市川よみうり2007年12月
メタボ予防は散歩=市川市内名所コース冊子にメタボリックシンドロームの予防に有効なウォーキングに気軽に取り組んでほしい―と、市川市はこのほど、市内の魅力を紹介した「いちかわウォーキングマップ」を2千部作成し、市保健センターや市庁舎などで希望者に配布している。
 このマップは、「いちかわ散策」や「街かど回遊マップ」などこれまでに発行されているマップのほか、市川歩こう会の意見、保健推進員や食生活改善推進員の体験などを参考に作成。「緑いっぱいの自然をめぐるコース」「情緒ただよう寺町をめぐるコース」など九つのコースと、既存の「江戸川散策コース」「市川七福神めぐり」「お花見コース」を、A5版56ページの冊子にまとめた。
 これらのコースには、市民が選んだ「いちかわ景観百選」が全て盛り込まれているのが大きな特徴。また、「健康都市いちかわ」の視点から、ウォーキングの理想的なフォームやシューズの選び方、市内の運動施設なども紹介している。
 マップの配布場所は、保健センター(南八幡4の18の8)、南行徳保健センター(南行徳1の21の1)、健康増進センター(八幡2の15の10)、大柏出張所(南大野3の8の19)、市庁舎5階スポーツ推進課(八幡1の1の1)。問い合わせは保健センター(TEL377・4511番)。
 
堀江水準標石認定=土木学会・土木遺産に関東地方の河川事業の原点―。浦安市堀江の清流神社境内にある堀江水準標石がこのほど、歴史的土木構造物として評価され、土木学会選奨の土木遺産に認定された。現在も利根川や江戸川の工事用基準面として使われている。
 堀江水準標石はいまから135年前の明治五(1872)年、日本政府大蔵省土木量に雇われたオランダのリンド技師が、江戸川河口の浦安堀江から利根川河口の銚子・飯沼までの標準測量を行い、飯沼水準原標石とともに設置された。ここから近代日本の水準測量が始まり、東京・永田町憲政記念館前にある日本水準点へと受け継がれていく。
 同標石は最初に定められた水準標石の一つであり、飯沼水準原標石と並んで、明治維新後の河川管理と治水管理に役立つ日本の近代測量の指標として、歴史的、学術的に価値がある。
 市観光協会が土木学会に同標石の土木遺産認定を申請し、今年度の土木遺産として認定された。県内では6番目。

市川産の野菜で調理=平田小6年生70人が実習市川市立平田小(川ア敏美校長、児童数421人)でこのほど、「楽しい食事をくふうしよう」をテーマにした調理実習が行われ、6年生70人が自分たちで考えたメニューを、市川産の野菜で調理して味わっていた。
 指導にあたったのは、現在の6年生が4年生のときから家庭科の講師を務めている食育アドバイザー・浮谷王子さんと、浮谷さんが理事長のNPO法人「日本食育ランドスケープ協会」の食育アドバイザー5人。今回の授業は、6年生がこれまで学んできた家庭科の集大成として行われたもので、まず子供たちが話し合いでメニューを決めてから、1週間後に採れたての野菜を使って自分たちで調理した。
 メニューを決めるときにも、児童は当日の朝に市内の畑で取れたばかりの野菜を見せてもらってから、市川の農業や千産千消(地産地消)を学習。食育アドバイザーから、「タマネギの代わりに市川産のネギを使ったら?」「野菜が少ないからブロッコリーを添えたら?」などとアドバイスを受けながら、ジャガイモやブロッコリーの入ったコーンスープ、すりおろしたカブを入れたタコス、野菜たっぷりのポトフなど、メニューに工夫を凝らした。
 調理実習では、自分たちの持ってきた食材や、当日の朝に採れた市川産の泥つき野菜をみんなで楽しく調理。浮谷さんは、「市川の野菜を調理したことを家庭の人に伝え、大人にも広げていってほしい」と、子供たちの体験だけでなく、これからの波及効果にも大きな期待を寄せていた。

大きな財政負担難問山積=県立現代産業科学館・市川市への移譲県教委は6日、県議会で鈴木衛氏(自民=市川市選挙区)の一般質問に答え、市川市から県立現代産業科学館(同市鬼高1丁目)の移譲を求められていることを明らかにした。市は、既存の展示物や博物館機能を残しつつ、隣接するメディアパーク市川やニッケコルトンプラザの集客力を生かした一体的な活用を図ることで、「市川における集い・学びの拠点」にする意向。平成20年度中に取得し、早期に市独自のリニューアルに取り掛かりたいとしている。
 同科学館は平成6年6月、市が県に譲渡した約1万8千平方メートルの敷地にオープンした。建物は地上2階、地下1階の鉄骨鉄筋コンクリート造で、延べ床面積は約8千5百平方メートル。火力発電所のタービンローターの実物や製鉄所の高炉の模型、世界初の電車「ジーメンスの電車」などを展示して現代産業の歴史を伝えるとともに、科学実験や参加型展示を通して最先端技術を紹介している。
 しかし、県が財政再建に向け平成14年9月に打ち出した「行財政システム改革行動計画」のなかで、16年度から同館を含む県立博物館10館の統廃合や市町村への移譲を順次実施する方針が示された。これについて市川市は14年10月、県に市の意見を提出。移譲の条件として@市域を対象に市独自の施設としてリニューアルできることA移譲時と将来においても財政負担が生じないことB移譲の際は土地の返還も視野に入れること―の3点を示していた。
 これ以降、両者は同科学館の活性化に向けた協議は行っていたものの、移譲についての話し合いは行っていなかったという。しかし、県が16年度から同科学館をはじめとする全10館の有料化に踏み切ると、来場者は各館で激減。同科学館では14年の約35万6千人から、18年度には16万人を下回るようになった。
 このような状況を受け、市川市はこれまでの方針を転換。「駅からも近い市の中心部に広大な敷地をもつ同科学館を、隣接するメディアパークとの一体的な施設として有効活用したい」と県に移譲を求める要望書を提出した。
 今後は、県と市で協議を行っていくことになるが、仮に両者が合意した場合でも、その活用方法や財政負担に関する市民の合意が不可欠。市も、「できるだけ早く市民に具体案を示して意見を取り入れたい」としている。
 ただ、市は現段階で具体的な活用方法を描けていないうえ、博物館機能をどこまで維持するのか、またそれによって建設時の国からの補助金約3億5千万円の返還義務が生じるのかなど、未確定の要素も多い。さらに、県に支払う移譲金額や、建設時に起債した残高約17億7千5百万円(18年度末現在)の扱い、人件費を含め4億円以上かかっている管理・運営費など、市民の理解を得るために解決すべき課題は山積している。
 
児童の事故死を機に結束=地域住民が改善要望・富岡交差点浦安市の富岡交差点で9月に起きた児童の交通死亡事故を契機に、地域住民が結束して「安全な富岡交差点へ!市民連絡会」を発足、9日、行政に要望している同交差点の安全対策に関する経過報告会を開いた。県、市、警察ともに、「すぐにできること」として植栽の伐採、路面表示、照度を上げることなどを示した。
 同連絡会は、事故が起きた交差点の周辺住民で構成する珍しい組織で、地域の自治会、マンション管理組合、おやじの会(お父さんの会)、学校PTAなどで組織する。「まずできることとして交通整理員が目立つように安全ベストを寄付した」という同会代表の渡辺伸子さんは、「この交差点から交通事故死亡者をもう出したくない。地域の団体が安全な交差点をつくるために連携した。大きな改良も必要だが、すぐにできること、長期的な視点からも検討していきたい。私たちの存在と要望を続けることが交通事故死亡者を出さないことにつながるはず」と話す。
 同交差点ではすでに、北西角(ライオンズマンション側)で「国道357方面に左折する車の視界を遮っている」とされていた植栽を市が伐採。12、13日には県葛南地域整備センターが交差店内の路面表示を引き直した。照明については、既設3か所を現状よりも明るいナトリウム灯に変更し、さらに一か所増設する予定。
 浦安署は同交差点周辺を署長の判断で駐車禁止地区に新たに加え、取り締まりを行っている。来年度からは基本ガイドラインで指定する考え。可能な限り警察官を配置した同交差点の監視、鉄鋼団地協同組合に加盟していない運送事業者への安全運転の要請も行った。
 同会が要望した歩車分離信号機、矢印信号機の検討材料となる交通量調査は市が先月15日に実施。通常は車両のみだが、今回は歩行者も含めて数えており、歩行者の現状を踏まえた交通事故のない交差点を目指した安全対策への判断材料とする。見明川の幼小中学校では交通安全教室を順次開いている。
 そのほか、今後の検討事項としては、同交差店内の電柱の移設、付近商店前の通りの右折禁止、交差点のコンパクト化、信号機の全赤時間の延長(3秒から4秒へ)、今川側のガードレールの設置などがある。
 参加した地域住民からは「事故の前から危険だと表いた矢先の事故で、弔い合戦。子供たちを守っていきたい」「朝日や夕日で信号機が見づらい」「登下校時だけでも厳しく取り締まってほしい」「この交差点以外にも市内にはまだまだ危険個所がたくさんある」「ほかの地域や例になぞらえず、浦安は交通事故がない―というくらいの交通安全の底上げをしてほしい」「ハードの改良で事故は未然に防止できるはず」と、痛ましい事故を風化させてはいけないという思いをあげていた。
 同会のホームページhttp://blog.d-power.jp/?cid=26389または交差点市民連絡会で検索)。

朝食は毎日バランスよく=大柏小保健・給食委が発表市川市立大柏小(土屋敏幸校長、児童数761人)5、6年生の保健委員と給食委員42人は4日、朝食の大切さをテーマに夏休みから調べた内容を全校集会で発表し、全児童に朝食の効果や栄養バランスのとり方などを紹介した。
 「朝はお腹がすいていないからごはんは食べません。眠いから寝ているほうがいい」  「朝ごはんを食べないで寝ているなんて変です。ふつうはみんな食べています」  言い争う二人を裁判官がなだめ、どちらの言い分が正しいのか、研究所の人が調査した結果を発表する―。
 保健委員と給食委員は、このような方式で朝食の効果と栄養バランスのとり方、世界の朝食について発表。朝食は@体を目覚めさせるA脳の働きを活発にするB体のリズムを整える―という効果があること、「まごはやさしい」(豆類、ゴマなどの種実類、ワカメなどの海藻類、野菜、魚、シイタケなどのキノコ類、イモ類の頭文字)をバランスよくとること、「いただきます」というあいさつは日本独特のもので、野菜や魚などの「命をいただきます」という意味があることなどを紹介した。
 発表後、内容をおさらいした○×クイズでは、ほぼ全員の児童が正しく解答。「朝食をとらないと健康に悪い。みんなも栄養に気をつけて毎日食べてほしい」(阿部晃輝君)、「外国にはない『いただきます』『ごちそうさま』というあいさつを、きちんと言ってもらえるようにしたい」(山口雄大君)、「栄養バランスを考えて朝食をとらないといけないことを知ってほしい」(前波夏織さん)という両委員の思いは、しっかりと届いていたようだ。

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