外環道に植樹したい=日出小4年生日出学園小学部(黒木実校長)の4年生(140人)は先月26日、将来、外環道路の植樹帯などに植樹されることを期待ながら、1年間育ててきたクロマツ170本の植え替えを行った。
同校児童が育てているクロマツは3年前、現在の6年生が3年生の時に地元のクロマツのタネから育て、代々下級生に譲り渡しているもの。昨年は10〜20センチメートル成長し、緑色の葉をたくさん付けている。クロマツは直径15センチメートルから一八センチメートルの鉢に植え替えた。今後1年間で、さらに30〜50センチメートル伸びるという。
この1年間、総合的な学習の時間を使って観察、世話を続けてきた児童は、「最初は世話ができるか不安だった。虫がついていたので調べたら、恐ろしいことにマツクイムシだった。立派なクロマツに育ってほしい」「私は一年で1、2センチメートル伸びたがクロマツはもっと伸びた。強い風や虫にも堪えられるクロマツは強い」「たくさんのピンチを乗り越えてきたクロマツ。私の成長も負けていられない」と、一緒に育った1年間を振り返っていた。
パラオ・旧日本軍の遺物を撮影=菅野在住田中正文さん市川市在住の写真家・田中正文さんが、太平洋戦争でミクロネシアのパラオ共和国近海に沈んだ旧日本軍の戦没戦艦と航空機などを撮影した記録写真集「パラオ 海底の英霊たち」が、このほど並木書房から出版された。
田中さんは、同国のトミー・E・レメンゲサウ大統領とのダイビングで、トロピカルフィッシュが泳ぐ美しい海の底に、旧日本軍の船や戦闘機が無残な姿で残された風景を初めて目にした。沈んでいる船や乗組員は、そのほとんどがいまでも話題に上ることのない無名の英霊たち。田中さんは「いまの我々の生活は、祖国と家族を守らんとしたこの方々の勇気と愛、そしてその死の上に成り立っている」と、その英霊たちに光を当てることを決意し、その活動に五年近い歳月を費やしてきた。
同書に掲載されている写真は、田中さんが延べ260時間、海底に滞在して撮影した約28000枚のうちの120枚。藻や貝に覆われひっそりと横たわる船体や、その内部で生活の痕跡を残す部品などからは、戦争の痛ましさが伝わってくる。
「戦争の爪跡は、名前のある目立つものより、名もないもののほうが遥かに多いことを広く知ってほしい」と田中さん。同書は、その思いが込められた渾身(こんしん)の1冊となった。
平日夜間の小児診療開始=市川市急病診療所「4年後にちゃんと帰ってきてね」―。
市川市は今年度から、大洲防災公園隣の急病診療所で小児科の平日夜間診療を始め、夜間は1年を通じて診療できる体制を敷いた。小児科医の減少は市川市でも全国同様に起きており、夜間の小児科診療を行う病院も減少していた。市は、「かかりつけ医をもってほしいが、急病診療所には小児科医がいる。お子さんに何かあったら、まず利用してほしい」と呼びかけている。
小児急病診療人数は増加傾向にあり、同急病診療所での受信患者数は、平成16年度以降7683人(全受信患者=内科・小児科・外科=の52%)、8156人(同51.8%)、昨年度は8747人(同53.4%)。対して、市川市内で医療施設に従事する小児科医は、厚労省の調査で91人(同16年度末)。人口10万人当たりで見ると19.6人で、国(25.2人)や県(20.1人)を下回っている。各施設では、常勤医や非常勤医、開業医が交代で夜間・休日の診療にあたっている。
また、両病院での小児科急病診療のうち8割は症状が重篤ではなく、急病診療所などでの初期診療で済む患者が多いという。
これらの状況を踏まえ、市と市川市医師会は、急病診療所に夜間の小児科外来医を置いて初期診療を行う第1次救急医療機関としての体制をさらに充実させた。既存の内科と小児科の待ち時間の減少、重篤でない小児患者の病院への転送減少(重篤患者の病院での診療確保)、専門医を受診したい市民ニーズへの対応を図り、市内の小児初期急病診療体制の充実を進める考え。
休日あるいは夜間の小児科診療は、かかりつけ医のほか、県救急機関センターの指定を受けて365日、24時間診療を行っている浦安市川市民病院、週1日の夜間診療を行っている東京歯科大市川総合病院、昨年度までは土日祭日と年末年始に小児科医を置いて診察していた市川市急病診療所の3か所で行っている。なお、急病診療における市民病院と市川総合病院は、重篤な患者を対象とする2次救急医療機関で、基本はかかりつけ医や急病診療所からの転送による診療となる。
EU身近に感じて=昭和学院高に参事官来訪EU(欧州連合)創設記念日の今月9日、市川市東菅野の昭和学院高(久松英寿校長、生徒数777人)に在日欧州代表委員会のシルビア・コフラー参事官が訪れ、約80人の生徒たちに欧州の歴史や文化、EU設立までの経緯などを紹介した。
このイベントは、ローマ条約調印50周年の記念事業として行われたもので、EU加盟国の駐日大使や外交官たちが、東京近郊の中学・高校約80校を一斉に訪問。生徒たちに、欧州を身近なものとしてとらえ、一緒に50周年を祝ってもらおうと企画された。
コフラーさんは、戦争が再び起こらないように経済資源を共同管理したことがEU発足のはじまりだったこと、EUは文化や言語、民族などが多種多様な国家の集合体であることなどを、パワーポイントを使って丁寧に説明。質疑応答の時間には、生徒たちから「コフラーさんが私たちくらいの年齢のときは、放課後に何をしていましたか?」「日本の好きな文化は何ですか?」などコフラーさん個人に関する質問だけでなく、「EUでは格差問題から右派勢力が拡大しているが、これが原因で分裂状態になったときの対処法はあるのですか?」といった難しい質問も飛び出していた。
自転車マナーは変わらぬまま=京成八幡駅・西側踏切改善図る通勤・通学の時間帯に自転車利用者が集中する市川市立八幡小前の通称・商美会通りで、市川市による利用改善策が進められている。昨年春に、ゴミ出し時間の通勤時間外への変更と消火栓支柱の移設を行ったのに続き、11月には18本の可倒式ポールを設置して歩行者空間を確保。新年度に入ってからも、電柱一本を京成電鉄の敷地に移動したほか、路面には「自転車は左」と書かれたシールを張り、自転車利用者への注意喚起を促している。
同通りは、京成八幡駅西側の踏み切りから北へ約220メートル続く市道で、幅員は通りが5―6メートル、踏み切りでは4.7メートルしかないが、平成14年度の調査では午前7時からの2時間に自転車約2300台、歩行者約1200人が通り、通学児童などの歩行者や自転車利用者にとって危険な状態が続いている。そのため、市は昨年4月から5月にかけ、交通指導員や仮設資材で歩行者の通行帯を設けるなどの社会実験を行っていた。
市はこの実験の最中から、ゴミ出し時間の変更や消火栓支柱の移設を行うとともに、18本の可倒式ポールを設置して歩行者空間を確保。踏み切りの前後では、北側に遮断時の自転車が通りの横断者を邪魔しないよう停車禁止区域を設けたほか、南側は地面を塗装して自転車が左側を通るよう誘導している。
さらに市は、段差があるため歩きにくく、あまり利用されていない幅60センチメートル(両側合計1.2メートル)の側溝部分の改良にも着手したい考えだが、実現には工事とそれに伴う交通規制が必要なため困難な状況。道路の幅や交通量という根本的な要因が変わらないなか、今年度も電柱を1本移設し、もう1本についても移設先の検討を進めるなど、幅員を最大限有効に活用するため“10センチメートル単位”の空間獲得に力を注いでいる。
しかし、踏み切り北側の停車禁止区域や自転車の左側通行は全く守られておらず、歩行者や対抗して来る自転車とギリギリですれ違う状態もほとんど改善されていない。通りの安全を確保するには、通行者のマナー改善が不可欠だ。
防犯カメラ25台を設置=JR市川駅周辺・地域企業が寄贈「犯罪が割に合わないまちづくりを…」。JR市川駅周辺にこのほど、地域企業の寄付で防犯カメラ約25台が設置された。あまり例のない民設公営の防犯カメラで、市や同駅北口のまちづくりを進める元気!市川会(市川駅北口周辺振興整備推進の会)設置分と合わせた約40台が、裏通りを含め、まちの安心・安全を見張っている。
地域防犯カメラは、半径500メートルの地域内の主要道路や公共の空間を見通せる位置のマンションや商店街アーケード、自治会館などに取り付けられ、寄贈された市川市が管理・保守を担当している。地域の自発的な活動に対して千葉光行市長は、「防犯カメラは市内に約370台が設置されている。地域企業と市民、行政が一緒になって安心・安全のまちづくりを進められるのはよいこと」、市川署の早川喜久治署長は「市川市から犯罪のないまちづくりモデルを発信し、全国のモデルケースとなってもらいたい」と活動を評価、応援した。
防犯カメラを寄贈したアービックの加藤泰寛社長は「犯罪者に入られない賃貸住宅管理の考えを生かして防犯カメラの設置に協力した。設置場所も検討し、主要道路はあらゆる角度から見られるようにした」、セキュリティーアドバイザーの資格をもち同社で安全対策に取り組む渡部勇さんは「犯罪がしづらいまちづくりは、住宅個別だけではなく、地域全体の安全を確保することが重要」と、犯罪のないまちづくりへの思いを話した。
カメラ設置に協力したマンションオーナーは「マンションの自転車置き場で放火があってから防犯カメラをつけた。地域全体にも目を配れる方がいいと思い協力した」という。
防犯カメラを寄贈したのは、アービックとヒカリシステム、加藤新聞輔、ダイエー市川店、市川ケーブルネットワーク、京葉ガス、市川ビル、元気!市川会の7社者とカメラを取り付けたマンションオーナー。寄付総額は850万円。
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