市川よみうり2002年10月
家庭ゴミ減量とリサイクルを討論 家庭ゴミを減らすにはどうしたらよいか−を考える、市川市の市民公募組織・循環型社会推進懇談会(じゅんかんプロジェクト=北村亨座長、委員15人)の第2回会議が9月25日に開かれた。
 会議では「分別はめんどうくさいこと。時間と手間がかかり、自分の家にも分別のスペースがいる。捨てた方が楽で家もきれいになるという意識をどのように変え、分別の意義をどのようにアピールしていくか」と市民意識の改革面から意見が出された。

 一方で「リサイクルという言葉に惑わされないでほしい。リサイクルは環境によくない。カン・ビンを集めて加工するときはエネルギーを使う。結果的には環境によいことではない」と別な角度からの指摘も出され、平成12年度市の処理費は「ゴミ1キロ当たりの収集運搬と処理費が合わせて38円に対して、資源物1キロでは75円と資源化貧乏になっている」(リサイクル推進課)実態が紹介された。
 同課は「発生抑制−再使用−リサイクルの優先順位で施策を進め、最終的にはゴミの総量を減らしたい。平成23年度までに、市民一人一日あたりのゴミ排出量を現在の1020グラムから900グラム以下に減少させる」いちかわじゅんかんプラン21の目標を説明した。 


真間山・マンション建設問題で法廷闘争 市川市真間四丁目、旧木内家別邸跡地のマンション建設問題で、市川国府台マンション住民と国府台一丁目自治会員、市民有志・近隣住民の35人が9月26日、千葉地裁に、「市川市が同地で行った住宅地高度利用地区計画決定は無効」と提訴した。これまで地元住民と市、建設業者などで協議が続けられていたマンション建設問題が司法の手に委ねられることになった。
 訴状では「住宅地高度利用地区計画を都市計画法は『土地の利用状況が著しく変化しつつあり、または著しく変化することが確実であると見込まれる区域であること』と規定しているが、市がそのような行為をした、またはしている事実が存在しない」と訴え、「都市計画は、事業者の計画が存在することを理由に決定、変更するものではなく、すでに生じている地域の実態と維持すべき地域の環境などを総合的に判断して決定、変更すべきものであり、本件決定の手法は本末転倒、事業者の要請に市長が応じたこの決定は、都市計画法に定める要件を欠いており、明白かつ重大な違法性を有している」と追及している。

痴ほう高齢者の「わたしたちの家」誕生痴ほうにより自立した生活が困難になった高齢者が、数人の仲間とスタッフとともに共同生活する「グループホーム」の市川市内で2番目となる「安養永野荘」(南大野二丁目、太田孝一ホーム長)が1日にオープンした。鉄骨3階建て家屋の2階全室を借り切り、完全個室9部屋に改装したホーム内は、廊下など壁には手すりが設けられているが、約五畳の和室とふろやトイレは一般家庭と同設計で、食堂も大きめの木製テーブルが一つと、いすが配置されているシンプルなもの。
 スタッフは太田ホーム長のほか常勤4人とパート4人。同ホームが憲章に掲げるのが、「わたしたちの家」。「これは入居者だけではなく、スタッフも含めてのもの。一人ひとりが家の主として個人の暮らしや歴史を守りながら、一つの家族として生活して、こだわらず、ゆったり安心して暮らせる環境づくりに努めたい」と太田ホーム長。門限はあるが、外出は自由。
 「周辺地域の理解が得られず難航した」ホームづくり。試行錯誤を繰り返して、ようやく船出を迎えたいま、利用状況によっては3階部分の増設も視野に入れ、「入居者と家族も含めて旅行がしたい」と夢をふくらましている。安養永野荘(TEL303・7866番)。

浦安市長選告示を前に公開討論会 任期満了に伴い27日に執行予定の浦安市長選を前に、市民有志で組織する「浦安で公開討論会を開催する会」は12日、同市市民プラザで立候補予定者の公開討論会を行った。同日現在、出馬を表明していた松崎秀樹氏(現職)と、熊川賢司氏(新人)が参加、一騎打ちの様相を呈するなか、20日の告示日を前に舌戦を展開した。
 市内在住のジャーナリスト・高田圭子さんのコーディネートで「まちづくり」「財政」「高齢者対策」「子育て支援」「教育」「環境」「障害者支援」など、立候補予定者に対して事前に質問した11項目の回答をもとに、両氏が施策をアピール。

 「財政」では熊川氏が市が今年4月から運行している「おさんぽバス」の事業計画を批判するなど開始早々から、満員の会場は緊張感につつまれた。「おさんぽバス」は松崎氏の選挙用リーフレットの裏表紙を飾るなど松崎市政の顔となる事業の一つ。
 また、幼稚園や保育園の民営化を進める松崎氏に対して、教育問題は行政が責任をもって公営で行うと主張する熊川氏。高齢者の活性化で「やりがい」(松崎氏)「生きがい」(熊川氏)をもって活躍できる地域社会づくりや、幼稚園と保育園を組み合わせた「こども園」(松崎氏)「子ども園」(熊川氏)の設立、学区のブロック化で学校の自由選択制の導入など類似意見も多くみられたが、教育・福祉など争点ともなる施策の違いも鮮明に引き出された。
 互いに三つずつ質問・答弁を行ったコーナーでは、4年間の松崎市政などに対して熊川氏が厳しい質問。また、熊川氏が発行したビラの内容について松崎氏が反発するなど、激しいトークが繰り広げられた。


参院千葉選挙区は新人3人の争い 参院千葉選挙区の補欠選挙が27日、県内一斉に行われる。同選挙には街づくりプランナーの無所属・若井康彦氏(56)=民主・自由・無の会推薦、前県議の自民・椎名一火氏(50)=公明・保守推薦、党役員の共産・浅野史子氏(32)の新人3人が立候補。10日の告示から17日間の選挙戦でそれぞれの支持を訴えてきた。
 市川市では72投票所で午前7時から午後8時まで投票が行われる。有権者数は37万1203(男性19万1915人、女性17万9288人)。平成10年7月12日の参院千葉選挙区選挙投票率は50.92%、同13年7月29日の同選挙の投票率は48.67%だった。
 今回、不在者投票は伸び悩み、市民の関心はいまひとつ。静かな選挙戦となっている。市選挙管理委員会は、広報車3台で、27日投票日に投票を訴えるとともに街頭などで啓発チラシを配布。棄権しないでほしい−と呼びかけている。
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