国分の瓦窯跡、保存~歴史公園化も検討
文化審議会が答申
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保存が決まった登り窯跡(千葉県教育振興財団提供) |
文化審議会はこのほど、市川市国分の外環道路建設予定地で平成16年に出土した2基の瓦窯(かわらがま)跡を、国指定の史跡・下総国分寺跡に追加指定するよう、文部科学大臣に答申した。同寺の瓦を焼いていたこの窯は、当時の地方政治や宗教政策の資料として重要な遺跡で、市教委は将来的に、この窯跡のある一帯を歴史公園として整備することを検討している。
下総国分寺跡は、現在の国分寺境内を中心とする1万1030・11平方㍍が昭和42年に指定され、平成14年に付属施設の見つかった一帯8019平方㍍が追加指定されている。今回新たに指定された場所は、市立国分小西側にある2基の瓦窯跡とその一帯2287・74平方㍍で、これにより下総国分寺跡は合計2万1336・85平方㍍となる。
2基の窯は登り窯とロストル式平窯各1基で、特にロストル式平窯は当時としては先進的なもの。また当時は瓦自体も、最新技術を使用した国家権威の象徴でもあったことなどから、こうした遺跡は当時の中央と地方の関係がわかる重要な資料になるという。
追加指定された場所は外環道路建設予定地の一部だが、国道や高速道路になる場所ではないため、大きな影響はない見込み。現在、土地の所有者は東日本高速道路や個人などだが、将来的には市が保有し、市民が広く親しめるよう窯のレプリカや説明板、休憩施設などを備えた歴史公園にすることを検討している。
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