市川よみうり04-00
市川市連結バランスシートを作成
市民に分かりやすい決算情報の開示を行うため、市川市はこのほど同市の連結バランスシート(貸借対照表)を作成した。「財政状態を明らかにするため、今回は昭和44年度以降の決算データ、決算書などをもとに作成した」(同市財政課)。バランスシートを公表しているのは神奈川・藤沢市と新潟・上越市、東京・武蔵野市についで全国で4番目。県内は初めて。
同バランスシート(平成12年3月31日現在)を見ると、市川市の資産総額は5186億円で、市民一人当たりでは119万円。負債総額は2006億円で市民一人当たり46万円。資産から負債を引いた正味資産は3180億円で、市民一人当たり73万円。正味資産率は61・3%になっている。「正味資産率は企業会計でいう自己資本比率にあたり、自己資本率は50%が一応の目安とされているので、市川市の財政の健全性は高い」と財政課。また、自己資本がどれだけ負債を担保しているかを示す負債比率は63・1%。「比率が低いほど健全で、100%以下が望ましいとされていることからも、財政の健全性が確認できる」と説明している。
コンピュータ・ユーザーシステム・アワード2000最優秀賞に市川市の情報サポートシステム 電子情報技術産業協会のミッドレンジコンピュータ・ワークステーション事業委員会が、ミッドレンジコンピュータやワークステーションを企業経営、事業に効果的に活用している企業や団体・自治体から募集した「コンピュータ・ユーザーシステム・アワード二〇〇〇」で、最優秀賞に市川市の「360+5情報サポートシステム」が選ばれた。全国から応募のあった852件から、最優秀賞を受けた市川市の情報サポートシステムは、市内や近隣市、都内などのコンビニエンスストアに設置されている情報端末から、行政情報の閲覧や公共施設(市内十五公民館)の予約ができるシステム。
審査で「行政利用は、窓口端末までの従来型のシステム発想から、都内通勤者でもインターネットで公共施設の予約ができるなど、行政サービスの向上に活用されたシステム」と評価された。「今年度から始まったばかりなので、コンビニでからの公民館申し込みは全体の2−3%。インターネットを合わせても約20%。これがもっと市民に浸透していけば増加していく」と同市情報システム課。今後は「スポーツ施設の予約や制度や手続きがクリアできれば、申し込み時に料金の振り込みも可能なよう、各所管と協議してゆきたい」とも語っている。
保育園の新・増設で待機児童対策
少子化対策の一環として国から少子化対策臨時特例交付金を受けた市川市は来年度、同市湊新田二丁目・文書書庫跡の市有地に市内で27番目の仮称・湊新田保育園建設に着手する。平成14年4月1日の開園を予定している。現在、同市内で保育園以外に預けて母親が働いているか、もしくは預けられば働きたいという待機児童は合わせて488人。そのうち行徳地区は56%の275人。
さる10月15日、同市南保健センターで行われた新総合計画の広聴会でも、子育て中の市民から保育園の新設が要望された。また新設以外の対策として、市立南行徳小と同大野小の空き教室を改造、地域の私立保育園の分園として29人ずつを受け入れる態勢を整え、こちらも平成14年4月の開園を目指す。さらに香取保育園と塩焼保育園を増改築し、30人ずつを増員する。
旧木内別邸地と周辺を市川市初の住宅地高度利用地区計画指定 市川市真間四丁目の旧木内別邸地に、マンション建築が計画されている。市ではこれまで、事業者や一部の市民グループと協議を重ね、旧木内別邸地と周辺の約1万7800平方メートルを同市で初の、住宅地高度利用地区計画(都市計画法第一二条−四)とすることを決めた。この地区計画では「建ぺい率を強化し、高さを緩和することで既存の優れた樹林や樹木を保全、調和のとれた良好な市街地を形成して、その環境を保持していくことが目的。これまで指定してきた、規制色の強い地区計画とは違う、市内では初めてもの」(都市計画課)。
計画地区は大部分が第一種低層住居専用地域で、建ぺい率40%、建物の高さが10メートルを越えないことが基準となっている。地区計画の指定は、建ぺい率を30%に強化、建物の高さの最高限度制限は20メートルまで緩和する一方、敷地面積の最低限度を1万平方メートルに強化して敷地の細分化を防ぎ一団の樹林地を確保。「建築面積を狭くして、建物の高さをある程度認めることで、建築の影響を受ける樹木の本数を減らし、保存樹木を多く確保できる」という。
東京外郭環状道路説明会で用地買収の質問 建設省首都国道工事事務所と日本道路公団は10月29日、市川市立稲荷木小=写真=と同平田小で、東京外郭環状(外環)道路の市川市田尻五丁目から東大和田二丁目までの京葉ジャンクション周辺区間1・6キロと、大和田一丁目から新田二丁目の市川南インターチェンジ周辺区間1・2キロにかかる道路の基本構造や事業の進め方、用地補償についての説明会を行い、公団は「来年の春ごろから土地の計画買収に入り、2年間で買収を済ませて、平成19年度の供用開始を目指している」と答えた。
説明会では住民から「道路が稲荷木小や稲荷木幼稚園に隣接して建設される。自動車の排ガスで環境汚染による児童の健康のことが心配」という環境面からの質問だけでなく、「先祖伝来の土地を国の公益のために提供するのだから、具体的な数字(買収費)を出して説明をしてほしい」「土地の一部が抵触するが残地も買収するのか」「土地の値段が買ったときよりも下落しているが、評価はどうするのか。損をしてまで出ていきたくない」など、用地買収についての質問も多く出された。