市川よみうり04-00
市川よみうり2000年8月
寺を中心にまちのコミュニケーションづくり 歴史のまち・行徳の地域の特性をいかし、これからのあり方を考えよう−と千葉大都市計画研究室は7月29日、市川市行徳公民館で新旧の住民が一体となってまちづくりに取り組める環境づくりや、よみがえる町並み、水とふれあう生活、住み続けられるまちなどの内容の発表を行った。これは同大工学部の北原理雄教授研究室の4年生12人が、卒論前の演習として4月から6月まで本行徳周辺の旧行徳地区を調査。結果、「行徳には江戸時代からの濃い歴史とその遺産が残っている。自分たちが試してみたのはそういった資源の発掘とともにそこに住む人々愛の強化を行うこと」と提案。
 報告では「寺の敷地に集会所などを設置、寺を媒体としてコミュニケーションの場を設定。さらに端末のテラコムを設置して歴史やイベントなどを情報をアクセスするとともに、外部にも情報を公開していく」と新しい発想を紹介。同時に自治会を中心にテラコムの利用を提言しながら、ワークショップの勉強会を行っていくことを提案した。また、「お寺の高い塀を取り除いて、墓の周りには低い木々を植栽。公共施設にはオープンスペースを設け、利用者以外も集まれる場所とする。寺の入り口には花壇を配し、その世話を地域に住む小学生がすることで、寺の敷地に子供たちを呼び戻す」などの方向性を示した。
 報告後も大学生たちは、「(せっかくの遺産が)もったいない」「行徳街道は交通量が多く、左右の景観が失われている」「江戸川の水辺が見えない」「神社仏閣など、子供の遊ぶ場所がうまくいかしきれていない」などの感想を述べていた。一方、市川市は「これからの行徳の街づくりには可能性がある。純粋で斬新な発想の提案のなかには実現できるものもある」と高く評価している。

子供からのSOS1か月で80件 子供の悩みなどをいち早くキャッチし、深刻な事態になる前に問題を解決しよう−と市川市が今年6月、市役所内に開設した電話相談「子どもほっとライン」に1か月後の7月17日現在、79件の電話が寄せられている。小学校高学年から中学生までが多く、「なかでも、友人問題に関するものが多い」と総合市民相談課。深刻なものでは「恐喝されているとの相談があったので、事実確認後、学校や警察などに連絡をとり、早急に対処、解決した」例があるという。
内訳は無言電話が31件と最も多く、ほっとラインの確認が20件、友達関係9件、いじめ6件の順位となっている。同課は「無言電話の場合、返事がなくてもこちらから問いかけ、電話をかける気持ちがあるのならば、返事をしてほしいと呼びかけている」。  ほっとラインは主任児童委員などボランティア18人が交代で、毎週月−金曜日午後3時から同6時まで電話0120-21-1032番で対応している。

便利なバスの実現に市川市と京成電鉄が連絡会  市民にとって便利なバスの実現を目指して、市川市と京成電鉄自動車本部は市川市役所で「第1回市川市バス交通問題連絡会」を開いた。現在、市内の主要五路線の平均運行速度は、11−14キロと自転車並みの速度で利用者のバス離れに拍車がかかっている−と、同本部。その理由を「国道14号線と京成電車の踏切があるためや、江戸川を渡る路線が交通渋滞に巻き込まれて定時運行が出来なく、バスの信頼を低下させる要因となっている」と考察している。
 市川市道路交通部は、同連絡会の趣旨を「平成9年3月の規制緩和推進計画で、乗合バス事業にかかわる規制が免許制から許可制へ移行し、届け出制で所要の期間を経過すれば路線を廃止出来ることになり、乗合バス事業を取り巻く環境は大きく変化してきている」と説明する。市とバス事業者がこれまで以上に緊密な連携をとることは、「生活交通の確保の取り組みのあり方やバスの利用促進の方策など、バス交通全般にわたる諸問題について、定期的に意見交換や協議を行っていく必要があるため」と同交通部。 「利用者は少ないが地域にとって重要な交通手段となっている路線を、どのように維持していくかが行政とバス事業者双方の課題となっている」(京成電鉄)だけに、今後の協議内容が重要になりそう。

市川市の平成11年度収支は41億円黒字市川市の平成11年度予算の実質収支がこのほどまとまり、約41億円が次年度への繰越金(余剰金)となった。同年度から展開した「財政健全化緊急三か年計画の結果が、初年度にしては予想以上に効果がでた」(池田幸雄財政部長)ことによるもので、「緊急的な市民サービスを中心」(財政課)とする九月補正予算や次年度繰越金、財政調整基金への積み立てなどに当てられる。
 近年の繰越金は平成9年度約29億円、同10年度約16億円で、財政課では「11年度は例年にない大きい額。来年度予算に繰り越し、将来的な財政運営のための財政調整基金など、市民サービスに還元していく」(同課)という。余剰の内訳は「市税収入の事業所税や法人税・たばこ税が予想以上に伸び、約11億円増の約698億円となったこと。支出面では事業を執行する際に、各所管が節減を心がけた」(同課)結果、衛生費約五億円や土木費・教育費ともに4億円ずつなど、約23億円の不用額が出た。さらに東京外環用地に抵触する市有地などを処分した収入約5億円などがある。


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