市川よみうり2005年3月
本行徳=常夜灯中心に水辺整備を 市川市本行徳の常夜灯周辺地区の整備に関する提言書が先月23日、市民懇談会から千葉光行市川市長に提出された。市は、「常夜灯とともに、地域の水辺空間も市民が親しめるようにしたい」との同提言書を元に、基本計画と実施計画を平成17年度に策定し、翌18年度から工事に着手する。
 市民懇談会は、常夜灯周辺の自治会や市民団体、公募市民で構成。昨年6月に設置され、5回にわたり整備構想を検討してきた。整備構想の基本コンセプトは「住む人も訪れる人も、歴史を感じ、憩える場所づくり」で、「常夜灯の魅力を顕在化させ、地域の交流の場となるような誰もがふれあえる新たな水辺空間整備を行う」ことを方向性として打ち出している。
 具体的には、歴史があり景観的にも魅力がある常夜灯を、堤防の高台に配置し、ライトアップや歴史的雰囲気をもったサインや街灯も設置する。周辺はフラットな広場とし、旧江戸川を見ながら歩ける遊歩道も整備する。
 常夜灯から旧江戸川上流部分には、公園を整備する。地域住民が親しめ、交流の場となるように、パーゴラやベンチ、水のみ場、遊具などを設置するとともに、季節の花々で彩る。防災機能をもたせる方針。
 同懇談会委員は市長との懇談のなかで、「市川市を助けたのは行徳の海。しかし、今日、海は生かされていない」と話すと、千葉市長は「旧行徳地区はまちづくり交付金制度を活用し、5年間で約100億円を投入する、市川市の大プロジェクト。これから行徳はよみがえる。緊急船着場ができるよう、県にも要望している」と、市川市が旧行徳地域をいかに重要視しているかを訴えた。
 同事業は、県が行う常夜灯周辺の旧江戸川堤防改修事業「スーパー堤防モデル事業」に併せて行うもので、堤防の上部を整備する。事業期間は平成18年度から同20年度までの計画。地区にある市営住宅居住者の移転はすでに終了しており、平成17年度に解体に着手する予定。
 
浦安東小=子供たちに芝生の遊び場を 子供たちに芝生の遊び場を提供したい―と、浦安市立東小(戸村滿校長、児童数770人)のサブグラウンドに芝生が張られ、2日、オープニングセレモニーが開かれた。台風など天候不順の影響で遅れていたオープニングだが、卒業式前に間に合った。
 同小にはL字型の校舎に囲まれるようにサブグラウンドがあるが、強風の日には砂ボコリがひどく、窓が開けられない状態。戸村校長は同グラウンドを「低学年や児童育成クラブの遊び場として使っているが、地面が硬く、水まき施設もない。地域に芝生の遊び場がないことから、市が募った校庭芝生化に手をあげた。体育の時間だけでは培えない子供たちの体力の向上と、コミュニケーションの場となれば」と、今後の活用を期待している。
 ボール遊びなど芝生の上で楽しんでいる児童だが、慣れていないせいか、裸足で遊んでいる児童はまだ少ないようだ。
 校庭の芝生化は松崎秀樹市長の選挙公約の一つ。昨年9月末から着工し、11月初めに西洋品種の冬芝の種をまいた。児童がプランタで育てた芝生も一部に植えつけられている。広さは1560平方メートル。6年生が芝刈りを担っていた。
 芝生利用に関する規制について、戸村校長は「遊べない芝生では意味がない。これから使っていく中でどういった規制をかけていかなければならないのか見極めていくが、できるだけ規制せず、自由に使えるようにしたい」と青々と茂る芝生を見ながら語った。
 なお、市教委は同小での今後の維持管理状況を検討したうえで、芝の育成や活用を図りながら、各校の要望にこたえていく考え。   

市立若宮小3年=いじめなど人権啓発早期教育を学ぶ市川市立若宮小(室田正美校長・児童数602人)でさきごろ、県子どもの人権専門委員会事務局長・成田久江さんと、市川人権擁護委員・吉田昭枝さんが、3年生児童98人に、いじめや思いやり、命の大切さについて人権教育を行った。
 これまでも主に中学生を対象に人権教育を行ってきた二人だが、小学3年生という早い段階での授業は今回が初めて。『人権』という言葉を聞いたことのない子供がほとんどだったが、「早い段階から知っておいたほうがいい」との考えで実施された。
 成田さんらは、「いじめ」「思いやり」「命の大切さ」などについて、人権擁護協力会の啓発誌『種をまこう』を使いながら一つひとつ説明。子供たちの本に対する感想や、「友達からブタと呼ばれて嫌だった」「虫を捕まえたが自然に帰した」など、体験談を聞きながら、「自分が言われて嫌なことは言わない」「命はたったひとつ。大事にしないといけない」と説明し、「人権とは思いやりの心」と、わかりやすい言葉で語りかけた。
 終了後、「どんなものでも全部命が大事だと思った」「目の不自由な人が困っていたら声をかけてあげる」と、感想を語った子供たち。指導にあたった二人は「みんな意識が高い」と、すっかり感心していた。

市立大和田小=不審者侵入に備え全校で実践的訓練 学校への不審者侵入事件が全国で相次ぐなか、市川市内の各学校でも不審者侵入対応訓練が行われている。
 市立大和田小では8日、市川署協力を得て、全校レベルでの訓練を実施。2階玄関から棒を振り回す不審者が侵入したという想定のもと、付近の教諭が一斉に笛を吹き、校内連絡用のPHSによる連絡で駆けつけた男性教諭や用務員らが、さすまたを使い侵入者を確保。
 その間、児童は教室のカギを閉め、ドアの周りを机やオルガンで包囲。防災頭巾をかぶって教室の奥に待機。現場の状況は校内放送で逐次伝え、警察に犯人が逮捕されると、アナウンスに従い、全児童が体育館に移動し、訓練を終えた。
 訓練にあたった同署生活安全課・加藤進一さんは、「指示がなくても、それぞれが活動するなど、やる気が伝わった。机によるバリケードの構築や犯人を外に出す対応がとてもよかった」と、職員の対応を高く評価。「落ち着いて先生の言うことを聞いていて大変よかった」と、児童にも賛辞の言葉を贈った。
 放課後は、職員を集めて講習会。加藤さんは「侵入者には建造物侵入罪のほか、凶器を持っている場合は銃刀法違反、職員の指示に従わずに暴力を振るった場合は公務執行妨害が適用される。先生は不審者に声をかけ、捕まえる権限がある。堂々とやってほしい」と法的根拠を説明。また、イス、ほうき、さすまたなどを使用した犯人への対処方法も紹介。「これらは子供が避難するための時間稼ぎ。自ら勝負を挑んではいけない」と注意を促した。
 
宮田小=子供緊急通報装置・警察に音声や映像で連絡 身の危険を感じたときにボタンを押すと警察に直結し、音声や映像でやりとりができる「子供緊急通報装置」が8日、市川市立宮田小(城下裕安校長)に設置された。同日には市川署や市職員のほか、周辺自治会、市川地区防犯協会、同校の全児童が校庭に集まり、運用開始式を実施。システムや使用方法を説明するとともに、同装置を使った訓練を実施した。
 同装置の設置場所は、同校の裏門や通学路など5か所。ボタンを押すと、サイレンが鳴り、赤色回転灯が点灯。搭載のマイクやカメラ、スピーカーを通じ、警察は映像を見ながら通報者から状況を聞くことができる。
 開始式では、同署生活安全課が「何かあったら遠慮しないで押して」と、全児童に使用方法を説明。不審者侵入訓練では、児童が実際にボタンを押し、警察に犯人の特徴などを説明した。
 同装置は県内では松戸市立相模台小に七基設置したのに続き2例目で、市内では初。松戸では、帰宅途中の女性が不審者に抱きつかれた際、同装置を使用して助かった事例があったという。

市川市=青色回転灯付パトカー巡回 市川市は、保有する2台のパトロールカーに青色回転灯を装備し、15日から同パトロールカーによる防犯パトロールを開始した。車体は白と黒に塗り分けられ、見た目は警察のパトカーそっくり。市防犯対策課は「夜は遠くからでも目立つと思う。他市でも導入により犯罪が減ったと聞いており、効果は大きいのでは」と、期待を寄せている。
 2台のパトロールカーは、本庁舎と行徳支所に1台ずつ配備。今月いっぱいは、市防犯対策課職員がパトロールにあたるが、4月からは、市が新たに採用する再任用職員4人と、警察官OB4人の専属職員が2人1組で任務にあたる。通学路や住宅地などを月曜から土曜日まで毎日巡回するほか、小中学校に立ち寄り、情報交換も行う。
 新年度には、新たに2台のパトロールカーを購入し、自治会などへ貸し出す予定。すでに希望する自治会もあるという。
 一般自動車の回転灯装備は、緊急自動車等を除いて禁止されていたが、昨年12月に「道路運送車両の保安基準」第55条の基準が緩和。自主防犯パトロールを適正に行うことができるという証明を受けた場合は、青色回転灯を自動車に装備することが可能となった。
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