市川よみうり04-00
市川よみうり2000年12月
ディーゼル公用車に微粒子除去装置(DPF)を装着 ディーゼル自動車から排出される浮遊粒子状物質による大気汚染が問題となっている現在、市川市は県内各市にさきがけて、市のディーゼル公用車に「ディーゼル微粒子除去装置(DPF)」を装着、同時に国の施策に前倒しして、軽油に含まれる硫黄分が現行の500ppmから、50ppmに低減した燃料を使用することを決めた。11月29\日の記者会見で千葉光行市長が明らかにしたもので、同市長は「今年1月の尼崎公害裁判で、初めて一定濃度を超える浮遊粒子状物質の排出差止判決が出された。判決に使われた資料は、千葉大医学部が市立信篤小を含む児童のぜんそく症状などの発症率を疫学的に調査したもの。市では大規模な都市計画道路の建設が進むことから、自動車交通公害対策、なかでもディーゼル車対策は急務」と説明した。
 現在、同市が保有する97台のディーゼル車のうち2台に平成12年度、試験的にDPFを装着、さらに同13年度はDPF装着3台、天然ガス車に代替3台、ガソリン車に代替11台−と、同16年度までDPFを51台に装着、天然ガス車に代替7台、ガソリン車に代替18台を計画している。市環境部では「ディーゼル排気中の粒子状物質を90%以上削減できる」という。

市川市と市内94事業者が「環境保全協定書」を締結 市内事業者が協力して地球環境の保全に−と、市川市は11月29日、同市文化会館で市内94事業者と「環境保全協定書」を締結した。同協定は「事業者自らが削減目標を設定し、環境への負荷の低減を継続的に行っていく」(環境保全課)内容。締結にあたって市は、これまで公害防止協定を締結してきた約300事業所に働きかけた。同協定は規制ではなく、事業者の自主管理活動の重要さを示したもので、なかには企業が環境負荷の努力をしていく温室効果ガスの排出抑制、グリーン購入の促進など、具体的な細目協定書もふくまれている。
細目協定では地球環境保全対策の推進(温室効果ガス排出の抑制、オゾン層破壊物質排出の抑制、窒素酸化物などの排出量削減)。資源の循環利用の促進(廃棄物の減量化・再資源化、包装資材の削減、廃棄物の適正処理、拡大生産者責任理念の導入、新エネルギーの利用、グリーン購入の促進、省資源対策の推進)。自動車交通公害防止(大気汚染物質の排出抑制、低公害車などの使用促進、アイドリング・ストップ促進。大気環境保全対策(廃棄物焼却炉の使用中止)。水環境保全対策(富栄養化対策、油流出防止対策、温排水などの対策)。地球環境保全対策(地下水保全対策、土壌汚染防止対策)ほか、悪臭防止対策、環境フェアなどへの参加を盛り込んでいる。
 今後、市では環境保全に関する情報を提供しながら、協定締結事業者間の情報交換が進むような機会を設けるなど、支援に取り組みと同時に、優れた環境保全活動については表彰していく計画で、残りの事業にも働きかけていく−という。

ゴミの分別が出来ていない市川市役所  市川市は先月、環境への負荷低減の継続性を保つため、事業者自らが削減目標を設定する協定を、市内94事業所と結んだ。同市は協定書のなかで「環境問題の対応は規制の時代から自主管理の時代に移り、事業者による自主管理活動の重要性が認識されている」と自主管理を強調し、さらに「事業者は削減に向けて従業員の教育」の役割を求めている。しかし一方で市庁舎には、紙ゴミと燃えるゴミを区別しない一部職員の「意識の低さ」(市リサイクル推進課)が見られ、事業者や市民に対して、環境保全を言える立場ではない−と厳しい指摘がある。同市は「来年度のISO14000シリーズ取得を計画。12月補正予算に、環境マネジメントシステム推進事業として822万8000円を計上」(千葉光行市長)したが、「この単純な紙ゴミの分別さえできない現状では無理」という職員の声も聞こえている。
 市川市庁舎内のゴミ分別は、ダンボールと新聞紙、コピー用紙などの紙ゴミ、弁当箱などの燃えるゴミに分別され、各階のトイレ横に弁当箱やビニール、生ゴミなど燃えるゴミだけを入れる紙袋上の壁には「ダンボール及び一センチ以上の紙ゴミは指定場所〈市民課裏、ピロティー〉へ捨てて下さい」と張り紙で明記している。ところが、どの階の袋にも毎日、紙ゴミが混じっている。そのため毎朝「メンテナンス事業所の人が紙だけを拾い上げて、分別作業を行い、職員の尻ぬぐいをしている」(某職員)。事業所側も半ば、あきらめ顔で「これがなければほかの仕事が出来るのに」とつぶやく。このような状況についてリサイクル推進課は、「4年前から各課にゴミ責任者を配置、ゴミ分別の徹底を図っている。方法ついては各課にまかせてあるが、職員の意識が低い」と説明する。

「都市計画マスタープラン」策定で市民モニターを募集  市川市は都市づくりの基本的方針となる「都市計画マスタープラン」の策定を始めた。同市都市計画課は「土地利用や施設整備などの個別計画に横串を刺す、都市づくり部門の総合的な方針となるもので、四半世紀の都市づくりのビジョンを示すもの」と説明。市民の意見を反映するため「都市マス市民モニター」72人を公募。今年度中に市の現状と課題を分析した「市川まち白書」を作成、モニターに送付して意見を聴く。また、今年度中に市民団体推薦の代表や知識人などで構成する、仮称「都市マス市民団体懇談会」を設置し、市民モニターからの意見を照合しながら都市マスの全体構想原案を作成の会議を行う。
 同市は「地方分権や市民意識の高まりで市民・事業者・市が三位一体となって地域特性をいかした、個性豊かな都市づくりに本格的に取り組む環境が整ってきた」と策定の趣旨を説明。平成13年夏ごろに全体構想案を策定、同年秋に市内の九地域(大柏、国府台・国分、曽谷・宮久保、北方・中山、市川・八幡、市川南・南八幡、信篤、旧江戸川、新行徳)で地域説明会を開き、9地域で自発組織となる「都市マス地域別市民懇談会を立ち上げてもらい、そこで地域の特色ある地域別構想素案を作製してもらう」という。
 現在、都市計画マスタープラン策定の市民モニターを募集している。対象は10歳から70歳以上までの老若男女72人。策定の節目(5、6回)ごとに郵送される簡略な資料をもとに、意見やアンケートを返送する。一堂に会しての会議は行わない。

ホームレス対策の話し合いに市川市は消極的  「国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」−と、市川市内でホームレスの自立支援活動を続けている市民グループ・市川ガンバの会(副田一朗代表)は11月30日、千葉光行市長に<1>何の施策もないまま、市管理地からのホームレスの追い出しを中止<2>ホームレス対策を総合的に考える部署を設置<3>行政と当事者、支援者の話し合いができる場を設定−を要望した。
 これに対して同市長は10月4日、「施設を利用する人(市民)が安心して、快適に利用できるよう条件を整える義務がある。基本的には施設管理の上で、施設の目的に沿って、合法的に利用する人を優先してゆかざるを得ない」の考えを示した。また「現在、関係部署間で情報の共有化を図っているところ。当面はこの体制で対応」と、担当部署は設けないことを示唆。相互の話し合いの場は「状況に応じて対応」と、やんわり否定している。

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