市川よみうり2005年11月
浦安市立富岡小=宇宙ステーションと交信浦安市立富岡小学校(寒風澤千博校長、児童千36人)の児童が先月24日、建設中の国際宇宙ステーション(ISS)とアマチュア無線で交信し、宇宙での暮らしぶりなど、さまざまな質問を投げかけ、「一生に一度あるかどうか」という貴重な経験をした。当日は、ISSの高度制御の都合で開催日時が急きょ前倒しとなったが、同小体育館には交信の様子を見ようと、同小児童や保護者など約650人が集まった。
 地上約400キロメートルに位置するISSとの交信は午後8時39分から約10分間。交信を担当した16人の児童は代わる代わる「ISSでカビは生えるか」「ISSで一番楽しいことは」などの質問を、緊張した面もちながら流ちょうな英語でビル・マッカーサー宇宙飛行士に投げかけた。マッカーサーさんは「とてもよい質問。カビは生えるが、生えないように清潔にしている。もし見つけたら、分析のためにサンプルを採り、写真を撮る」「窓際をフワフワ浮かびながら地球を眺めるのが好き」と答えた。
 同小5―6年生の有志児童36人がISSクラブを設立し、今年6月から交信に向けて技術班、広報(ホームページ)班、交信班に分かれて特訓を開始。成功に向け、質問を考えたり、ラジオやウソ発見機の製作、英語トレーニング、ホームページ制作などの特訓・活動を行い、成果を発揮した。
 交信を終えた児童は、「英語はよくわからなかったが、名前を言ってもらえてうれしかった」「一生に一度の経験と思うと怖くなった」「百点満点」と、緊張が解け、元気に感想を話していた。
 米国航空宇宙局(NASA)の教育プログラムの一環。子供が宇宙に夢を広げ、宇宙科学への理解と関心を深められるよう行っているプロジェクト。全国16校目だが、学校だけでなく地域ぐるみのプロジェクトとしてほかに例がない。県内では初。
 
旧浦安町国民学校卒業式=44人が半世紀過ぎた終了証昭和16年12月から同22年3月までの戦中・戦後の混乱期に旧浦安町国民学校を卒業した元児童・生徒に終了証を授与する「浦安町国民学校卒業式」が四日、浦安市立浦安小(黒田江美子校長、児童数330人)で開かれた。勤労動員などの理由で卒業証書の授与されていない44人が、戦後60年の年に一つの節目を迎えた。
 国民学校は昭和16年の国民学校令に基づき、それまでの尋常小学校と高等小学校を母体に設置された。昭和20年の敗戦後は教育基本法と学校教育法に基づき、現在の小中学校が発足、国民学校は昭和22年3月で廃止された。
 市川市中山の毛織物工場での勤労動員や空襲などで通学できず、修了証書を受け取っていない人がいたことから修了証書の発行希望を募った結果、初等科の卒業生54人、高等科卒業生22人の76人が要望、このほど卒業式が実現した。
 おじいちゃんやおばあちゃんとなった卒業生は、現役の4−6年生児童や保護者、当時の教諭(元浦安町国民学校訓導・地方教官)・江原秀子さんと藍倉吉さんたちに見守られながら体育館に入場。黒田校長から一人ひとり修了証書を受け取った。
 “卒業生”を代表してあいさつした高梨喜好さんは「当時が最も教育を受けていない時代。英語や理科はダメで、歴史や算数、身体の鍛練ばかりやっていた」と話し、在校生に「立派な人になってほしい。それがおじいさん、おばあさんたちの願い。この席をつくってくれてありがとう」と激励、感謝した。
 昭和19年度卒業の熊川惠美子(旧姓)さんと田中美枝子さん、杉崎幸子(旧姓)さんは「兵隊が校舎を使い、生徒も多かったので、学校は午前か午後の2部制。学校に行っても、空襲警報ですぐに家に帰っていた毎日。夜の空襲も毎日で、ほとんど寝られなかった。毎日よく生き延びたと思う。仲間のなかには“いまさら”とこの場に来ない人もいるが、きょうを迎えられ、生きていてよかった」と当時を振り返った。

百合台小コミュニティ=体験学習会大盛況市川市立百合台小コミュニティサポート委員会は百合台小と共催でこのほど、体験学習を開いた。同委員会がイベントを催すのは初めて。学校やPTA、地域などの協力を得て、子供たちがさまざまな遊びや交流を体験できる場を設け、成功させた。
 体験学習は百合台小オープンスクール&百合台まつりの一環。昔遊び(宮久保婦人会・大境自治会)やわりばし鉄砲づくり、戦争体験を聞く会(ふくろうの家)、シジミ・ヤゴ釣り(県立市川西高理科部)、金管楽器体験(同校吹奏楽部)、ブラックライトシアター(市立三中図書委員会)、アクリルタワシづくり(春木川をきれいにする連絡協議会)、出土器展示(市教委)、着付け教室、紙芝居などさまざま。
 大盛況だったのはシジミ&ヤゴ釣り。学校のプールにいるヤゴを西高生が採ってきたもので、同校の佐野郷美教諭は「生き物の生態を見ながらふれあってほしい。地域から声がかかり、楽しんでもらえてうれしい」と、熱心に釣りに興じる子供たちを見ながら話していた。
 ボランティアに参加した市立三中3年の鳥飼彩さんは「ボランティアには関心があった。地域交流の役に立てればと参加した。子供たちと一緒に遊べて楽しかった」、安斎翔君は「子供と過ごすのは大変だが、関心をもつと熱心に取り組んでくれてうれしかった」とこもごも語る。
 同委員会との共催に熱心だった野ア俊二校長は「学校も子供も家庭だけではなく、地域とともにあることが重要。地域にとっても同じ」と共催の趣旨を説明。同委員会・野口敏照委員長は「子供たちはふだんと違って生き生きしているようで苦労したかいがあった。今後も学校や地域で活動していければ」と満足げだった。

市川市の駐輪場今月から=日曜祝日4駅周辺は有料市川市は今月から、日曜祝日の自転車駐車場(駐輪場)に管理員を配置し、一回利用料金(100円)の徴収を行っている休日の駅周辺に放置自転車が多いことを受けた対策。料金の平等負担と場内の適正管理のために開始した。市道路交通部自転車対策課は「街頭指導と駐輪場の確保で放置自転車をなくしたい」という。
 対象駅はJR総武線の市川駅(京成・市川真間駅)と本八幡駅(同京成八幡駅)、東西線の行徳駅と南行徳駅。同市の駐輪場利用形態には無料、1回利用専用、定期利用専用、1回と定期利用の併用があるが、定期利用専用を除いたすべての駐輪場で実施。新たに休日に1回利用の料金を徴収するのは、市川駅が3か所、本八幡駅は4か所、行徳駅は4か所すべて、南行徳駅は4か所。地下駐輪場については管理上、休日に管理員を配置済みで、すでに料金を徴収している。
 休日の無断利用はこれまで黙認する形だったが、市道路交通部自転車対策課は、「料金を負担してもらうようになるため、無料の駐輪場を利用する人もいるだろう。無料の駐輪場といっても指導員を配置し、みなさんが安全で快適に使える駐輪場にしたい」と話す。
   各駅の周辺は、平日は街頭指導員がいるため放置自転車は比較的少ないが、休日ともなると一部にしか指導員がいないため放置自転車が多く、しかも雑然と置かれているため歩行を妨げる状況で、市民から多数の苦情が寄せられている。
 19日からは順次、休日の街頭指導員を配置しており、放置自転車の削減を目指している。4駅で平日同様に配置できるのは12月からの予定。
 
市川市・携帯から119番直接受信市川市消防局はこのほど、通信指令管制システムを改修し、これまで船橋市の消防本部を経由していた携帯電話からの119番通報が、直接受信できるようになった。各携帯電話会社の体制が整ったことにより全国的に進められているものだが、市消防局は「できるだけ固定電話で通報してほしい」という。
 これまでのシステムでは、携帯電話からの119番通報は、県内を6つに分けたブロック単位で受信されており、市川市内からの通報は船橋市が代表受信していた。そこから市川市に転送されるため、音が悪く聞き取りづらいという問題があったほか、通報者が市川市の消防本部につながっていると思い込んでしまうといったトラブルもあったという。
 今回の改修により、これらの問題も改善し、現場到着までの時間も短縮されるが、市境付近では他市の消防本部につながるケースもある。また、携帯電話では発信地の特定ができないため、市消防局では「固定電話を使えるときには固定電話で通報してほしい」と呼びかけている。

東西線行徳駅前=ムクドリ対策に防鳥ネット東西線行徳駅前広場南側にムクドリが集まり、周辺に鳴き声やフン害を引き起こしていたことに対して市川市行徳支所は17日、ムクドリがねぐらにできないよう、樹木の枝葉部分に防鳥ネットを取り付けた。ムクドリの今後の様子を見ながら、ネットを取り付ける樹木を増やすほか、フン対策としてポスト周辺のシェルター設置などを検討していく。
 ムクドリは夕方になると集団でねぐらをつくるしゅうせいがあり、冬場は特にその傾向が強まる。人里に生息する鳥で、タカをはじめとした猛禽(もうきん)類など天敵がいないうえ、暖かい駅周辺を特に好むとみられている。
 行徳支所ではこれまで、同広場の樹木を剪定(せんてい)したり、電線にとまれないようにする“針”を設置したほか、ムクドリが地磁気を感じとるといわれることから磁気を発生させて感覚を狂わせる通称バードキラー、ムクドリの断末魔を録音したテープを大音量でかけて追い払う通称リストレスコールなどを使ってきたが、大きな効果はあがらず、支所職員がフンで汚れた広場をデッキブラシで清掃するばかりだった。
 同支所は「ムクドリが戻ってこなければいいが、可能な限り被害を少なくするように慎重に対策を講じていく」という。
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