市川よみうり2003年4月
堂本知事が市川市大町の緑地を視察堂本暁子知事は3月21日、市川市大町の都市近郊緑地の現状を視察した。大地に根を張る樹木なくして都市機能を維持することも、地球環境を守ることもできない−と同市の山林所有者で組織する市川みどり会(浅海文雄会長)が2月12日、知事に提出した「都市の山林等緑地保全に係る農地並相続税猶予制度の創設を求める陳情」を重視した堂本知事は、同会や市の説明を受けながら散策、その後、市川みどり会と松戸・ふるさと森の会と懇談を行った。

 浅海会長は「いま、都市圏の緑地は減少の一途をたどっている。その原因の90%は相続税。このままでは、東京都市圏の樹林地はあと20年で消滅。これに歯止めをかける手だては国に『山林における相続税の農地並納税猶予制度の創設』をする法律を作ってもらうしかない」と県からの働きかけを要望。
さらに「山林が無くなれば東京湾は死滅する。水の浄化になくてはならないこの木々の力を、そして三番瀬に向かう清らかな水の流れを見てほしい」と訴えた。これに対して堂本知事は「鋭意努力して国に進言していく」と答えた。

 市川みどり会は昭和47年2月、市の山林所有者で美しい緑を次世代に引き継ぐことを目的に発足。市と山林の「緑地保全に関する協定」を締結、保全に務めてきた。しかし「宅地並みの相続税がかかり、相続税を払うために売却」(公園緑地課)を余儀なくされ、発足当時の協定面積136ヘクタールから平成14年度末で約49ヘクタールと89ヘクタール減少している。
 


統一地方選・県議選告示統一地方選挙の前半、13日に執行される県議選が4日に告示された。定数2の浦安選挙区には3人が立候補。現職の小松敦氏(共産)に、市議の西山幸男氏(無所属)と、元市議の内田秀樹氏(無所属)が挑む形になるが、固い組織票をもつ小松氏を除く残り一議席を、西山氏と内田氏が争うかたちになりそう。
 6人が名乗りを挙げた前回選挙で、初出馬ながら現職市議(当時)の知名度と、組織票だけに頼らない強みで一万に迫る票を獲得、トップ当選を果たした小松氏は、再選と同選挙区初の共産党の議席確保を目指す。
 一方、西山氏は前回の市議選に初出馬で当選。議会では最大会派「浦安21」に所属、松崎秀樹・浦安市長を支えてきた。また内田氏は8年前の市議選に初出馬で、新人ながら2位当選の存在感を見せたが、前回は出馬を断念した経緯がある。松崎市長を支持する西山氏と、旧市街地を中心に熊川前市長の票を固める内田氏の獲得票は、27日に執行される市議選の前哨戦としても注目される。

激戦の市川選挙区は注意・警告が増加
 4日に告示された県議で、市川地区選挙区は定数六に対して現職6人と新人3人が立候補。13日の投票日までそれぞれの選挙戦を展開し政策をアピールしている。立候補者は赤間正明(41)=公明現、金子和夫(77)=自民現、岸秀一(46)=無所属新、古小高弘則(59)=共産現、小島武久(62)=自民現、近藤喜久夫(61)=自民現、村上克子(63)=社民現、村越祐民(29)=民主新、増田三郎氏(67)=無所属新の9氏。


必要な場合だけ鳴る音声信号機を県内で初設置「ぴよぴよ」や「かっこー」音で、視覚障害者が横断歩道をわたる時に役立つ音声信号機で、音を必要とする通行者がいる場合に限ってメロディーの流れる音声信号機がこのほど、浦安市美浜1の7の1地さきの交差点(通称・美浜交差点)に、県内で初めて設置された。
 市内在住の視覚障害者などからの要望を受け、市や警察が音声信号機の設置を検討してきたもので、同交差点は住居に近いことなどを考慮して、必要時以外には音が鳴らない新しいタイプを導入を決めた。

 音が流れるのは、市が視覚障害1、2級の市民のうち希望者に配布する「カード式送信機」を使い、ボタンを押すことで作動させるか、交差点に設置されているボタンを押したとき。これらの操作をした場合には、従来30秒の歩行者信号の青が9秒長く持続される。これは同交差点が、片側3車線の大通り(通称・やなぎ通り)と交差することから、車いす利用者や高齢者を含めた交通弱者に対応したもの。音声信号機の作動時間は午前6時から午後8時まで。


浦安市長の百条委設置議決取消審査を知事は棄却松崎秀樹・浦安市長が同市クリーンセンター運転管理業務委託業者から資金提供を受けたとされる問題解明の目的で設置された同市議会調査特別委員会(通称・百条委)を、同市長は「調査事項が市の事務に当たらず、百条委の調査権の範囲を逸脱している」などの理由から堂本暁子知事に、百条委設置の議決取り消し審査申し立てを行った件で8日、知事は棄却の裁定を下した。

 裁定に関する判断として「(百条委設置は)委託業者と申立人(松崎市長)との間の資金の流れやその性格だけを取り上げたのではなく、当該資金とクリーンセンター運転管理業務委託契約などの市の業務との関係を含めて調査対象としたものと解することができる」と述べている。
 同百条委は昨年12月19日、同市議会で設置を議決。松崎市長が再議を求めたことから1月22日に市議会臨時会を開き、再び同一の内容で議決された。これを受けた松崎市長が1月24日、知事に審査申し立てを行っていた。
 裁定結果について松崎市長は、「内容を十分精査して、今後の対応を検討したい」との見解を示している。


高谷地区のダイオキシン不安残る市川市は昨年12月に同市高谷の旧市清掃工場跡地に隣接する水路の低質(低泥)に含まれるダイオキシン類を調査した7検体のうち、3検体が環境基準(150ピコグラム)を上回る170−890ピコグラムであった−との結果を明らかにした。原因について、市環境保全課は「埋め立てをする際に、何らかの形で焼却灰が混入した可能性がある」と説明している。

 また、7.6ピコグラムと環境基準(1ピコグラム)を上回っていた同水路の水質は「汚染要因は汚染低質の巻き上げによるものと考えられ」(同課)、ろ過後は0.07ピコグラムに低下していることを説明。今後の対応策として「汚染された水路約80メートルは埋め立てを行い、汚染低質を封じ込める計画」で、必要なモニタリングを継続していく−という。

 今回の調査は、平成12年5月から7月まで国土交通省が高谷地区の東京外郭環状道路予定地で行ったダイオキシン類調査の結果、埋め立て地の廃棄物層のなかから、土壌で環境基準(1000ピコグラム)を上回る1100ピコグラム、廃棄物の水質から環境基準(1ピコグラム)を上回る22ピコグラムのダイオキシンが検出されたことを受けて行われた。


市川市教委とボランティア・事業名巡るゴタゴタ尾を引く市議会が新年度の教育事業で、新規コミュニティクラブ事業の名称を従来のナーチャリングコミュニティ(コミュニティクラブ)事業と修正承認したにもかかわらず、市川市教委は16ブロックナーチャリングコミュニティ実行委員会と「コミュニティクラブ」の名称で委託事務事業を進めていたことが分かった。

 事業名が変わっていない理由の説明を求めた村岡民子環境文教委員会委員長に市教委は14日、改めて「コミュニティクラブ事業をナーチャリングコミュニティ(コミュニティクラブ事業)に変更し、14日付けでコミュニティクラブ事業名称の訂正について16中ブロックナーチャリングコミュニティ実行委員会委員長に送付した」と説明をした。
 名称を巡って、市教委の姿勢が二転三転したことについて、一部のブロックではボランティアから「混乱を招いた原因の責任者・西垣惇吉教育長がきちっと謝罪すべきである。ボランティアを頼んでおいて、送付の訂正文章は地域教育課の取り扱いで済まさせようとするのは長のすることではない」と厳しく追及している。


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