市川よみうり12-99
学校給食の調理民間委託で市川市教委=市職組と再交渉
市川市教委は来年度から、同市立小学校6校の給食調理業務を民間に委託することを、10月12日に行われた市職組(小原信夫執行委員長)との交渉で提案、理解と協力を求めた。調理業務の民間委託は行政改革の一環であり、職員の新規採用はしない−と千葉光行市長が明言しているなかで、「平成11年度末には給食関係者15人、同12年度末で11人、同13年度末で12人が退職する」と市教委は委託の理由を挙げている。
また、今後の「学校給食事業の改善計画(案)」で「給食ビジョン」を掲げ、同ビジョンでは磁器食器の使用、ランチルームの整備、選択給食の実施など、6校の調理業務委託料1億2078万8000円と、施設・整備など改修費など合わせて約2億6千万の来年度予算計上を予定している。
一方、市職組は「なぜ委託なのか。自校方式のどこに問題があり、どこを変えたいのか」と疑問を投げかけ、「財政難であるならば臨時職員で補充すればよい。臨職ならば年間2500万円で出来る」と提案している。
給食の調理業務委託が予定されているのは稲越小・大野小・新井小・宮久保小・国分小・大柏小の6校。市教委は「これまでどおり、各学校の給食調理室を使って、栄養士が献立を考え、食材料もいままでどおりに発注する。ただ、調理する人が市の職員から、民間会社の調理師と調理員に変わるだけ」と説明する。民間委託の問題は、昨年から継続交渉となっていたもので、市教委は財政難を理由に3校の調理業務委託を提案したが、退職した調理員の分は現場で補う−という、現場の気迫に押され、市も一時は断念した経緯がある。
市川市の施設使用料手数料引き上げ新年度から最大50% 市川市は8日から開会の定例市議会に「市川市使用条例の全部改正」「市川市手数料条例の全部改正」の2議案を提出した。両議案が通過すると、平成12年4月から公共施設などの使用料と各手数料が、最大で50%値上げされることとなる。20年ぶりの大改訂となる両案のうち使用条例には公民館などの、これまでの午前・午後・夜間の貸し出し時間帯に、1時間単位での貸し出し帯を新たに設けている。使用料・手数料の値上げで「平成12年度、1億5000万円の増収」(財政部)を見込み、今後は、3年ごとに見直していくことにしている。
手数料の引き上げは、市県民税・固定資産税・納税証明書の交付などが1件300円となり、住民基本台帳関係では、住民票の写しや住民票記載事項証明書・戸籍の付票の写しの交付がそれぞれ1通につき300円。印鑑登録証の交付または再交付・同証明書の交付が1件(通)につき300円。外国人登録済証明書の交付1通300円など。
このほかは認可地縁団体関係、市営霊園使用許可証関係、農業委員会関係、道路管理関係、都市計画関係の証明手数料が対象になっている。
使用料の新料金設定にあたっては、原価(コスト)の算出方法の統一・受益者負担区分の新設・上限改定率の設定・貸出区分の統一・改定サークルの設定の統一的な基準を策定したうえで見直しが行われ、たとえば、市立東部公民館の第1研修室を午前9時から午後零時まで借りた場合、改定前の400円が、改定後は50%値上がりして600円になる。
市川市食生活改善推進協議会に厚生大臣賞
地域で料理教室や栄養相談など地道な活動が評価され、さる10月に横浜市で開かれた「平成11年度全国食生活改善大会」で市川市食生活改善推進協議会(玉田光代会長)が、厚生大臣賞を受賞した。昭和47年から、県保健所の健康料理教室を卒業した人が地域の料理教室など、健康にかかわわる活動を開始。同52年に同推進協議会を設立、現在会員約60人と周囲の市民などがボランティアで、料理一日講習会や母と子供の料理教室、家庭教育学級や敬老会・自治会などに出かけて食生活の改善・相談業務など「市民が病気になりにくい体をつくるために活動している」。
市川市職員の約半数が行革では自分も組織も『変わらない』
市川市は市職員3893人から同市の行政改革に関する意識調査を行い、このほど結果をまとめた(回収率88・7%)。調査によると、行革で「約半数程度の職員は自分も、組織も『変わらない』と感じている」(行政改革推進課)ことが明らかになった。この結果を見て「急激な変化に戸惑いながら、『いつ市長が息切れするか』『市長から宿題が出て答えを出す前にまた、宿題が出るので落ち着いて仕事ができない』などという声が聞かれる。今回の『変わらない』という回答が多かったのは、一種の抵抗」と判断する職員もいる。また今年4月の大幅組織改正の結果、『変わらない』という意見が半数近くを占めたことで行政改革推進課は「行革が全職員まで、完全に浸透していないことが数字として表れた。今後は一律ではなく、重点を絞ってPRしていきたい」と説明している。
調査では「職員の給与水準の適正化を図る昇給延伸やベースアップの凍結」について、『もっとほかにやるべきことがある』36・7%、『やむ得ないことだと思う』34・5%、『やめてもらいたい』」18・7%の順。「退職職員不補充の影響はどうか」には、『仕事がきつくなった』33・3%、『特に変わらない』28・4%、『何とかなっている』23・4%の回答順となっている。
三番瀬の自然環境の保全について市民提案市民グループ・市川緑の市民フォーラムは10日、三番瀬の自然環境の保全と市川市臨海部のまちづくりについての市民提案を、県と市川市に提出した。京葉港二期・市川二期埋め立て計画について、県の見直し案では市川市が埋め立てに積極的であることや、埋め立て面・人工干潟の面積が船橋市側よりはるかに大きくなっていることから、市川市民が埋め立て計画についてどのように考えているかを明確にする必要がある−と基本概念を掲げ、短期・中期・長期的な期間の提言を示している。基本的に「いま残されている干潟と浅瀬は可能な限り保全することを前提にした市川市臨海部のまちづくりを考え、出来る限り既存の陸域内で検討を進め、陸域内の住宅用地や終末処理場用地、公園用地などを三番瀬に押しつけない。また第二湾岸道路は、必要な道路なのかどうか、時間をかけて検討する」と提案している。
さらに10年から50年の長期的提言として「東京湾奥部の自然環境の改善を図るため、神奈川県や東京都・千葉県・環境庁で『東京湾環境保全プロジェクト』を発足させ、東京湾全体の環境保全や原風景の回復を考えて実施する」との案を示している。