「ナーチャリングコミュニティ」にジュニア部発足市川市ではこれまで、子供の健全育成を目的に行政と各団体・地域が一体となって、56市立小中学校と地域でさまざまな事業・行事を展開してきた。最近では市教委が、平成9年度から「遊び」をキーワードに地域で子供たちを見守る事業「ナーチャリングコミュニティ(NC)」事業を展開。同学生会がモデルとなっている−という。NCスタート当時、小学5、6年だった子供たちが高校生となり、後輩に自分たちがやりたかったことをダブらせて大人に進言。大人も高校生の企画・運営をNC原点の「待つNC」ととらえて見守っている。現在、5ブロックが子ども部やジュニア部を組織、大人の支援のなかで活動を始めている。
そのなかで、東国分中NCの高校生ボランティアグループ・あすなろが平成14年8月にサマーフェスタを企画・運営した。その後、活動にあこがれて生まれた中学生グループ・あすなろフレンズ、通称・あすフレはNC精神の「孫」的存在。それも大人の仕掛けや組み込まれた体制のなかで生まれたのでなく、地域で自然発生に自立したことに大きな意味がある。NCの推進役となった最首輝夫・元市教委教育長の「いずれは大人の手から離れ、子供たちに委譲するのが理想」に近づいている。
同時並行で、東国分中にボランティア部が組織され、その女子が「スマイル」として独自の活動を開始。同15年に同中NCのサマーフェスティバルを企画した。東国分中NCの高校生グループ・あすなろ会が前の年に手がけた、サマーフェスティバルの活動にあこがれた−という中学生が、あすなろフレンズを発足させるなど現在、六中や八中、南行徳中などで子ども部やジュニア部が組織され、中高校生の考えたイベントが好評を博している。
市川市制施行70周年を記念・健康都市に向け市民協議会今年市制施行70周年を迎える市川市は、人の健康増進は保健・福祉・医療の分野に限らず、環境やまちづくり、文化まで広く取り組むことを提唱する世界保健機構(WHO)の健康都市宣言を行うため昨年末、市内の団体代表による健康都市推進協議会(座長・岩田真二市川市医師会理事、委員15人)を発足させた。
設置目的に「市民の健康増進をまちづくりの中心にとらえ、市民と事業者、市が相互に協力、全ての市民が安心して健やかに生活できる健康都市を目指す」と明記。健康都市推進担当は「今年4月から施行の『市川市市民等の健康と安全で清潔な生活環境の保持に関する条例』(マナー条例)も、健康都市を目指す施策の一つ。市民の身体的な健康は、もとより街の清潔さや安全性なども健康都市の重要な要素」と説明する。
同協議会は「平成16年度中に4、5回の会議を開き、健康について各団体で取り組んでいることやこれからの取り組むことができることなどを発言してもらい、地域での広報活動を通じて市民の横の広がりを確保していく」(同担当)ことになる。
羽田空港再拡張計画で国交省に説明要望市川、浦安、船橋の3市長は昨年12月26日、石原伸晃国土交通相に羽田空港再拡張事業に関し、「早急に計画のD滑走路の位置と飛行ルート(案)を明らかにするよう」求める要望書を提出した。これに対し国交省は「1月中に県を通じて滑走路の位置とルートを公表したい」と回答した。
要望は、これまで「3市は県を通じ、首都圏全体で騒音を共有する飛行ルートの実現を求めてきたが、事業は、既に来年度の政府予算(案)に盛り込まれるなど、生活環境に著しい影響を受ける3市住民への説明が全くないなかで進められることは誠に遺憾」と不満を表し、<1>速やかなD滑走路の位置と飛行ルートの明示<2>事業に伴う環境影響などの情報の公開と今後、十分な環境影響評価を行うとともにその結果について適時公表<3>地域住民の生活環境を守るために十分な環境の配慮−を求めている。
3市のなかでも、特に浦安市は「D滑走路の延長線が市の舞浜上空から入船上空に向かって市を縦断している航路となっている。高度も推定で舞浜上空約2000フィート(約600メートル)とかなりの低空」と指摘。「市民の生活を脅かす騒音による環境の悪化が予想される」と危機感を強めている。
市川・市長に策定調整委から都市計画基本案提出市川市都市マス策定調整委員会(会長・大村謙二郎筑波大教授、委員17人)は9日、千葉光行市長に概ね、市の20年後の都市将来像を策定する都市計画マスタープランー案を手渡した。大村会長は「平成14年度から、市民参加の会議を行い、まとめた同案は全体構想と地域別構想の2本立てからなり、まちづくりの推進方策も明記している。これをベースにしてまちづくりを行う際にはフォローアップをしてほしい」と説明。
また都市計画課も「北東部、北西部、中部、南部の地域別構想を約20人ずつの地域住民参加のもと、各地区7回のワークショップを行って構築したことや、将来を担う子供たちの意見も計画のなかに反映したことは、県内でも珍しい」と、ほかの自治体との切り口の違いを説明する。今後、「市川市都市計画マスタープラン案」として市民に周知を図るとともに、29日に開催予定の都市計画審議会に諮問。答申後、県に報告するとともに公告を行い、4月1日から運用する予定。
市川市・県内初の電子決裁実施総合行政運営システムの構築を進めてきた市川市は今年1月から、同システムの一貫として、一部で電子決裁の稼働を始めた。県内で電子決裁実施は市川市が初めて。現在、一日約2百件の電子決裁を行っている―という情報システム部は「将来、一日5百件の電子決済に移行した場合、経済的効果は用紙と人件費など一年間で約2億8千万円の経費削減を見込んでいる」と説明。同時に処理のスピード化やペーパーレスに伴う文書保管場所の確保と、簡単に検索できることなどから、市民への行政サービスアップにもつながり 公文書公開が適切・簡単にできるシステムのステップとなる―という。
同部はコスト削減の積算について、「一日に作成される決裁の件数を約5百件と想定し、一年間260日で13万件。用紙の使用量を一件につき10枚として、一年間削減額は約5百59万円。」と説明。
さらに、「職員が決裁完結するまでの労務時間を30分とみなし、その三十分の人件費を2千2百円と計算し、電子決裁による人件費コスト削減額は約2億8千6百万円で合わせて2億9千159万円となる。これから、システム運用経費をひくと節減効果は約2億8千万円となる」という。
大洲防災公園の工事を近隣住民などに公開市川市は15日、災害時の一時避難地として利用する「大洲防災公園」を近隣住民や周辺自治体、報道関係者に公開し、工事の様子や進ちょく状況、施設などを説明した。防災、福祉、エコロジーに配慮した施設として、4月の開園を目指して現在、工事が急ピッチで進められている。すでに工事は約六割まで進み、完成時には野球やサッカー、ゲートボールが楽しめる多目的広場、野外卓のあるピクニック広場、野外劇場に使える中央広場、子供がジャブジャブ遊べる水の流れやビオトープ風の池、備蓄倉庫などが整備される。
災害時に役立つ施設としては、座部を取り外すことで金網のついたかまどになるベンチや、40のマンホールの穴がトイレになる非常用便層、非常時には物資積み降ろしのプラットフォームやヘリポートにも活用できる中央広場、簡単にテントになるパーゴラや遊具などを設置。地下に設けられる耐震性貯水槽には、1万人が3日間利用できる飲料用を確保。そのほか、防火樹林帯や車イスでも使える野外卓、高齢者や障害をもつ人でも使いやすい蛇口、風力・太陽光発電なども備えている。
見学した住民からは、「かまどの位置がちょっと低いのでは」「非常用ではあるが、高齢者にとっては手すりがないと使いづらい」などさまざまな意見が聞かれたが、近隣に頼りになる施設ができることに期待を示していた。市側は「市として公園を整備するが、完成後の公園を育てるのはみなさんです」と地域によるまちづくり、災害時の助け合いを訴えた。
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