市川よみうり1-00
難病を克服して社会人学生が主席卒業
浦安市・明海大で3月23日、卒業式が行われ、脳内出血による半盲状態を克服して、同大不動産学科二部を主席で卒業した主婦で社会人学生の小西京子さん(65)が、学業成績最上位者に贈られる「宮田賞」を受賞した。大病から卒業までの間には、学ぶことへの強い意欲と、夫・寿朗さん(68)の支えがあった。
小西さんは平成10年4月、62歳の時に社会人特別入試で入学。きっかけは、前年に寿朗さんや知人らと、社会に開かれた大学を目指す同大の公開講座を受講したこと。講義に強い関心を抱いた小西さんは早速、その日のうちに入試資料を持ち帰るほどだった。<BR>
翌年の夏休みには、英国ケンブリッジ大に10日間短期留学するなど、積極的に学生生活に取り組んでいたが、同12年6月、宅建資格取得のため一日3、4時間睡眠を繰り返す生活で疲れがたまったのか、講義中に突然気分が悪くなり、救急車で病院に運ばれた。脳内出血のため自発呼吸ができないほど危険な状態に陥り、手術を行ったものの、くも膜下出血も併発していて、後遺症の可能性があると診断された。
手術後は「あいうえお」も分からない状態だったが、退学を考えたことはまったくなかった。むしろ「健常者と机を並べて講義に出席できることがリハビリに最適」と、後期が始まる9月には大学に通い始めた。一人歩きも困難な状態を助けたのが寿朗さん。大学への送迎や教室の移動介助、講義をカセットテープへ吹き込むなどの手伝いを快く引き受けた。
モットーの「ネバー・ギブアップ」の精神で、入学時の目標「4年で卒業」を成し遂げた小西さんは、後輩たちに「だれもが『いまが一生のうちで一番若い時』です」とメッセージを送り、大学生活を「日々、きょうはいい話を聞いたな−の積み重ねだった」と振り返っている。
市川市に放置自転車再利用の「コミュニティサイクル・フレンドシップ号」登場 年間平均約1万3千台が、市川市クリーンセンターで破砕処分されていれる市川市内の放置自転車を再利用できないか−との中高校生の問いかけを受けて、NPO青少年地域ネット21(花崎洋理事長)はこのほど、地元自治会や子ども会、企業と連携して、誰もが定められた場所に乗り捨てることのできる「コミュニティサイクル・フレンドシップ号」計画を発表した。
同ネットは「乗り捨て自転車を意味するフレンドシップサイクル。必要な時に必要な人が利用して、必要でなくなった時に乗り捨ててもらい、ほかの必要がある人がそれを利用する循環を生み出していくもの」と説明する。
市から無償で譲り受けた引き取り手のない放置自転車に、広告契約を結んだ企業名を取り付け、広告料で自転車整備や撤去作業の費用、子供たちに塗装をしてもらうペンキ代、管理人件費などを捻出する「企業・行政・NPOの三者が一体となった、放置自転車の解消と地域コミュニティーの活性化を目指す」。
27日から、放置自転車数全国第2位の東西線行徳駅を中心に、市川南部地区に100台を配備、スタートする計画。
また、整備や撤去作業の費用として、企業広告料を募集する。現在、行徳地区の200台分は確保したものの、今後予定の市川分600台については未定のため、市内事業所に協力を求めている。問い合わせは同事務局(TEL390・3988番)。
マンション建設計画をめぐって住民と市が目まぐるしい攻防 市川市真間四丁目の、旧木内家別邸跡地のマンション建設計画をめぐって住民が県開発審査会に提出した審査請求に市側が弁明書、住民側の反論書、市側が再弁明書、住民側の再反論書−と、地域住民と市との間で目まぐるしい攻防が続いている。
発端となったのはマンション建設の反対をしている市川国府台マンション管理組合や地域住民有志が、昨年12月25日、マンションと地域住民40人の署名を添え、県開発審査会に、開発許可処分の取り消しを求める審査請求書を提出したことに始まる。
この審査請求に対して市は今年1月29日、棄却を求める弁明書を審査会に提出。住民らは2月27日、弁明書に対する反論書を提出。さらに市が3月15日、再弁明書を提出したことから住民らは4月8日、「行政は市民のためにあるのか、それとも業者利益のためにあるのか? 市民の要望に背を向け、強権を発動して環境破壊的な開発行為を後押し、人間不在というべき行政の論理だけがまかり通る」と厳しい再反論書を提出。市に「納得出来る弁明の提供」を求めている。
住民の再反論書は「われわれ市民が『この開発は変だ』『どうして第一種低層住居専用地域で風致地区のこの真間山に、20メートルのマンションが建ってしまうのか』『どうしてもこの山の緑は守りたい』と素朴に疑問を抱き、法律に関する知識など皆無に近い住民たちが力を合わせ、開発審査会での審査請求という手段を選んだ」と説明。「処分庁(市川市)の弁明は法律論のみで、憤りを通り越し、悲しみさえおぼえる」と審査会に訴えている。
一方、市は「開発行為の許可基準を満たし、法的に何の不適合なものでなく、審査請求人らの主張は、都市計画法の解釈運用を誤ったもの」と述べ、再弁明書では「審査請求らは不服申し立ての当事者適格を有しない。したがって本件審査請求の申し立てては速やかに却下されるべきである」と求めている。
三番瀬再生計画は「円卓会議の意見を最大限尊重」と副知事 県の第3回・三番瀬再生計画検討(円卓)会議(座長・岡島成行大妻女子大教授)が17日、浦安市日の出公民館で開かれた。前回、委員から出された第二湾岸道路計画について、大槻幸一郎県副知事は「この円卓会議の意見を重要、最大限尊重する」と2月県議会で答弁した堂本暁子知事の言葉を伝え、「道路計画が三番瀬と調和の図れるよう国と検討して、そのプロセスにおいて情報公開していく」と説明。三番瀬再生計画を最大限実現するよう努力する−と発言した。
しかし県の「今年度、三番瀬海域で市川航路の浚渫(しゅんせつ)事業と船橋側のアサリ漁場の覆砂(ふくさ)事業を予定している」との説明には、委員から「これから円卓会議で再生計画を協議していこうとしている矢先に出された、二つの事業はどういうものなのか」「われわれは何のためにここにいるのか」など批判が相次いだ。
一方、漁業関係委員から「覆砂事業は実験的・試験的な緊急事業。アサリの激減を抑え、何とか復元してほしい−という漁業者の立場もある。やってみなければ(二事業の結果は)分からない」などと支持する意見もあり、両事業とも小委員会で議論を行うことになった。
また、江戸川第一終末処理場計画について、大槻副知事は「市川市本行徳の石垣場・東浜地区四八 で検討している」と説明。「さきごろ、地権者210人にアンケートを実施した結果、158人のうち『条件つき』を含む129人から、『建設計画に協力する』との回答をもらった」と発表、この日の会議を終了した。
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