市川よみうり2008年6月
市川市の救助隊員2人=四川からの帰国報告国際消防救助隊員が中国・四川大地震の被災地から帰国した先月21日、同隊の一員として参加していた市川市消防局特別救助隊員、大川雅史さん(36)と橋昌樹さん(35)の帰国報告式が、同市消防局で行われた。
 大川さんと高橋さんが車で同局に到着すると、出迎えた千葉光行市長や矢作政雄消防局長、消防隊員たちからは大きな拍手。千葉市長は、「想像以上の苛酷な状況だったと聞いている。十分に体を休め、現場に復帰していただきたい」とねぎらいの言葉を贈った。
 報告式終了後、二人は報道陣の質問に応え、簡単な造りの建物が多く被害が想像以上であったこと、救助隊員は睡眠をほとんど移動中のバスのなかでとっていたことなどを説明。「外傷があまりなかった人たちは、あと一日早ければもしかしたら…、ということも考えた」という辛い体験だけでなく、「被災した子供たちが支援物資の水や菓子をくれた。快く受け入れられていると感じてうれしかった」という心温まる体験があったことも語った。
 
4年に1度浦安三社祭=祭愛好会「入船会」 全身をふんだんに使って格好よく振り回し、祭を盛り上げる「まとい」。浦安市猫実1丁目の祭愛好会「入船会」(宇田川義三会長)は、地区内の女性だけのまといグループを組織し、浦安三社祭に参加し続けている。同祭では珍しいまといを女性たちだけで振って祭に花を添えようと、3か月前の3月中旬から練習を重ねている。
 会員は小学校五年生から30代までの25人。まといは「王」や「井」など宇田川会長がデザイン、制作したオリジナルで、本来は約15キログラムの重さがあるが、「神輿と違って交代することもできず、休みなく振り続けなければならない。女性ということもあって」(宇田川会長)、約5キログラムに軽量化している。
 当初、まといを振っていた男性たちを師匠に、2人の姉妹で始まったまとい入船会も年を経るごとに人数を増やしてきた。同グループのリーダーで、2代目として10代始めから参加し続けている碓井利枝さん(36)と近藤美佐子さん(33)姉妹は、「結婚して市外に住んでいるが、4年に一度、まといのおかげでみんなと自然につながっていられる。振り終えた時の達成感、燃え尽きるものがあって止められない」と、県内の四街道と柏から練習に参加する。
 神輿とは違う「粋」を感じさせるまとい。同グループは当初、師匠から教わった基本の枝(振り方)に加え、オリジナルの枝も盛り込んでいる。「まといを振って、振って、枝のタイミングがそろって、うまく技が決まった時はたまらない」と、練習に熱が入る。隊列を組んでまといを振るほか、円陣を組んで振る「見せ場」もある。「いつもとは違う自分になれる」高揚感も、みんなの魅力のようだ。同会の男性たちは、「彼女らのまといはうちらの誇り。昔から神輿を見続けている男の俺らから見てもきれいで、紫の半纏(はんてん)も粋で格好いいんだよ」と自慢げだ。
 小中学生の時から参加している女性たちもすでに母親になり、娘とともに参加している女性もいる。中学生女子は「お母さんの姿が格好よかったから始めた。前回参加してとっても楽しかった」「友達がやっていてすごく格好よかった」と、まといを振る練習に真剣な面持ちを見せる。母親は「娘が大人のまといを振れるようになって、成長を感じられてうれしい」と、母娘でともに振るまといを楽しんでいる。

災害対応の迅速化へ年=情報収集室の運営開始市川市庁舎にこのほど災害に備えた情報収集室が完成、今年度から運用が始まっている。勤務時間帯は担当職員が同室に常駐し、地震やインフルエンザなどさまざまな災害の情報を収集。災害発生時も外部からのあらゆる情報が集約されるため、災害対策本部の意思決定をする本部会議の開催場所としても活用される。
 情報収集室には、無線機や衛星電話などの通信機器のほか、モニター9基、テレビ5台を設置。テレビの1台は常時録画装置を作動させ、情報を逃さないようにしている。
 モニターには、すでにインターネットの画面が映せるようになっているほか、今年度設置予定の市川駅南口再開発ビル屋上高所カメラの映像や、県から送られてくる高所カメラの映像、防災ヘリで撮影した映像が映せるようになる予定。消防や行徳支所などの災害対応本部や、市内9か所の災害地区拠点とのテレビ会議も、同モニターを使ってできるようになった。
 また、市内の被災状況を一目で確認するため、各地の情報を何度でも書き込める大きな地図を作製。平時にも、職員が図上演習などで活用する。
 情報収集室の整備は、平成17年度から同19年度までの3か年計画で整備。市災害対策課は、「災害発生時は、迅速な情報収集とそれに基づく分析ができるので、効果的な初期対応ができる」と自信を見せている。
 なお、同市では一昨年から、被災状況を携帯電話で撮影してメールで送信する情報収集員制度を100人で始めたほか、昨年には市内居住者を中心とする600人を、地震発生時にいち早く駆けつける一次配備職員に任命。市のホームページには災害ポータルサイトが開設されており、災害発生時には被災状況や避難所の開設状況などがわかるようになっているという。

日本橋で市川をPR=シティーセールス市川市は先月22日と23日、市内の行事や取り組み、産物などを宣伝するシティーセールスを東京・日本橋のビジネス街で行った。百貨店などへの買い物客や休み時間のサラリーマンなどが足を止めていた。
 シティーセールスは、昨年から観光に重点を置いて事業に取り組んでいる同市の2度目の取り組み。神輿(みこし)のまち、手児奈のまち、健康都市宣言のまちをキーワードに、お囃子(はやし)を流しながら神輿を担いだり、菓子や酒を販売したり、体の上下や左右、腹部など詳細に計れる体脂肪計を出したりして、市川を売り込んだ。市川市動植物園はレッサーパンダの写真集や同動物園にいる動物のポストカードを販売、市川案内人の会は地図やガイドを配り、見どころを説明していた。開催が抽選のため、昨年は販売した野菜や花などの農産物は時期が合わず出せなかった。
 市観光協会事務局の市は、「昨年度の市内への入れ込み人数は350万人。まちの活性化を目指し、都心から気軽に来られるまちとして、市外から人を呼び込みたい」と、同事業に取り組んだ。来場者は市川のイメージとして「静かな住宅地」「自然が多い」「ナシがおいしい」「江戸川の花火」「学校が多い」などを挙げていた。また「昨年もやっていましたよね」との声も聞かれ、引き続き行っているセールスの一定の効果はあったようだ。
 なお、7月には都内で、若者をターゲットにした別形式のシティーセールスを行う計画。昨年度に試験的に実施し、応募者が多く好評だった江戸川を船で巡る観光船事業について今年度は行わない。
 
信号を矢印式LEDに=浦安・富岡交差点児童の死亡事故が起きた浦安市の富岡交差点の改良が進んでいるなかの11日、県道(若潮通り)側の信号機が遠くからでも見やすいLED信号機に替わり、矢印式信号機になった。

 矢印式信号機は、三色の表示のほかに青色の矢印が表示されるもので、信号機が赤の間に矢印が点灯している場合にはその方向に進入できる。同交差点は、北側に向かえば湾岸道路(国道357号)の入り口、南側にはホテルや鉄鋼団地があり、バスやトラック、乗用車の県道からの右折が多く、右折レーンが設けられている。ただ、設置された同日午後は、右折車両を塞ぐように赤信号でも直進する車両が目立った。


子供の安全を守れ=中国分小・防犯避難訓練市川市立中国分小(石黒茂正校長、児童数480人)は16日、不審者の侵入を想定した防犯避難訓練を行い、素早く安全を確保するための的確な指示と組織的な行動を確認した。
 不審者役が校内に侵入すると、発見者は直ちに教室を施錠し校内電話で職員室に連絡。異変に気づいた教員は児童を教室の中心に集め、不審者の侵入を防ぐために施錠をして机をドア側に寄せた。
 教頭は職員の報告を受けながら、情報が途切れないよう繰り返し放送を続け、校長は職員と連携して警察へ通報。現場に急行した教員は、モップやさすまたなどを使い不審者を児童から遠ざけ、安全を確保した避難経路を使って順次児童を避難させた。
 同校では、子供が犯罪に巻き込まれる近年の傾向に備え、3年前から防犯カメラを設置するなどの対策をとっている。今回確認したことは事故発生後の対応だが、「本当は侵入させないということが一番大切」と黒田雄一教諭は話す。
 訓練終了後、1年生を対象に開かれた安全教室では、市川署による不審者対策の講義が行われた。学校の外で事件に遭遇した時の対応などの話に、児童は熱心に耳を傾けていた。

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