市川よみうり04-00
浦安市一般会計当初予算案3年連続でマイナス浦安市は歳入歳出ともに431億円(対前年度比1・4%減)の一般会計はじめ、総額615億4500万円の平成13年度当初予算案を、定例市議会に提出した。市民税では個人が対前年度比で1%増えたものの、法人がマイナス34・1%と大きく減り、市民税全体では3%の減少。ここ数年「厳しい財政状況」のなかで、「近隣他市に比べれば裕福」といわれてきた同市も、一般会計は3年連続の減少となった。
目的別歳出では民生費が前年度比5・1%増の92億1658万円(構成比21・4%)でトップ。構成比16・8%の土木費が72億6089円(対前年度比15・3%減)で、同16・6%の教育費が71億6930万円(同比9・7%減)と続く順位は今年度と同じだが、1位と2位が僅差だった今年度に比べ、民生、教育に重点を置いた配分となった。
主な新規事業では、集合事務所を(仮称)青少年館や子育て支援センターとして利用するための改修整備を行う集合事務所改修事業1億8000万円、水害対策としてハザード・マップ作製のため地形測量を行う水害対策シミュレーション策定経費472万5000円、インターネット初心者の市民を対象に講習会を実施するIT講習事業7389万2000円、同市文化会館の大規模改修事業(2年継続事業)3億3956万円、市制施行20周年事業750万円、小学校の余裕教室を活用して放課後に異年齢児間の交流を促進する放課後異年齢児交流促進事業1026万8000円、舞浜連絡路整備事業(舞浜連絡路環境対策事業)2億円、コミュニティーバス運行実施計画策定などコミュニティーバス事業1億5720万3000円、市立富岡小学校エレベーター整備事業2640万4000円が挙げられる。
定期券区間の出張旅費請求に対する監査請求を却下「市職員は職務上の移動時、支給された定期券の区間でありながら、相当数が出張旅費を請求している」と、旅費の支払い返還を求めて市民グループ・オンブズマン市川の男性(53)が昨年12月、市川市監査委員会に監査請求を提出した件で、同監査委は2月20日、「本件監査請求は棄却する」と請求者に通知した。しかし「区間的な重複は認められた」として今後、市に「旅費の趣旨の原点を職員一人ひとりが自覚し、制度の改善に向け、努力するよう関係部局に喚起した」。請求者は「市から『定期券区間の旅費について申請しないよう制度改正を行う』と返事をもらい、目的の半分以上は達せられた」と述べている。
市人事課では「通勤手当と旅費は別々の条例規定のなかに位置付けられ、(重複した場合)柔軟な考えが出来なかった」と苦しい答弁。今後は、「重複請求がないように制度を改正すると同時に、職員の意識改革を強化していく」と述べている。
請求棄却の理由について同監査委は「出先事業所などを抽出調査したところ、通勤簿と出張命令簿を照合したなかで区間的重複が認められた」と請求者の主張を肯定しつつ、「監査委員も具体的な証拠に基づく重複事実の認定ができない」を挙げ、「請求人が主張する出先事業所職員の通勤簿と、出張命令が照合した結果での憶測はできるとしても、これを証明することは困難」と説明している。
最先端情報技術の拠点「いちかわ情報プラザ構想」発表市川市はこのほど、最先端情報技術の拠点「いちかわ情報プラザ構想」を発表した。同構想は市が、経済産業省から出資を受けた地域振興整備公団に働きかけて、JR本八幡駅南口にある市有地(現在、自転車駐輪場)に情報プラザを誘致するもの。駅前にある自転車駐輪場上部の有効利用を図るとともに、中心市街地の活性化に役立てる−と情報システム課は説明。「地域振興整備公団が建設、管理運営を行っていく」。
開発区域面積773・22平方メートル、延べ床面積約3400平方メートルの地下1階地上6階建て。地下は自転車駐輪場に利用。2階と6階に「電子市役所による電子申請や、テレビ電話などによる市民からの遠隔相談窓口を計画」(同課)。と同時に「情報システム課とコンピューター室が引っ越して市役所内部の情報部門から地域全体の総合情報システム課を目指す」と説明している。「市民には自由に来てもらい、ホームページ作成方法やIT関連の相談など、情報カフェテリアや電子空間の場づくりを行っていきたい」と構想を語っている。
また、ほかのフロアは賃貸オフィスとして整備公団が入居者を募集する。今年7月ごろに着工、平成14年4月から業務開始予定。整備公団のホームページによると、総事業費約10億円を計上している。
浦安市長念願の子育て支援施設実現へ22日に閉会した浦安市議会第1回定例会は「平成13年度一般会計予算」など議案37件を採択した。同議会では、ケーブルテレビ・スーパネットワークユー(SNU)移転に伴う集合事務所の跡の、(仮称)子育て支援センター、(仮称)青少年館転用を採択。これで松崎秀樹・浦安市長の念願でもあった計画が実現する運びとなった。
施設概要は、同事務所の1、2階を青少年館、3階を子育て支援センターとし、「青少年が自由に集い、遊び、学べる機能を持ち合わせる、いわゆる青少年の居場所づくり」となる青少年館1階には、仲間づくりができるコーナーとして、会議室、楽器演奏やコンサート、軽スポーツができる広場を設置。2階には学習コーナーやオーディオ、ビデオ、パソコンコーナーを整備する。
また、平成9年度に策定された「浦安みんなで子育てプラン」の計画に基づいた子育て支援センターは、主に就学前の親子の交流を目的とし、保育士など専門家の子育て相談員を配置するほか、親子が自由に遊べるオープンスペースを設置する
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これまで松崎市長が打ち出した、郷土博物館の用途転用、人口浮島・メガフロートの誘致など、大型事業計画がたびたび市議会の同意を得られないといった結果が続いていたが、同市長が就任前から強く希望していた、子育て支援センターや青少年館が設置に向けてようやく着工される。「集合事務所はシビックセンターに位置するという立地条件に恵まれていることと、今後の財政状況から新たな施設整備が難しい」と市が説明する一方、「建物が(子育て支援センターや青少年館の)利用に適しているのか」といった疑問の声も聞かれ、今後の改修状況が注目される。
平成13年度から10年先までの「市川市教育計画」を発表夢・豊かな心と生きる力を−。市川市教委はこのほど、平成13年度からおおむね10年先までの「市川市教育計画」を発表した。これまでは各年度ごとに定めていたが「平成14年度から週5日制が完全実施され、同時に学習指導要領の改正で総合的な学習が導入、これまで経験したことのない時代を迎えようとしていることから、初めて10年先までの計画を構築した」という。
同計画では、従来の理念・方針・行動−という構想順序を取り払い、「夢・実現に向けての21の行動テーマを最初に掲げているのが特徴」(市教委企画調整課)で、その「行動1」に「子どもを大事にする教育の推進」を挙げている。大事のなかには、を子供を大切にすると同時に、大きな事業との意味合いも含んで、「子供を大事にすることは当たり前。しかし、ここまで明文化して行動の一番に位置付けなければならないほど、子供に対して大人社会はふところが狭くなっている。国際的・国内的な事実から、もっとひどくなっていく−という、予言的な意義も含まれている」と関係者は語る。
計画の基本理念は「進んで学習に取り組み、学びの成果を生かす自立心と、社会性にあふれた人間を育成し、行動の教育をもって、夢のある豊かな心と生きる力が醸成される学習環境をつくる」と宣言。行動教育のキーワードに自立・体験・地域・交流(ネットワーク)・連携・連帯を挙げ、行動の基本となる自立は、ある日、突然自立するのではなく、自立に向けた小さな自立訓練を繰り返しながら成長するもので、この訓練が遊びであり、体験である−と説明している。
また「豊かな体験は確かな知恵と体力を生み出し、豊かな心を育み行政や家庭・学校・地域が子どもの自立を意識した体験の場を提供することは、大人たちの責任」と述べている。