大柏小6年生・池造りから黒メダカ育成絶滅危惧種の黒メダカを自分たちで育てよう―そんな思いで学校に池を造り、黒メダカを育ててきた市川市立大柏小(藤間信夫校長・児童数750人)6年生(117人)の学習発表会が2月26日、同校体育館で行われた。
5年生の総合学習「米作り」で黒メダカと出会った児童たち。4年生のとき、同じ絶滅危惧種のホトケドジョウに触れていたこともあり「自分たちで育てよう」と決めた。最初は黒メダカを校内のミニ田んぼに放流。「どんどん増えてきた」と驚いているうち、今度はメダカを移す必要性が生じ、話し合いで校内に池を造ることに。子供たちで計画、調査、工事などを行い、池を完成させた。もちろん、子供たちだけで全ての作業はできないため、メダカの育て方や池の造り方、コンクリートの処理などに地域の人たちが大勢協力。
この日の発表会には、協力してくれた人たちを招待。「僕たち6年生と、黒メダカ、メダカ池に集まってくるすべての生き物の感謝の気持ちを代表して―」と、感謝状を贈呈した。この感謝状も、6年生たちが「お世話になったお礼に何かしたい」と、自分たちで考えた。「こんなに心が温まるものがあったのか」「今日ほど感謝したことはない」と、受け取った人たちは感動していた。
市川市国分=宝珠院に日光・月光両菩薩そろう市川市国分の下総国分寺に隣接する玉王山宝珠院(国分2の24の11、星野宥清住職)の本尊である薬師如来の両脇に日光菩薩(ぼさつ)、月光(がっこう)菩薩が納められた。東京芸術大学院卒の堂本寛恵さん(市川市国府台)が作像したもので、1月15日に開眼供養を執り行い、彼岸中日の今月20日に開帳する。市川の作家が市川の木で作像し、市川の寺に納めるという極めてめずらしい例となった。
同院の薬師如来は、283年前の享保6年4月8日の作と伝えられ、中尊である薬師如来と、脇侍と呼ばれる両菩薩がそろって三尊像となった。両菩薩は、薬師如来のご利益を昼夜を問わず伝え、強くするといわれる。
両菩薩の作像依頼は、大学院の卒業作品に空也上人立像を作り、六波羅蜜寺本堂(京都市東山区)に奉納した堂本さんとの出会いから。なかなか入手できない「仏像に適した」カヤの木は、堂本さんの希望に応えるかのように、市内宮久保で梨園を経営する染谷幸雄さん宅で切られ、節もうろもなく、目の詰まった、作像に申し分のない木が用意された。
左右対称の菩薩像の高さは約2尺(約60センチメートル)。一木造りで、中尊から見て外側に重心を置き、日輪と月輪をそれぞれ手にし、後背が照らす。制作は、木の乾燥を含めて約2年。高さ80センチメートル、太い所は直径60センチメートルのカヤの根元から二体を作像した。
作風は、「彼女の持ち味を出してほしかったので、堂本さんにおまかせした」(星野住職)。「全国の日光・月光菩薩を見て回り共通概念を探った」という堂本さんは、奈良や平安初期の菩薩を再現する一方、中尊の薬師如来や本殿とのバランスをとった。
歴代の住職も檀家も待ち望んでいた脇侍。「ご本尊様が堂本さんを呼んでくれた」と振り返る星野住職は、「市川が生んだ、文化財保存の力をもつ堂本さんには大きく育って、日本文化を高めていく一翼を担ってほしい」と思い入れを語る。
市川市=地域子育て支援センター増設市川市は平成16年度から、地域子育て支援センターとすこやか応援隊の両事業を拡張し、子育て支援を強化する。
市内の地域子育て支援センターは現在、さかえ・こどもセンターなど4か所。4月からは、新たにできる仮称わたぐも保育園内に設置し、合計5か所になる。
地域子育て支援センターは、保育園で行われるプログラムや行事を通じて、お母さん同士の交流を図るとともに、子育て相談などを行っている。これに対し、すこやか応援隊は、行事に積極的に参加できず、孤立しがちな人を訪問し、個別的、継続的に支援することを特徴に、昨年4月からスタート。同年5月から今年1月までの9か月間で、月平均50件以上の相談を受けている。
このような市の育児支援制度に対し、市民からは「助かっている」「こういう機会は多いほうがいい」と評価する声も多い一方、「年齢などの制限は少ないほうがいい」「詳細が伝わらない」などの声も聞かれる。市は、市の子育て施設が全部掲載されている『子育て応援ガイドブック』を増刷し、5月からは妊娠や転入の届け出時に手渡せるようにしていく予定。
市川市内京成線立体化=県・木下街道の拡幅準備市川市内の京成線の踏切による渋滞の解消や、歩道の整備を目的とした、木下街道の拡幅工事に向け現在、県は準備を進めている。
工事区間は国道14号と交わる鬼越二丁目交差点から市立中山小正門入り口交差点までの465メートル。現在幅7メートルの道路を同15から39メートルまで拡張するとともに、京成線との立体交差で、道路が線路の下をくぐるようにする。同工事対象区域の地権者数は95件で1月末現在、30件の買収が完了している。
市が平成14年11月に行った調査によると、同工事区間の交通量は、上下線合わせて一日約1万2千台で、うち大型車は2千台弱。午前7時から同9時までと、午後2時から同5時までは大型車の通行が禁止されているが、同調査ではそれらの時間帯でも400台以上の大型車が通行している。また「渋滞を避けるため、通学時には交通規制されている裏通りに抜ける車も多く、これも子供たちに危険」とは住民の指摘。警察も「適宜取り締まりは行っているが、大掛かりなものは場所がなく困難」だという。昨年木下街道で起こった人身事故は20件で、うち6件が歩行者や自転車の被害。
今日の工事をめぐっても、地権者から「子供たちの安全のためには早く拡張するべき。もう壊し始めているのだから、協力するべき」との声が聞こえる半面、同街道沿いには27店加盟の深町商店会があったが、この工事に伴い解散。現在商店は数えるほどしか残っていない。「この道路は危ないので拡幅も理解できるが、出て行くとなると、とくにお年を召した方には難しい」と、配慮を求める声が聞かれた。
市川市=3メートル以上の生垣設置を全額補助市川市は平成16年度から、市民が新しく生垣を作る場合、これまで設置費用の2分の1(上限額30万円)だった助成基準を改め、生垣の長さ1メートル当たり1万5千円を限度に全額助成する基準を設ける。
対象は3メートル以上の生垣で、上限はなし。防犯対策を考慮した新たなネットフェンスなどの設置費も含まれる。
基準を設けた理由について、公園緑地課緑の推進担当室は「利用者が年々減少傾向にあった。従来の制度では、助成額が低く、設置者の経済的負担額が大きくなるなど、必ずしも市民が利用しやすい内容となっていないと、市民から指摘を受けていた」と説明している。
1メートル当たり1万5千円という助成額については、「通常の生垣の場合、1万円ほどで設置ができ、ネットフェンスを設置することも可能な額」と見ている。これまで助成件数は、平成12年度は19件あったのが、13、14年度はそれぞれ、12件ずつに減少している。
浦安市=繁殖期前にカラス対策ネット貸与浦安市は、カラス除けのネットを市民に無料で貸し出している。同市はごみの回収を、集積場ではなく各家庭前で行うことを基本としているため、ごみが出される場所が多く、カラスによるごみの散乱を防ぐ啓発の一環。新年度に加え、特に、5―6月のカラスの繁殖期を前にカラスによる生活被害を減らしたい考え。
ネットは、数軒がまとまってごみ出ししている家庭や、自治会などネットの管理を責任もって行う人に貸し出す。
カラスネットはペットボトルを再生して作ったもので、2×3メートル(大)と1.5×2メートル(小)を用意。周囲にはおもり入りロープがあり、カラスがネットをめくれないようになっているほか、くちばしでつつけないよう、ネットの目も細かくする工夫が加えられている。
ネットの貸し出しは平成13年7月から始まり、同14年度末で大サイズ429枚、小サイズ184枚貸し出した。ネットを利用している北栄2丁目第10区自治会相談役で、環境推進委員も務める榎本保さんは、「ネットをすればカラスも来ないしごみも広がらないが、周辺でネットをしているのは1割くらい」とネットの効果はあるが、普及はこれからとみている。
ネットはカラス除け以外の効用もあり、榎本さんは、「ネット下にごみを入れるひと手間で、ごみ出しマナーがよくなる」と語る。
- BACK