市川よみうり2003年7月 |
市川市では見られなくなったはずの野生タヌキが増加市川市は6月22日に開かれた同市環境フェアで、市内にタヌキが増加していることを発表、「タヌキには、むやみにエサやりをしないこと。生ゴミを夜間に放置しない。金網のゴミ箱にする」を市民に呼びかけた。環境省の調査で、昭和20年代にはすでに市川市内でタヌキは見られなくなったと報告されているが、平成元年から市川自然博物館に目撃情報が寄せられるようになった。生息数は不明だが、交通事故などの死体回収状況をみると、平成10年11匹、同11年14匹、同12年26匹、同13年24匹、同14年50匹と増加している。同市自然環境課は「市川に野生の動物が増えているということは、一度失われた自然が回復しつつあるように思えるが、急激に数が増えたことを考えると、そう単純なことではない」と考察。増加の原因としてh街中に住みかとなる場所が多いiエサとなる生ゴミなどが多いj天敵の野犬などがいない−と説明。「かわいい、かわいそうなど、人間側の都合で安易に接するべきではない」と、餌づけをしないよう注意をうながしている。
自動車免許更新の高齢者講習に不満の声「『70歳以上の人が自動車運転免許更新をするには、高齢者講習を受けなければ更新申請ができない』との通知が届いた。講習手数料は6150円。年金生活者にとっては高い金額なのに。事前の知らせもなく強制するのはおかしい。それに紅葉マークをつけるというのも、高齢社会に逆行する」と市川市の男性(75)が高齢者講習への不満を訴えている。これに対して県警免許課は「高齢者講習は平成10年10月から実施。その後、75歳以上の事故率(第一当事者)が平均で23%減少したので、高齢者講習は効果的−と平成14年6月、講習対象を75歳以上から70歳以上に引き下げた」と説明。さらに同課は講習を『成人検診』にたとえて、「高齢者になれば運動能力や反射神経、視力などの減退を生じる。運転技術の『ドック』と思ってほしい」と理解を求めている。
金額については「きつい方もいらっしゃるかもしれないが、自分の身の安全確保や、相手の安全保障などと合わせた、一般の講習と違って少人数での教習。試験ではないので、受ければ更新できる。自分の運転技術の確認と向上に役立ててほしい」という。
動き鈍いコミュニティサポートシステム市川市教委が今年度からスタートした「子供を中心において、地域の諸団体が枠組みを越え、みんなで力を合わせて活動するコミュニティサポートシステム」(企画調整課)は、市内56小中学校の地域の委員会組織状況は6月20日現在、「すでに組織された地域が11小中学校。全く立ち上がっていないのが16小中学校。一回目の会議の日程が決まっているのが23小中学校、組織案はあるが日程の決まっていないのが5小中学校」(同課)とバラツキのあることが、さきに開かれた6月市議会で明らかになった。6月30日、ナーチャリングコミュニティ実行委員長会議(会長・小山勝南行徳ブロックコミュニティクラブ委員長)が開かれ、市教委はコミュニティクラブを立ち上げてほしい−と要望。また来年度委託料配分の仕方について、7−9月まで実行委員長会議で検討していくことを提案したが小山さんは「各地域の意見は、これまでどおりにナーチャリング活動を進めたいとの意向が強い。コミュニティクラブ立ち上げについてはまだ、足並みがそろっていない」と語っている。
市川市教委「生徒指導体制の再点検」を通達沖縄と長崎の両県で、中学生が殺人−という事態を重視した市川市教委(西垣惇吉教育長)は10日、同市立56小学校長に「生徒指導体制の再点検と児童生徒の心のケアについて」通知書を発信した。
また西垣教育長は「大変深刻、かつ重大な問題として受け止めている。児童生徒がこのような異状事態をどのように受けとめ、心をいやしていくのか懸念される。いままで以上に、思いやりのある児童生徒の育成を図っていくことが極めて重要と考え、取り組む」と語った。通知書は、教育に携わるもののみにととまらず社会全体に大きな衝撃を与えている−と前置き、「一中学生が起こした特異な問題としてとらえることなく、義務教育に携わる者全体がこれまでの取り組みをいま一度見直し、子供の立場に立って複雑な心を理解するという困難な課題に取り組むことが極めて重要」と喚起。h学校教育全体で有効な指導・豊かな人間関係づくりが推進されているかどうかi多面的に子供を理解する重要性を全職員が確認、その実現に努めているかj教師一人ひとりが、児童生徒の悩みを広く受け止める姿勢で接しているかk児童生徒の動向・心の変化を敏感にとらえ、きめ細かな指導がなされているか−などの再度点検を徹底するよう要望している。
市川市教委は1日、同市立56小中学校にあて、19日からの夏休み期間「児童生徒の指導について留意すべき事項」を送付した。
通知書は児童生徒が外出する際h外出先・用件・帰宅時間などをあらかじめ家人に告げるi見知らぬ人からの誘いには絶対応じないj危険な場所には立ち入らないk公共の場所・施設などの利用には、他人に迷惑をかけないようにするよう、指導の徹底を呼びかけている。
また2学期から、不登校や問題行動を起こす児童生徒の増加が見られるので、学期始めにはそれぞれの学校の指導体制に基づいて学級担任は問題の早期発見に努め、機会を通して指導の徹底を図るとともに、その未然防止に努める−と、目標を掲げ、「必要に応じて休業日中も家庭訪問などで、児童生徒と接触する機会を持つなど、生活状況や交遊関係の把握に努め、問題行動の早期発見と早期指導に努める。薬物乱用や未成年者の飲酒・喫煙は、身体に悪影響を与えるものであり、法律で禁止されていることを具体的な事例で示したり、視聴覚機器を活用するなどして、十分理解させるとともに、保護者に対しても徹底した指導・監督を依頼する」と具体策を提示した。同市内での過去3年間年間の少年(中高生)補導状況は、平成12年度が560件、同13年度411件、同14年度393件と減少。月別では、平成12年度7月が101件、同13年度同90件、同14年度同50件と7月は減少しているが、8月は12年度93件、13年度69件、14年度101件と増加している。
買い物袋持参運動拡大に推進検討会を組織買い物袋持参運動を広く根づかせたい−と市川市はこのほど、市内自治会や消費者団体、商店会などの代表による「買物袋持参運動推進検討会」(会長・相川恒平市川商工会議所商業3部会長、委員15人)を組織。9日、市川商工会議所で初会議を行った。
市は設置目的を「資源循環型都市いちかわを実現するため、消費者、事業者、行政などのすべての関係者が協力して廃棄物の発生抑制を推進するとともに、買い物袋持参運動を行う際に、関係者代表で取り組む態勢の構築を検討すること」という。また、市川市廃棄物減量等推進審議会が答申で「事業者、市民、市が一体となった取り組みの構築を図る懇談会の設置」を提言していることもあって今後、「事業者や消費者が実施する、これからの運動の活動方針に関することを協議し、運動の実施状況を把握、長期にわたって運動の継続方法を立案することを検討・協議していく」(リサイクル推進課)。
市は会議のなかで「ゴミは市がただで収集するのでなく、市民がお金を出して捨てている物と知らせる必要がある」と述べ、「この運動にしてもそれが分からないと市民に受け入れないし、長続きはしない。事業者が市民と店先などで話されることが大きな輪となっていく」と協力を求めた。 平成13年度から、地域モデル事業で、買物い袋持参運動のモデル事業をスタートさせた市は今年度、さらに市内全域にわたって10月から16年3月まで運動の展開を予定している。
買い物袋持参運動が市内全体に波及できれば、事業者にとってもレジ袋を減らせ、コスト的にも有効な手段となり、一方の市にとってもゴミの収集運搬量、処分量が減ることで、「その分の予算を他の事業に有効活用できる」と効果に期待をしている。
市民の会が市長と市教委にナーチャリングコミュニティ存続要望市川市の市民グループCS・NCの統合問題を考える市民の会(松崎利光代表)は19日、千葉光行市長と市教委に「地域住民が学校間を超えて連帯感を深め、どこの生徒・児童であっても声掛けができるようになる、ナーチャリングコミュニティ(NC)制度を守ってほしい」との要望書を送付した。現在、市教委は16中ブロックのNC事業を、56小中学校ブロックに細分化してコミュニティサークル(CC)事業に転換させる方向で各NC実行委員会と協議を重ねている。要望書は長崎の中学生による殺人事件にふれ、「NCの理念『子供たちを視野に入れて地域住民のコミュニティの構築』『幼、小、中、高、異年齢の交わり』『幼、小、中、高一環した地域住民の見守り』が長崎にあったら、この事件はなかった」と述べ、市川で青少年の凶悪な事件が起きていないのは、CS・NC・ライフカウンセラー制度があるからという人もいる−と指摘、「素晴らしい制度を守らなくてはならない。コミュニティクラブ(CC)で56小中学校に分かれてしまったら、どこの学校の子供たちに対しても区別なく声を掛けることが難しくなる。NCを守ることが市川の子供たちを守ること」と訴えている。