と言われるのが大っ嫌い。「歩けるんだから歩く。何でも続けるのが元気のもと。休めばクセになる」。もっているものを大事に維持し続けてきたからこそ、いまがある。
 手製のスケジュール帳には、謡や童謡コーラス、慰問ボランティア、芸術鑑賞などの予定が入っている行動派。古典落語の「寿限無」も暗記中。得意な声の使い分けを生かした紙芝居なんてどうかしら? したいことが次々わいてくる。
(2007年2月9日)
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今週の人

話題を共有できる地域の関係づくりに…

フットサルリーグ登録チーム「バルドラール浦安」代表
浅野 清春さん

    数あるフットサルチームのなか、運営組織の法人化や海外遠征など将来のリーグ化、プロ化を目指して先駆的な取り組みを続けてフットサルリーグ実現の一翼を担い、今期は国内初の外国人監督を招いた。「チャレンジングな年だったが、勝てば勝つほど選手は休養をとれず、ケガに泣かされた」と、今後の健康管理サポートを重視する。
 本業は商業施設とまちづくりのコンサルタント。野球少年もいつか、仕事中心の毎日となったが、前身のプレデター浦安にかかわったのが縁で、「多くの人が楽しめるすごいスポーツ。これから日本に根付くはず」とフットサルの運営にドップリとはまり込んだ。
 フットサルを通じた“まちづくり”が夢の一つ。「スペインでは夜遅くまで親子や地域の人たちが体育館でスポーツを楽しむ。みんなが同じ話題を共有すれば、地域の関係づくりがいっそう進む。3年、10年先を考えてチームや組織運営を強化したい」。学校や地域でのフットサル指導のほか、地域参加・貢献も検討している。
 38歳の父親。「子供って視点が大人とまったく違う。アイデアをもらいます」。6歳の子供と過ごすのが、仕事から離れる唯一の楽しみ。
(2007年2月16日)
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今週の人

社員や協力者に感謝しながら自ら雑用も

幼稚園に“雪”をプレゼントし続けて15年
今井 貞夫さん

新潟・佐渡出身の61歳。「雪、運んでくるか!」。雪を見たことがない外国人の子供が地域の幼稚園にいたことをきっかけに、自社のダンプカーで同・越後湯沢の除雪対策基地から毎回50トン以上を往復13時間かけて運ぶ。
 運搬はいつも日曜日。忙しい仕事の合間をぬって、慣れない雪道を走る。「『オヤジ、雪を取りにいかないと新年を迎えた気がしない』と言って社員が協力してくれるんだ」。子供や妻も連れて行かせるし、食事もさせる苦労はある。「10回目で終わりにしようとしたけど、子供たちの笑顔と、社員が楽しんでくれて、除雪隊員との交流もあるのがうれしくて、やめられなかったんだよね」。
 15年の年月は、「人間、いくらいいアイデアがあっても一人じゃできない。いろんな人に支えられてきたからだよ」と社員や協力者に感謝するが、「金だけじゃ人のつながりにはならない。自分も雑用をしてドロだらけになれなくちゃ」と、自分に厳しい姿勢も貫く。
 休日は草野球の審判か、好きなギャンブルで過ごす。「長く苦労させたから、かあちゃん連れて旅行しなきゃな」。園児や周囲の笑顔がまだまだ、“オヤジ”と慕われるひとみに映り続ける。
(2007年2月23日)
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