市川よみうり2-00
市川よみうり2000年2月
東京大空襲から55年=不発弾170本を撤去 昭和20年3月10日の東京大空襲の時、市川市原木の田畑に投下された不発弾を、住民が同地区の日枝神社の敷地内に埋めたといわれる直径7センチ、長さ約50センチ、「6ポンドの油脂焼夷弾」(小野英夫市川歴史博物館学芸員)170本が1月25日、陸上自衛隊東部方面武器隊不発弾処理隊によって撤去された。市内で多量の焼夷弾が発見されたのは今回が初めてで、28本は真管がついたまま爆薬が残っている−との判断から、自衛隊が持ち帰って処理した。残りは真管部分を切り落とし、同市歴史博物館や同自治会などに数本ずつ寄贈された。
 この日午前6時半から始められた作業は、「神社の敷地に穴を掘り埋めた」と証言している飯塚昭一さんの案内で敷地内を掘り始め、午後4時半に全作業が終了した。当時、田畑が広がっていた原木地区では、田植えの時期を前に、落された焼夷弾や鉄クズなどはじゃまだったことから、青年団が集めて埋めたという。

知事と市長に残土問題早期解決を求める 残土を撤去して、環境を原形に戻してほしい−と市川市行徳地区自治会連合会(松沢文治会長)は1月25日、千葉光行市川市長と沼田知事あてに同地区連合会の27自治会(約1万1000世帯)で集めた1万348人の署名を添えて、同市本行徳地さき石垣場等の残土問題早期解決を求める要望書を提出した。同地区連合会がこの問題で要望書を出すのは初めて。市川市はこれまで、市議会での指摘や一部の周辺住民から住環境の改善要望があるたびに、住民との話し合いや周辺地域のパトロール強化、境界線に植樹するなどソフト面でのさまざまな対処を行ってきたが、市街地調整区域と県の都市計画決定の網に阻まれて、具体的な都市計画案を示すことができないまま推移してきた。
 市川市都市計画は「まず地権者の意見を聞かなければならないが、県は江戸川第一終末処理場用地を、市川二期埋め立て地内に位置付けているので、石垣場の問題に見通しがつきそうな情勢となってきたと理解している。市川二期計画がどうなるかが課題」と見守る構え。  

市川市の学校給食民間委託4月から実施市川市の千葉光行市長と最首輝夫教育長は、同市が4月から実施予定の学校給食調理業務の民間委託に反対する、同市立大野小と同宮久保小両父母の会に1月26日、「予定どおり6小学校で実施したいと考えている」と答えた。
 現在、市の入札参加者適格者名簿に登録されている給食関連企業約30社のなかから12社が選ばれ、落札した6業者が委託を受けることになるが、父母の会が懸念している安全性について、最首教育長は「何においても優先されなければならない」と前置き、「これまでの学校給食の水準を維持することはもとより、向上させることを基本に市独自の基準を設定。委託業者については他市で学校給食に実績のある会社から、食中毒や学校給食法令上支障のあった業者を除いて選定する」と安全性を強調し、「現在約22億円の学校給食関係予算のうち、人件費が約19億円を占めており、仮りに全校委託した場合は約12億円と、約7億円の経費削減ができる。この分を給食施設・備品の整備や、食器具の改善に役立てることができ、これが衛生面や給食の質の向上につながる」と述べている。

低所得者の介護料金負担を3%に 4月から実施予定の介護保険制度で市川市は、現在ホ−ムヘルプサ−ビスを利用している高齢者のうち、生活保護受給世帯を含む、生計中心者が所得税非課税である低所得者負担を、介護料金規定(10%)を下回る3%に抑えることを明らかにした。この軽減措置は、市町村が行う事業に対して国が助成するもので、国の基準では、すでにホ−ムヘルプサ−ビスを利用している低所得者に限られているが、市川市は「新たに認定された低所得者にも、独自で適用していく」(市介護保険課)方針。
 ホ−ムヘルプサ−ビス利用高齢者の多くが「低所得者である実情から、経過的に軽減を行う」(同課)もので、平成12年度から同14年度までを3%、同16年度まで6%、同17年度から規定の10%にする予定。現状では、同市内でホ−ムヘルプサ−ビスを受けている1030人のうち、約800人が無料で利用しているが、「必要に応じて補正していく」と柔軟な姿勢を見せている。

市川市平成12年度当初予算一般会計1025億円歳入歳出それぞれ1千25億円(対前年度比3・2%マイナス)の一般会計など、総額1701億8219万7000円の平成12年度市川市当初予算案が23日から開会の、同市議会2月定例会に提出された。新年度の予算は「危機的な財政状況からの脱却を目指した緊縮型でありながら、限られた財源を有効に活用して、少子高齢化対策や福祉の充実、高度情報化、環境対策などの行政課題に重点的に配分、来るべき21世紀を見据えた堅実・実行型予算」と千葉光行市長。
 歳入の65・4%を占める市税は、景気低迷の影響から対前年度比マイナス3・9%の669億8900万円。歳出は「歳入に見合った転換を行い、昨年と同様に部局単位の枠配分方式を採用した」と千葉市長。事務事業や人件費を削減して、内容の総点検で新規事業は積極的に展開し、有効利用を図った−と強調している。歳出構成比一位は217億8800万円(対前年度比2・1%減)の民生費。次いで土木費の165億8100万円(同8・7%減)。三位が152億5100万円(同9・1%増)の教育費となっている。
 特別会計は、新年度からの介護保険制度実施にともなう介護保険会計96億8100万円と、国保・下水道などの七特別会計は合計658億6400万円(対前年度費22・7%増)。また公営企業会計は「リハビリテ−ション病院事業が軌道に乗っていることを考慮して対前年度比3・1%増の18億1819万7000円を計上」、一般会計・特別会計・公営企業会計の合計予算規模は、前年度当初比5・5%増の、1701億8218万7000円になった。

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