市川よみうり04-00
市長の教育行政介入は越権行為論
市川市は来年度から、こどもと生活支援部を仮称・こども部に改組するため、4月から同市教委を含めた「こども施策一元化プロジェックト」を発足、現在協議を行っている。協議内容は「子供自身が意見を表明し、参加できる施策のなかから、特に心身の発達に重要な時期である小学生の放課後の居場所づくりを中心に検討」(同部)。しかし、こども部の設立に異論も出ている。教育現場の責任者である最首輝夫同市教育長は、「体制さえ整っていればいうことはない」といいながらも、「教育行政は独立性・中立性の立場。地道に行って、結果が出るまで時間がかかるもので、長年の経験を伴う専門性が要求される」と市長の考え方を暗にする。
さらに「市長が教育行政にまで口を出すのは越権行為。教委を自分の傘下に置きたい政治家の発想」と一部の市民からも厳しい意見が出ている。市幹部のなかからも「機構改革も名前だけを変えても、職員意識は変わらない」「急ぎ過ぎ」などの不満もある。
一方、市長は「子供の施策としてこれまで、各部で行われてきた事業を、子供の視線で考えてみようと現在、市教委も入って協議しているところ。こども部は場合によっては市教委担当でもかまわない」との考えを示している。
事務局が主体性を発揮できる市教委組織に改編図る 市川市の最首輝夫教育長はさきごろ、「地域における教育行政改革の動き」と題して、同市教委の指針を明らかにした。同教育長は市長部局と市教委の関係を取り上げ「行財政の効率化が求められる分権改革は、首長部局の考え方が教育行政の存亡にまでかかわってくる。いままで以上に市教委が主体的にならなければならないし、できれば自立したい」と述べている。その理由を「分権社会となれば、地方の団体や機関に機能がゆだねられることから、首長や首長部局の政策・財政が直接教育行政に及ぶこととなり、独立性や中立性の維持が危ぶまれることになる。教委が自立することで、主体性が保たれ公正な教育行政となる」と説明する。
一方で「財源を持たない教委としては、本当の意味での自立はありえないということは認識しておかなければならない」と現状を述べたうえで、「教委は将来像を描き、方針・目標の定期的な見直しや施策を中心とした教育総合5か年計画の策定や人事の刷新など、教委事務局が主体性を発揮できる組織に改編する。このことが財源を持たない名ばかりの独立行政機関として生き残る道であり、教育を守り、発展させることになる」と意識の改革を問いかける。
イノカシラフラスコモ保護に向けて始動
全国でも市川市中国分・じゅん菜池でのみ生息が確認され、環境庁のレッドリスト絶滅危惧種一類と、県レッドデーターブックの最重要保護生物に挙げられているイノカシラフラスコモ(シャジクモ)を調査・研究、保護する市川市の「イノカシラフラスコモの保護保全に係る検討委員会」(会長・加藤英男東京都立大名誉教授)は7日、2回目の会議を開き、鈴木孝男・市環境部長の「この検討委員会のなかで方向性を出していただいて、今後の絶滅危惧種の突破口としたい。その力で環境庁や各方面を動かしたい」と、市が引き続いて保全保護する方向を確認した。
委員の野崎久義・東大助教授が行った「市としてどういった視点で保護したいのか。国の意志は」との質問に答えたもので、調査計画案を「検討委員の助言のもと」(市環境政策課)まとめ、生物自体について・生育環境について・栽培実験・既存データ・車軸藻(シャジクモ)の保護保全に関する事例など調査を行っていく方向性も提示された。
首都圏19市の課題施策を調査交通計画の「駅前駐輪場の整備と放置自転車対策」と水と緑に関する「緑地の保全」の両施策を、東京23区に近接する19市が課題として取り上げていることがこのほど、市川市が行った首都圏における都市課題に関するアンケート結果から分かった。今回の結果を受けて、同市都市政策室では「各市でさまざまなことを行っているが、一自治体では限界もある。いろいろな工夫を、お互いに意見交換していきたい」と、職員が出向いて各市の担当者にヒアリング調査を行う予定。
アンケート調査では、解決しなければならない課題として「地方分権後の権限の変化への対応」「住民参加の促進、NPOの支援」「狭い道路の解消」「交通渋滞の解消」の4項目に16市が回答している。取り組んでいる交通計画については「道路・公共施設・公共交通機関のバリアフリー化」が17市。「広域幹線道路の整備・拡充」「駅周辺交通渋滞対策」の順となっている。
水と緑の施策では「公園や緑地の管理に関する市民参加の推進」16市、「水と緑の自転車・歩行者ネットワークの形成」「計画策定経の市民参加推進」「河川・公園・街路などの一体的な整備」が続いている。